【≠ME『君はこの夏、恋をする』MV創作シナリオ】瞳美×美玲「その瞳は玲瓏」#4
この物語は、指原莉乃プロデュースアイドル「≠ME」通称:ノイミーの1stシングル『君はこの夏、恋をする』のMVを見て感化されたオタクの妄想シナリオです。
MVの世界観から想像した物語の為、本人の実際の真意とは全く関係御座いません。
創作舞台となったMVはこちら↓
【登場人物】
瞳美…ノイミ女子高校2年1組。帰宅部。飽き性で人たらし。色んな人に惚れては、勝手に振られている。お調子者天然ガール。(画像右)
美玲…ノイミ女子高校2年1組。陸上部所属、専門は高跳び。ノリが良く、とても気さく。しっかり者のクラスの学級委員。(画像左)
奈月心…ノイミ女子高校1年3組。”なつみ”と読む。陸上部の高跳び専門。先輩大好きな元気っ子。冗談が好き。美玲をからかうのが好き。(画像2枚目)
菜々風…ノイミ女子高校3年1組。陸上部所属、専門は短距離。しっかり者のエース。(画像3枚目)
ーー
「その瞳は玲瓏」#4その瞳に映るもの ver.瞳美eyes
〇1年前 4月 入学式 昇降口
沢山の人だかりの中、クラス割表を見つめる瞳美。
瞳美 (いつからみれたんのことが好きだったか。
はっきりとは分からないんだけど、でもそれはきっと、
出会った時からだったように思う。)
瞳美、自分のげた箱を探す。
瞳美「4組、12番…あ、あった。」
瞳美、げた箱に外靴を入れ、中靴に履き替える。
その後、クラスに向かい歩き始める。
後ろから、美玲が声をかける。
美玲「ねぇ!!!」
瞳美「…?」
美玲「そう!あなた!」
美玲、瞳美に近付く。
美玲「紐。」
美玲、瞳美の靴を指さす。
紐がほどけている。
瞳美「あ。」
美玲、座り込み、瞳に靴紐を結ぶ。
瞳美「あ、ごめんなさい。」
美玲「荷物多そうだったから。」
瞳美の手には、先ほど校門前でもらった部活動勧誘の紙でいっぱいだった。
美玲「中学の入学式の日に、靴紐ほどけてて転んじゃったんだよね。私。」
瞳美「え?」
美玲「恥ずかしかったなぁって思いだして、声かけちゃいました。」
美玲、結び終わり、立ち上がる。
瞳美「…ふふ、なんか面白い。」
美玲「えぇ?」
瞳美「だって高校生にもなって、誰かに紐結んでもらうなんて。」
美玲「嫌だった?」
瞳美「最初はちょっと、「変な子キター」って思ったけど、今は嫌じゃない。いい子だった。」
美玲「よかった。同じクラスだといいね。」
瞳美「敢えて、名前もクラスも聞かないどくね。」
美玲「じゃあクラス違ったら幻になっちゃうね。」
瞳美「いや、多分探し出す気がする。待っててね。」
美玲「ええ?うん。」
瞳美「覚えててね、この顔。」
美玲「わかった。覚えとく。」
〇現在 4月下旬 学生ラウンジ
昼休み。
瞳美と美玲、昼食を食べ終え、
次の時間の小テストに向けて勉強をしている。
瞳美、美玲の横顔を見つめている。
瞳美 (今考えると運命っぽい出会いだったけれど、そのあとすぐに仲良くなったわけでもなくて、ほんとに段々、いつの間にかそばにいるようになった。…いつの間にかだったから、いつ好きになったかわからない。
けど、あの時靴紐を結んでくれた、そのちょっと緊張してた顔と手の震えは覚えてる。きっとそのころから気になってて、好きだったのかもしれない。)
瞳美、悪戯に美玲の耳を触る。
美玲「ひゃっ!!」
瞳美「ぷっ(笑)」
美玲「やったなひーちゃん!!」
美玲、瞳美の耳を触ろうとする。
瞳美「ちょ、だめだめ、ここ公共の場!」
美玲「公共の場で先にやったのはそっちでしょー?」
瞳美「ほんとに、ほんとに静かにしなきゃ、あはは」
瞳美(美玲には忘れられない男の子がいた。)
〇1年前の夏休み
瞳美と美玲は一緒にショッピングモールにきていた。
写真を撮ったり、買い物をした後、ベンチに腰掛け、ミルクティーを二人ですする。
瞳美「みれたんって恋人いないの?」
美玲「…めっちゃ唐突だね。」
瞳美「いや、みれたんとそういう話したことなかったなって。」
美玲「いないよ。居たら多分言ってるよ。」
瞳美「そっか。」
美玲「ひーちゃんは?」
瞳美「お察し。悲しいね。」
美玲「居てもおかしくないのにね。」
瞳美「なんで?」
美玲「だってほら、可愛いし。こんなにポニーテールが似合う子、中々いないと思うよ?」
瞳美「みれたんはいつも褒めてくれるね。私もみれたん以上に透明感がある子なんていないと思ってるよ。」
美玲「…好きな人はいるんだよね。」
瞳美「…まじ?」
美玲「て言っても一生片思いの、忘れられない系の。
中学の卒業式にさ、告白しそびれちゃったってやつ。」
瞳美「それは…悔しいね。」
美玲「入学式の日にひーちゃんの紐結んだの覚えてる?」
瞳美「もちろん。」
美玲「その時話したと思うんだけどさ、私が中学の入学式で紐に引っかかって転んだときに、助けてくれた男の子。」
瞳美「…それは好きになっちゃうね。」
美玲「実は名前も知らないんだ。」
瞳美「え、どゆこと?」
美玲「あの日以来、見つけられなかったの。だから卒業式の、全員集まる日にって思ったんだけど、見つからなかった。…転校でもしてたのかな。」
瞳美 (みれたんはサラッと話してくれた。けどその表情は、すごい大きな何かを忘れてきたような、そんな後悔が宿る濁った顔をしていた。)
〇現在に戻る
瞳美、美玲の笑顔を見て、また笑顔になる。
瞳美 (なのになんで、いままでずっとその彼が忘れられないって言ってきたのに何で、)
瞳美「ねぇみれたん、外行こうよ。屋上。」
美玲「え、勉強は?」
瞳美「屋上でしよ。外の空気が吸いたくなった。」
美玲「えー、いいけど。ほんとに勉強する?」
瞳美「すーるよー。ほら行こ。」
美玲「じゃああとで耳触らせてね。」
瞳美「それはダメ。」
〇その日の朝(#3の出来事の続き) 昇降口
美玲と瞳美が手をつないで歩いている。
瞳美「え、なつみんが?」
美玲「そうなんだよねぇ…。」
瞳美「そうだったんだ…やるなぁなつみん。」
美玲「うん…。」
俯く美玲。
瞳美「どうしたの?」
美玲「いや、どうしようかなーって。」
瞳美「え、迷ってるの?」
美玲「…まぁ…。ほら、なんかひーちゃんも今回は積極的に頑張ってるしさ、私もちょっと前進んでみようかなぁ、なんて…。」
瞳美(なにそれ。)
瞳美、美玲を握る手が強くなる。
美玲、その変化に気付く。
瞳美「なつみんのこと、好きなの?」
美玲「まだわかんない、けど、…好きになれそうな気はするから。」
瞳美(なにそれ。)
美玲「まぁこの話はもうおしまい!ね、教室行こ!」
美玲、瞳美の手を放し、少し先を小走りする。
瞳美「待って!」
瞳美(そんなの、そんなので好きになれそうなんて…。
私が今まで、みれたんを好きだったことをごまかすための、沢山の人への気持ちが、バカみたいじゃない。)
to be continued...
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