=AKANE=　第一話　出会い

先生「はーい、では今日きょうはここまでになりまーす」

先生「明日あしたからはオリエンテーションで学校がっこうの中なかを案内あんないしていきますので、筆記用具ひっきようぐだけは忘わすれないようにねー」

先生「じゃあ日直にっちょくの青木あおきくんと明石あかしさん、号令ごうれいお願ねがいね」

青木、明石「起立きりつ、礼れい…」

全員ぜんいん「ありがとうございました」

茜「ねえねえ、あたし守屋茜もりやあかね！　あなた渡邉わたなべさんね！？」

と、先生せんせいが出でていくと同時どうじに振ふり返かえり後うしろの子こに話はなしかけた。

もらっている名簿めいぼで名前なまえは「渡邉理佐わたなべりさ」だと確認かくにんしていた。

名簿順めいぼじゅんに並ならぶと「も」の後あとなのでだいたい私わたしの後うしろには「山田やまだ」や「山下やました」「吉田よしだ」など3〜4人にんで終おわわるのだが、

今回こんかいのクラスは「渡邉わたなべ」だけで私わたしは後うしろから2番目ばんめ。

理佐「あ、うん…よろしくね」

茜「うん、こっちこそ♪」

と言いうとその子こは少すこしぎこちない笑顔えがおで応こたえてくれた。

割わりと大人おとなしそうな女おんなの子こだった。

茜「たぶん知しらない顔かおだから室町むろまち小学校しょうがっこうだよね」

理佐「うん、そう……じゃああなたは西陣にしじん小学校しょうがっこう？」

私わたしが今日きょうから通かようこの烏丸からすま中学ちゅうがくは二ふたつの小学校しょうがっこうが合あわさるので、見みたことのない子こは必然的ひつぜんてきに自分しぶんの通かよってた小学校しょうがっこうの子こではないということになる。

茜「そう、席せき前後せんごだし仲良なかよくしてね」

理佐「うん♪」

後うしろの席せきの子ののほうが声こえがかけやすかったと言いうのもあったが、ひと目め見みたときから仲良なかくなれそうなインスピレーションは感かんじていた。

「大人おとなしそう」と感かんじたが本当ほんとうに私わたしとは真逆まぎゃくの感かんじ。

茜「部活ぶかつとかは決きめてるの？」

理佐「うぅん、全然ぜんぜんまだ考かんがえてない…」

茜「あたしもまだ迷まよってんだよねえ〜」

「何な〜に、もう巻まき込こんでんの？」

と、理佐の後うしろから由依が声こえをかけてきた。

私わたしが声こえを出だすと同時どうじに理佐が振ふり向むいた。

茜「おー、由依……今いま友達ともだちになった『渡邉理佐』っち」

理佐「え…」

と、理佐が少すこし驚おどろいて私わたしの顔かおを見みた。

由依「茜、初日しょにちからグイグイ行いき過すぎだよ。この子こびっくりしてんじゃん！」

理佐「え…」

と、理佐はあっけにとられ二人ふたりの顔かおを交互こうごに見みていた。

茜「この子こは『小林こばやし由依ゆい』。6年ねんのとき同おなじクラスだったんだ。」

理佐「友達ともだち…なんだ…」

由依「ごめんね、びっくりしたでしょ？この子こずっとこんなんだから…」

茜「いいじゃん、仲良なかよくなるんなら早はやくなったほうが楽たのしいじゃん、ね♪」

理佐「あ、うん……でも嬉うれしい……私わたし、人見知ひとみしりだからなかなか声こえかけたりとか苦手にがてだから……」

茜「ほらね！絶対ぜったいあたしは仲良なかよくなれるって思おもったから声こえかけたんだよ」

由依「嫌いやなときは『イヤ』て言いいなよ、茜は遠慮えんりょしないからねー」

理佐「え、あ……うん……」

茜「そんなことないよねー」

茜「まぁ早速さっそく三人さんにんで一緒いっしょに帰かえる？」

理佐「うん♪」

と、言いうことで中学ちゅうがく入学にゅうがく初日しょにちに友達ともだちになった「渡邉理佐」と小しょう6からの友達ともだち「小林由依」の三人さんにんで下校げこうすることになった。

第二話へつづく…

本編『だって、恋したいもん！』はこちら
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