プロジェクトX、B社の場合(ショートショート
社運をかけたプロジェクトX、B社の場合
社長
「おい、例のプロジェクトの状況はどうだ?」
常務
「そうですね、部長に確認しておきます」
常務
「おい、社長が進捗を心配しているぞ」
部長
「そうですね、課長に伝えておきます」
部長
「おい、常務が進み具合を気にしているぞ」
課長
「そうですね、係長に言っておきます」
課長
「おい、一週間以内に完成できるか?部長にせっつかれてさ」
係長
「そうですね、担当者に言っときますね」
係長
「おい、あのアプリ、どんな感じ?課長がしつこくってさ」
若手社員
「そうっすね、プログラムのバグが多くて。あと一か月くらいあれば出来そうっす」
**** その一か月後 *****
若手社員
「プログラムにバグがあってまだ無理っす」
係長
「それは仕方ないな」
係長
「プログラムを修正するため、まだ時間が必要みたいです」
課長
「それは仕方ないな」
課長
「技術的な課題が大きく、まだ時間がかかりそうです」
部長
「それは仕方ないな」
部長
「原因不明の技術的な問題を解決するため、まだ時間が必要です」
常務
「それは仕方ないな」
常務
「未だかつてない技術的困難に直面しており、まだ時間が必要です」
社長
「それは仕方ないな」
そのプロジェクトが完了することはなかった。
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