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大豆を作ろう。 ⑦収穫・選別

収穫(しゅうかく=作物を取り入れること)

立冬を過ぎて、播種から140日頃、枯れた葉がほとんど落ち、茎や大部分の莢が乾燥して茶色になり、莢を振ってカラカラと音がするようになれば収穫期です。6月21日に播種したとしますと、11月8日頃になります(気象条件により変動します)。

上の方の莢が一つ二つ自然にはぜてくる頃合いが良いと思います。収穫時期が遅れますと次々に莢から大豆がこぼれて、鳩が寄って来てしまいますので注意しましょう。

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上の方は枯れていても下の方がまだ緑がかっている場合はまだ早いので、収穫期に余裕があれば、畑でよく乾いてはぜ出したものを選んで収穫すると良いでしょう。

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根っこごと抜くと大豆に土が混ざることがありますので、株元を鎌や鋏で刈り取ることをおすすめします。ただ、足踏み脱穀機で脱穀する場合は根っこがあると持ちやすいです。

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ちなみに、コンバインで収穫する場合、茎水分が50〜60%、子実水分が20% 〜18%が適期とされています。

茎水分の目安 
茎の緑色が残っている→70% 
茎が莢と同じ褐色→60% 
黒みを帯び、手でポキッと折れる50% 

子実水分の目安 
子実を噛むと音が無く割れる→20% 
子実に爪を立てると跡が残る→18%
子実を噛むとパリッと割れる→15% 

脱穀(だっこく=作物を茎からはずすこと)

脱粒(だつりゅう=作物を莢からはずすこと)

風選(ふうせん=風で実入りの悪い種子や葉茎などのゴミを飛ばして選別すること)

大豆の場合、一連の作業を脱穀とも、脱粒とも言います。米の場合は脱粒とは言わずに籾摺りと言います。

少ない量の場合は刈り取った株をそのまま雨の当たらないところに置き、皮が全部裂けるのを待って手で脱粒してもよいでしょう。ベニヤ板などに叩きつけても脱粒できます。

足踏み脱穀機があれば楽ですが、「ハトコロシ」を移植栽培した場合、株元から最初の枝が近いので、手に持って脱穀するのが結構怖いですので、前述もしていますが、この場合、根っこごと抜いて持つところを残しておくとよいです。

機械で脱穀する場合、あまり乾燥がすすんでから脱穀しますと割れが多くなることがありますので、私の場合、畑から収穫してすぐに「まめっこ(笹川農機)」(この機械は、豆を枝ごと投入し、レバーを引いてガラを吐き出す仕組みになっていて、手に持つところがあまりないこの大豆では非常に重宝しています)で脱粒してから、唐箕(とうみ)で風選して葉っぱやゴミを取り除き、ハウス内でシートに広げて乾燥させています。

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↑まめっこで脱穀。

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↑唐箕で風選。

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↑5ミリの篩(ふるい)でクズや虫を落とし、網の袋に入れて陰干し乾燥。

乾燥(かんそう=水分を除去し、乾いた状態にすること)

どのくらい乾燥させれば良いのか?と言いますと、さやの中の子実を噛んでも歯形がつかなくなる。もっと噛むとパリッと割れるまで乾燥させます。水分計があれば水分15%を目指します。これ以上の水分で保管しますと、翌年の梅雨時にカビが生えるおそれがあります。雨の当たらない風通しのよい場所で網袋にいれて陰干しすると良いでしょう。ただ逆に言いますと、春までに使い切ってしまう場合は、それほど水分にこだわらなくとも良いかと思います。

選別(せんべつ=より分けること)

少量ならお盆に少しづつ出して、虫食いや不良な豆を目と手で選別していきます。

私の場合、以前は自作のベニヤ板を斜めに設置した選別機で、コロコロ良く転がって下まで落ちたものが良い大豆と言うことで選別していましたが、作る量が多くなってからは、選別機で選別してもらっています。選別機は近くの農協などに聞くと教えてくれると思います。

機械選別でハネた方にも、味噌などなら使えそうな豆も入っていますので、最終的には手作業で選別していきます。

以上で大豆の作り方は終了です。私の場合、このあとすぐに表層を耕起して麦播きに入ります。本当は遅いんですが、11月中を目指して播きます。本当は大豆の連作はいけないそうですが、麦と輪作するとそんなに悪くないと思って、毎年このサイクルで回しています。

ちなみに、クズ豆は田植えした直後に水田にまくと除草効果があります。また、大豆の枝や殻の残渣は畑にそのまま有機物マルチとしてまくか、積んでおいて自然に堆肥化(放っておくだけですが)しています。

採種(さいしゅ=次回の栽培のために種をとること)

大豆は食べる実が種そのものですので、そのまま来年の種に使えます。

来年の種を採る時は、よくできた株、来年こんな形でできたらいいなと思う株を選抜して、その株からキレイで大きい種を採るようにするとよいでしょう。←と、言うのは理想で、私はできてません。

種の豆はよく乾燥させて、密閉できる瓶(ジャムの瓶、インスタントコーヒーの瓶、一升瓶など)に入れて保存しておきましょう。

海外では、ある家族や団体、集落等で何世代にも渡り自家採種して受け継がれた品種のことを、エアルーム種(米Heirloom、英Heritage、直訳=家宝、財産、相続)と言われています。

何年も自分の畑で採れた種を繋いでいくことで、その土地に根付いた気候風土や環境に適応して来るので、まさに家宝の大豆となるんですねぇ。楽しいですねぇ。

播種0日 ①播種 
播種10日 ②定植
播種20日〜50日 ③中耕・培土
播種30日 ④摘芯
播種50日〜70日 ⑤開花期の灌水
播種100日〜 ⑥枝豆
播種140日〜 ⑦収穫

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