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大豆を作ろう。 ①播種
自己流ですが、大豆の作り方をまとめてみました。
2024年改訂版
播種(はしゅ)
播種は直播きではなく育苗箱にしています。なぜ直播きでなく苗を作って植えているのかと言いますと、ハトやカラスの食害を阻止したいのが一番の理由です。また、播いてすぐに大雨が降って豆が腐って全滅したこともありましたので。また、直播きですと2粒づつ播いてから一本立ちに間引きするのですが、これが何だか面倒だし、もったいない気がして。また、少し横に寝せて植え付けることで、ストレスを与えて株を太くしようと言う効果を狙って、、、と、いうモロモロの理由で、今は苗を作って定植(ていしょく)しています。
時期
大豆は代表的な短日(たんじつ)植物で、昼の長さが短くなることによって、花のもとである花芽の分化が促進されます。よって、夏至よりずっと前に播種しますと、葉茎だけが大きく繁って、実があまりつかないことがありますが、これをツルボケと言います。
なので、大豆は夏至前後の6月中旬から7月上旬の間に播種することをおすすめします。※品種にもよりますが、日本の多くの在来種の場合です。
うちで作っている品種は、「ハトコロシ」と言う青大豆で、岐阜県飛騨地方の在来種です。詳しくは後述。
種の量
種の量は、1箱に100g播いています。ハトコロシの百粒重が43g(普通の大豆は30〜35g)ですので、100gだと約230粒になります。230粒撒いても発芽しないものや遅いもの、ヒョロっとしたものを除くと、使える苗はだいたい8割で180株ほどになります。
例えば一反(10a=1,000㎡)の畑の場合で、仮に30m×30mに植えられるとしますと、畝が33本の畝に100本づつ植えたとした計算で、3,300本ほどの苗が必要になります。
つまり、1箱180株×19箱=3,420株ほどを作ると良いでしょう。種は1箱100gで、1,900g=1.9kg必要になります。
また、割れや、色、形のいびつなものを除いて種用に選別しますと何割か減りますので、用意する大豆は余裕を持って。
土
まず土は鹿沼土(かぬまつち→写真右、14ℓ入)と、バーミキュライト(写真左、18ℓ入、ちなみに私は今は50ℓ入のお得用を使っています)を用意します。
実際、畑の土でも、どんな土でもできるとは思いますけど、私の場合は畑が離れていますので、持ち運びや管理のしやすさでこの購入土で作っています。育苗については肥料分は必要ないように思います。とにかく軽いので、畑に持っていく場合の移動もすごく楽です。
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育苗箱
育苗箱も土が入れられて水はけが良ければ基本何でもいいですが、花・園芸用の育苗箱51型(100円くらい)っていうのが安いので使っています。セルポットでも出来ますが、この土で作ると根っこにあまり絡まないので、セルポットの意味があまりないかと思われます。
床土(とこつち=種を播く用の土)
まず、厚さ3センチくらい鹿沼土を入れます。鹿沼土は、数万年前の火山の噴火により形成された土で、簡単にいうと軽石のようなもので、とても軽いです。
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床土を入れたら、苗箱ごとどぶ漬けしてしっかり水を含ませます。
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播種(はしゅ=種まき)
床土に大豆をまいていきます。1箱100g(約230粒)を量って、手でパラパラと平均になるようにまきます。あまりかたまってたりしてたら離しますが、芽が出てくる方向が豆によってまちまちなので、神経質に並べても結果はそんなに変わらないことがわかりました(以前はベニヤ板に穴を均等に空けて、豆がキレイに置けるようにしてましたけど、労働力対効果が少ない気がしてやめました)。
この密度では定植が遅れて苗が大きくなってくると、大変なことになりそうですけども、そうならないように10日後には定植できるように逆算して行うことが大事です。
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覆土(ふくど=種に土をかぶせること)
その上にバーミキュライトを2センチほど覆土をします。バーミキュライトは、雲母系の「ひる石」を原料として、700度以上の高温で焼いて膨張させて作られた土で、めちゃめちゃ軽いです。pHはほぼ中性です。
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使用済みの鹿沼土とバーミキュライトは私は畑に入れていますが、挿木などに使うととても良いです。酸度が高いのでブルーベリーの根本に入れてもいいですよ。
灌水(かんすい=水まき)
覆土をしたら、さらに上からたっぷり水をまきます。これで、芽が出てくるまで水やりの必要はありません。大豆は発芽期に酸素を必要としますので、あまり水分が多すぎると発育に大きく影響します。梅雨時に畑へ直播きして全滅したことがありますので、以降はこの定植方法にしています。3〜4日で芽が出てきますので、以降は毎日水をやってください。
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発芽(はつが=芽が出ること)
芽が出るまでは、鳥に見つからないようにシートなどで隠しておきます。鳥以外にもネズミに食べられることもあるので注意しましょう。また、子葉が開かないうちはまだ鳥やネズミが狙うので注意しましょう。
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おさらい
1箱に必要な資材
種→100g(約230粒)
鹿沼土→4ℓ
バーミキュライト→3リットル
大豆は本来移植を嫌いますので、伸びすぎないうちに播種から9、10日後に定植することが肝要です。
定植編はまた次回。
在来青大豆「鳩幸朗師(ハトコロシ)」について。
ハトコロシ大豆は、飛騨地方に百年以上続く歴史のある在来種です。名前の由来は、大粒なので鳩が食べると喉に詰まらせてしまうからというもの。もうひとつの説は、美味しすぎて鳩が食べすぎて死んでしまうからというもの。漢字で書くと「鳩殺し」とあまりにも物騒な名前ですので、ワタクシが「鳩幸朗師」と明るく当て字をしました。これは大好きな漫才師「人生幸朗師匠」から勝手に拝借しました。どうか長い目で見てください。
豆の形状は扁球形で大粒種です。選別機にかけても最大(7.9mm)選別が90%以上あります。百粒重は43g(普通の大豆は30〜35g)です。基本的に淡い黄緑色で、へそは黒目です。色が薄いもの、濃いもの、紫斑があるものなどまばらですが、元々そういう品種です。
生態型は晩生(ばんせい・おくて)です。播種を夏至(6月22日)にしますと、その年の気候にもよりますが、おおむね開花は旧盆(8月15日)過ぎ頃、枝豆は秋のお彼岸(9月23日)から10日間ほどで、収穫は10月20日~11月初旬頃になると思います。
夏至より前に播種しますと、樹高は50~60cm と高いですが実付きは少なく、夏至以後に播種しますと、樹高は30~40cm と低いですが側枝も多く出て豊産の傾向があります。
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↓参考記事。
今年(2022)の大豆畑備忘録。
ハトコロシは、タンパク質含有量が多く、脂質は少なめで、糖分は高いので、枝豆、味噌、醤油、豆腐などに向いています。
ちなみに、煮豆にしても美味しいですが、青大豆は仕上がりの色があまりよくありませんので、長野県北信地方の郷土料理である「ひたし豆」という、一晩ふやかした大豆を一度茹であげてから出汁に漬けるという食べ方がオススメですよ。
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播種0日 ①播種
播種10日 ②定植
播種30日〜50日 ③中耕・培土
播種30日 ④摘芯
播種50日〜70日 ⑤開花期の灌水
播種100日〜 ⑥枝豆
播種140日〜 ⑦収穫
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