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『詩』ダリア〜ダリアには明るい陽の光がよく似合う〜

ダリアには 明るい陽の光がよく似合う
そう言ったのはあなただったか


こんな木陰の一軒家で
吹き込む生成りの風と戯れながら ひとり
煮物の鍋をかき混ぜている
そんな時間が愛おしい


煮物の火を止め
ダイニングテーブルに腰掛けて
読みかけのヘッセを開くと 秋が
窓辺に来て微笑みかける
大きなオレンジの羽を休めながら


私は誰を待っているのか
家の前のイチイの木に銀色の
時間が雪のように降り積もり それなりに
私も歳をとってしまった


そうしてあなたはいってしまった 華やかな
真っ赤なダリアの花をひとつ
私の胸の奥に咲かせたまま
さて私はどうしよう この花を?


遠い日の夢のにおいが
生成りの風に時折混ざる
私は泣いたりなんかしない
窓辺に腰を下ろした秋に 微笑み返して
離れるように私は促す
そろそろ窓を閉じようとおもう 胸の奥の
ダリアが萎れないように




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今回はダリア。どこやらでは今ダリアがいっぱい咲いているそうだけれど、僕は生のダリアを見たことがありません。なので自分の写真はなし。


ダリアの花期は6月頃からだそうだけど、日本の夏は暑すぎるので、9月以降が花の最盛期だそうですね。今年は特に暑かったので、今が一番見頃なのだそうです。特に花言葉を意識したわけではないのですが、移り気とか気まぐれといった花言葉もあるそうですね。
基本的に園芸品種より野草のほうが得意なのでそういった花のほうが多くなりがちだけれど、たまにはダリアのような花もいいのでは、とおもいました。いかがでしょうか?

タイトル画像はこちらを使用。
LoneWombatMediaによるPixabayからの画像。




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