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何だ、誰もいないのか?

「何だ、誰もいないのか?」

オフィスに入ってくるなり、偉い人が言った。

もちろん私を含め、何人もオフィスにはいる。

誰もいないわけではない。

偉い人にとって

必要な【誰か】がいないだけである。

偉い人にとって

私たちは【無】ということになり

数にカウントされていない。

毎回、同じ事が繰り返されている。

以前、そのことをある社員が

「私たちは、いますけど」

と、声を荒げたことはあったが

今はもう誰も言わない。

「何だ、誰もいないのか?」」

だけが、空中を彷徨っている。

好きの反対は、嫌いではない。

無関心。

たぶん、偉い人には悪気はない。

その人にとって「自分に必要な人材になれ」的な意味が含まれているのなら

百歩譲ってまだわかる。

悪気がない言葉ほど、人を傷つける。

ほんの些細なことでも言葉には毒がある。

本当に誰もいなくなってからでは遅い。

本当に誰もいなくなった時、何と言うのだろう?

「何だ、誰もいないのか?」

きっと、変わらないだろう。



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