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子猫物語 帰郷篇

チャトランとの蜜月は長くは続かなかった。

私の体に異変が起こったのである。

呼吸ができなくなった。

猫アレルギーである。

もともと、喘息持ちだったのでなおさらだが、

目は痒くなり、呼吸が困難になりながら、薬でごまかし、

何とかチャトランと生活していたが、このままでは生命に関わると思い、途方にくれた。

チャトランとの生活は、楽しかったし、離れたくはなかった。

捨てるという選択肢はなかったので、

昔、祖母の家で猫をたくさん飼っていた話を思い出し、電話した。

祖母は、快く快諾してくれた。

一人暮らしで高齢の祖母に世話をしてもらうのは、不安はあったが、

背に腹はかえられぬと思い決断した。

そして、金沢へ旅のためのゲージを友人に借りた。

チャトランは、ゲージに入ることを嫌がるかなと思ったが、

全てを悟ったように、すんなりゲージに収まった。

おやつのキャットフードを持ち、

チャトランとの金沢への小旅行が始まったのである。

現在篇に続く。

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