こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケア…

こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケアを学校や企業、家庭など身近に取り入れてもらえるような活動に取り組んでいます。https://koharushinri.jimdofree.com/

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子鹿が鳴くのを初めて聞きました -初めて発する声、初めて聴く声-

子鹿が鳴くのを初めて聞きました 子鹿が鳴くのを初めて聞きました 奈良を訪れた時のことでした 最初は声と気づきませんでした 何か音がすると、ふと立ち止まりました 鹿? もしかして子鹿? 子鹿が鳴いてると気づくのに かなり時間がかかりました それくらい初めて聴く音であり、 鳴き声でした 子鹿の鳴き声を なんと表現したら伝わるでしょうか かなで表すなら、 にー 音符なら、 ソのシャープ にんげんの言葉に翻訳するなら、 お腹すいたー おかーさーん あれーあれー ねむーい

    • さびしいとさみしい

      さびしい さみしい 寂しい 淋しい さびしいとさみしい 検索すると どちらが正しい?と 出てきて どちらも正しいと 出てくる それは文法の話 寂しいと淋しい 検索すると 寂しいは物理的な状況 淋しいは心理的な状況 と出てくる それは漢字の話 さびしい さみしい 寂しい 淋しい いろんなさびしいがある いろんなさびしいが 集まってもさびしい さびしいはさびしい いや、今の気持ちは さみしいのほう これはわたしの話 同じじゃないし 正しいかどうかでもない たださみ

      • メンタルに不安を抱えながらの就職活動、そのサポートが受けられる場所について

        心の不調を体験して学校や仕事を離れてから、「今なら働けるかも」「働いてやりたいこともある」という気持ちが芽生えてくる時があります。その気持ちの芽生えから本当に動き出すまでには、それなりのエネルギーが必要です。 そして、就職活動を続けて、その後、就職した場所で働き続けるとなると、さらなるエネルギーが必要となるでしょう。だからこそ、就職探しの最初の一歩を支えてくれる人や場所、そしてその後のプロセスを継続的に支えてくれる人や場所の存在があるといいだろうと思います。 今回のn

        • かゆみと痛み

          かゆみと痛みのことを考える かゆみは 身体を守るための反応の一つ でも、 かゆいところに 手が届いたとしても かきすぎると 悪循環を招いて かゆみだけでなく 痛みを増すことにもなる かゆみの心理的苦痛や 対処の難しさを考える ムズ。むずむず

        • 固定された記事

        子鹿が鳴くのを初めて聞きました -初めて発する声、初めて聴く声-

          にしもりただし個展 透き通るもの達と

          涼を求めて 真夏日の休日にふらふらと歩いてると、住宅地の中にギャラリーがありました。 「こんにちは」 「こんにちは」 涼し気なお家(ギャラリー)の気配と、お家の中から聞こえたおだやかな声に吸い寄せられて、気まぐれに入ってみることにしました。 描かれたもの達は透明感のある存在になる 描かれていたのは、誰の日常にもありそうなもの達でした。例えば、瓶やペットボトルやハサミやビューラーなどです。無機質なもの達が、柔らかく透き通っているように描かれていました。 にしもりさんが描

          にしもりただし個展 透き通るもの達と

          『そもそも心理支援は、精神科治療とどう違うのか 対話が拓く心理職の豊かな専門性』を読んでみました。

          『そもそも心理支援は、精神科治療とどう違うのか 対話が拓く心理職の豊かな専門性』を読んでみました。以下、感想を書いてみます。良かったらお読みください。 SNSでよく紹介されていたので、購入して読んでみました。 *今回読んだ本* 『そもそも心理支援は、精神科治療とどう違うのか   対話が拓く心理職の豊かな専門性』  編著者 下山晴彦  遠見書房  2024年5月19日 第一刷  対談集って面白い タイトルが長いので勝手に「そもそも本」と略称をつけてみました。「そ

          『そもそも心理支援は、精神科治療とどう違うのか 対話が拓く心理職の豊かな専門性』を読んでみました。

          声にならない声で伝えていること、  その声に耳を澄ますこと       OTOKIKI BRIDGE

          声にならない声 心理カウンセリングの一般的なイメージの一つに、相談者が悩みを語り、心理士がアドバイスをするという構図があるようです。けれども、実際の心理カウンセリングではかなり多様な対話と関係性が存在しています。心理カウンセリングの空間では、相談者が主体であるということが大前提となります。その上で、たくさんの言葉が語られ、やり取りされる場合もあれば、沈黙が続く場合もあります。 声にならない思いがまず涙となって流れ出て、その先、やっと小さな声でその人の言葉が表現されることも

          声にならない声で伝えていること、  その声に耳を澄ますこと       OTOKIKI BRIDGE

          colorful

          色とりどり 色々とりどり 色々とひとり そっとひとり とあるひと時 あるひと想う

          言葉にならないもの -雨の火曜日-

          かけがえのないもの 個人にとってかけがえのないものが、他の人にも同じように、かけがえのないものであるかどうかわかりません。むしろ同じではない方が当たり前でしょう。だから、誰かと共有できた時には、より一層かけがえのなさが強まるのかもしれません。だとすると、物事のかけがえのなさを「共有できる誰か」の存在こそが、かけがえがないものとも言えるのではないのでしょうか。「旅は道連れ、世は情け」を辞書で調べると、以下のように説明されています。 これは小説の主人公が、「旅は道連れ、世は情け

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          多職種研究会報告-家族教室の実践-

          2、3ヵ月に一回くらいで、対人援助職の研修会を開催しています。「心のケア多職種研究会Lemonade」という会を立ち上げ、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、薬剤師、教員、就労支援施設職員、マッサージ師、心理職等々、多職種で集まって勉強を続けています。 2024年5月19日には、「家族心理教育のあり方-精神科病院での実践-」というテーマで開催しました。精神科病院で、精神障害を抱える患者様のご家族のための家族教室の取り組みを話していただきました。講師は、作業療法士と臨

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          あじさい 自分らしく暮らせるように

          あじさいの咲く季節になりましたね。 この頃は、 色んなタイプのあじさいがあって、 驚かされます。 精神科病院で担当していたグループに、 「あじさい会」というグループがありました。 以前の担当者から引き継いだのですが、 せっかくかわいい名前がついているので、 会の説明をこんな風にして伝えていました。 あ  明日への希望を持てるように じ  自分の生活を自分で決められるように さ  寂しく不安になる時もあるけれど い  一緒に話していきましょう この説明を始めて、

          あじさい 自分らしく暮らせるように

          彫刻家舟越桂さんを偲んで 彫り出される生命や主体性について

          彫り出される人物の存在感 2024年3月29日、舟橋桂さんは旅立っていかれました。72歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。 舟越さんは岩手県盛岡市で出生し、楠を素材にした木彫作品を数多く創作した芸術家です。木から掘り出された人物の多くは半身像であり、油絵の具で色付けされ、独特の存在感を放っています。日常で出会いそうな人物から、スフィンクスや、山や川などの自然の風景が擬人化された人物も作品になっています。舟越作品の人物たち、彼ら彼女らは崇高な雰囲気を醸し出していま

          彫刻家舟越桂さんを偲んで 彫り出される生命や主体性について

          大丈夫、大丈夫?

          「私は大丈夫」 (だから心療内科受診は必要ない) 「私は大丈夫」 (だから相談してもどうせ同じ、一人でいいんです) 「私は大丈夫」 (だから相談して、今より少し良い状態を考えてみたい) 「私は大丈夫」 (だから自分の中の色んな感情を認められるのかも) 「私は大丈夫」 (だから            ) 「私は大丈夫」 (だから            ) 大丈夫にも色々ありそう 耳を傾けてみよう

          丁寧にページをめくる -カウンセリングについて-

          ページをめくっていて ついめくりすぎてしまうことがありますよね めくりすぎたページを遡って 今度は丁寧に そのページを読む、眺める そういう作業を 心理カウンセリングの中では 行っているのかもしれません

          丁寧にページをめくる -カウンセリングについて-

          やわらかあたま教室③ 雨のどんより気分解消に

          精神科病院で実施されている プログラムの中に、 メタ認知トレーニングという リハビリテーションがあります。 メタ認知トレーニングとは、 自分のものの見方の傾向に 気づく力を育て、 考え方の幅を広げることに 役立つプログラムです。 そして メタ認知トレーニングを 取り組みやすく工夫した プログラムに、 やわらかあたま教室 というものがあります。 やわらかあたま教室の最初には、 あたまのストレッチとして、 ウォーミングアップとして、 最初に同じ平仮名で始まる言葉を たくさん

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          モヤモヤを解消したい

          なんかモヤモヤする… あぁスッキリしたい。 そう感じることは、 日常の中でたくさんあるのではないでしょうか。 そもそも、 モヤモヤってなんでしょう? どうしたら解消できるのでしょう? 怒りだけでもない、 不満だけでもない。 「これだ!」と 断定できない感情が与える不快な状況、 それがモヤモヤなのかなと思います。 何だか得体の知れないもの、 感情、 状況に対面しているのかもれない。 それで今私はモヤモヤしているのかも。 そう気づくだけでも、 得体の知れない何かは 少し形