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子鹿が鳴くのを初めて聞きました -初めて発する声、初めて聴く声-


子鹿が鳴くのを初めて聞きました


子鹿が鳴くのを初めて聞きました
奈良を訪れた時のことでした
最初は声と気づきませんでした
何か音がすると、ふと立ち止まりました

鹿?
もしかして子鹿?

子鹿が鳴いてると気づくのに
かなり時間がかかりました
それくらい初めて聴く音であり、
鳴き声でした

子鹿の鳴き声を
なんと表現したら伝わるでしょうか

かなで表すなら、
にー

音符なら、
ソのシャープ

にんげんの言葉に翻訳するなら、
お腹すいたー
おかーさーん
あれーあれー
ねむーい
こわいよう
これ、わたしの声?
らららー(喜びのハミング)

形容するなら、
みずみずしい
寂しい
たどたどしい
愛くるしい

さらに例えてみるなら、
笛の音のよう
天使の声のよう
初夏の知らせのよう
幼い頃の娘のよう


初めて発する声、初めて聴く声、
その声に耳を傾けてみる


それはどんな声でしたか?
あなたの想いを乗せた声でしたか?

あなたの想いが届いた気がしました
わたしからの声はどう伝わるのでしょうか?

声を発し、
言葉を発し、
話してみて、
今どんな気持ちでしょうか?

声を聴き、
言葉を受けとめ、
聴いてみて、
今どんな気持ちでしょうか?

もう一度、
子鹿の鳴き声を思い返してみます

そしてもう一度、
わたしの声を確かめたくなるのです

あるいはもう一度、
あなたと話してみたくなるのです

おしまい


カウンセリングの中で



カウンセリングの中で、今まで語ることのなかった想いや体験が語られる時があります。語ったことのないことが語り出される時のたとえ話として書いてみました。

初めて語られる声を、
その声とその想いを、
できるだけ丁寧に
受けとめ
考えていきたいです。

読んでくださってありがとうございました。


開室5周年のご挨拶



こはる心理カウンセリング室は、名古屋市にある女性のための小さな相談室です。2024年7月に開室5周年を迎えることができました。

ご来室くださった皆様、臨床に向き合い学ぶことを支えてくださっている臨床家の皆様、税理や法律、デザイン等、相談室の社会的側面を支えてくださっている皆様、いつも本当にありがとうございます。改めて感謝申し上げます。

これからも初心を忘れることなく、精進して参りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。


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