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藍羽放浪記・・・14ページ目
再び星の街で調べ事をしようと考えて、僕はこの街を散策していた。
相変わらず街並みは寂れていて、人通りも少なければ動物の1匹も見当たらない。
(とりあえず、宛もないし気になった店に入ってみることにしよう。)
そう考えた僕は、その時すぐ右手にあった店の看板にふと目をやった。
【Takanashi magic props】
たかなし.…小鳥遊?
名前につられて店の扉を開く。
(チリーーーン…)
藍羽放浪記・・・12ページ目【小説】
あれから、20分くらい経っただろうか。
少し落ち着いた僕は、ゆっくりと顔を上げる。
どうやらカウンターに突っ伏してしまっていたらしい。
辺りを見回すと、先程まではカウンターに置いていなかったアロマキャンドルとグラスに入った水が、僕の近くに置かれていた。
(そうだ。夏希は…)
探そうとした僕だったが、探すまでもなく1つ席を開けた隣の席で袋を片付けていた。僕のこの症状自体も慣れたものではあるけど、
藍羽放浪記 8ページ目
2024年4月9日
満点の星空の下で一夜を明かした僕は、寝袋を片付けて「星の都」までやって来た。
本来の「星の都」の名前は「アルカ・ナハト」と言うらしい。
「アルカナ」と「ナハト」.…なのかな?
この街に来て何より不思議だったことは、街の境界線を越えた瞬間、周囲が真っ暗になったこと。
なるほど、この都ではずっと夜なんだろう。
となれば、星が好きな僕がやることといえば空を眺めることになる訳だ