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藍羽放浪記・・・ミルティノ地方編#2
ロクショウタウンについた僕は、ロクショウジムに立ち寄った。
自分の戦う舞台だ。ちゃんとこの目に焼き付けておかないと…
ジムの外観は白と緑を基調とした和風の屋敷といった感じで、こちらの世界の僕である恭赤藍羽(うやらか あいは)の屋敷とどこか似ているような雰囲気を感じる。
門を開くと、屋外のバトルコートが一番最初に目に飛び込んできた。
こちらも白と緑を基調としていて、周りには木々が青々と茂っている。
なるほど、「くさタイプ 」というには相応しいバトルコートだ。
コートを一周して眺めているとふと屋敷の入口の方から声をかけられた。
「古雅崎藍羽さんですか?」
そこに立っていたのは赤髪で頭に角を生やした、黒と赤のドレスを身にまとった人物。
「ピケル・バフォメットと申します!今回、企画者である弥生ちゃんのサポートをさせて頂いております!」
「あ、こんにちは…えっと…よろしくお願いします!」
「こちらこそ!あ、あとまだポケモンを持っていないですよね?」
「そうですね…これからまず1匹目をどうしようかと思っていたところです。」
「なるほどなるほど。実は弥生ちゃんから言われてこの子を預かってます!最初の相棒の子としていかがですか?」
彼女はボールを取り出して宙に投げた。
中から出てきたのは「ツタージャ」
ツタージャはボールから出てくるなり僕を見るとビックリしたみたいでピケルさんの後ろに隠れてしまう。
「あらら。この子、臆病なんですけどとってもいい子なので仲良くしてあげてください!」
「ありゃ、そうなんですね。そうだなぁ…あっ!そうだ。」
僕は上着のポケットにここに来る途中に拾っていたモモンの実があったことを思い出した。
それを手に取ってツタージャに見えるように差し出す。
「ほら、おいで。」
ツタージャは興味があるようで恐る恐るこちらに近寄ってくる。
僕の手のひらの上にあるモモンの実を素早く取ると、ゆっくりと食べ始めた。とても可愛らしい。
「仲良くなれそうですかね?」
「仲良くさせていただきます。」
「それなら良かった!おまかせ出来そうだ。それじゃあ私は、他の方のサポートもしなくちゃいけないのでこの辺で!またお会いしましょ〜」
「はーい、ありがとうございました!」
そう言うと彼女はフッと姿を消してしまった。
彼女のいた所には透明なケースに入ったバッチが置いてあった。何か言う訳でも無く、去っていった彼女であったが、それが自分のジムバッチであることはひと目でわかった。
開いた本に、若葉が生えたデザインのそのバッチには僕のアイデンティティでもある羽根ペンが描かれている。
「ジャ…?」
「ん?」
振り返るとツタージャが後ろから上着の裾を引っ張ってこちらを見ていた。
「…一緒に僕と戦ってくれる?」
「.…ジャ!」
ツタージャは少し悩んだ後「まぁいいでしょう!」と言わんばかりに胸を張って返事をしてくれた。
「これからよろしくね。僕は君にきめた!」
こうして、僕は挑戦者(チャレンジャー)をツタージャと共にこのロクショウジムで迎え撃つことになったのだった。
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