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宮部みゆきさん×京極夏彦さんの特別授業のニュースから「感動」とは

あなたが親で本好きなら、この先へどうぞ。


感動するってなんだろう

名古屋人ならおなじみの中日新聞。
全国的にはきっとマイナーです。
そもそも新聞自体をとる人が少ない今の時代。
なぜ、新聞で情報収集なのか?
そのサブスクはやめてもいいのでは?

はい。
そうです。
あなたの意見が正しいと思います。
そう思いますが、我が家の場合
息子の工作熱が冷めない限り難しいのです。
古新聞を丸めて、
ガムテープでコーティングして、
ゾロのように三刀流を再現するために!!!

まぁ、そんな我が家の事情はおいておいて、
本日の中日新聞の教育コーナーに
こんな記事が載っていました。

通信制高校で特別授業「感動するって何だろう」
インターネットを活用する通信制の「N高校」と「S高校」で、人気作家の宮部みゆきさんと京極夏彦さんが特別授業を行った。テーマは「感動するって何だろう」。いろいろな本を読み、体験をすれば、感動は芽吹いてくると、対面とオンラインで出席した生徒たちに語りかけた。

2024.3.2中日新聞 朝刊 18面 学ぶコーナーより

最近の私は、
キーワード「作家」「書く」「文章」に
敏感で、「感動できる文章」を探っています。
だから、このニュースが気になりました。

いや、その前に
そもそも、「N高校」と「S高校」って何?

オンライン高校

両校は角川ドワンゴ学園が運営し、生徒数は両校で計約2万6千人を超える(2023年9月現在)。オンラインや、登校して指導を受けるスクーリングなどで、生徒は一人一人の進度に応じて学習し、高卒資格を得られる。

2024.3.2中日新聞 朝刊 18面 学ぶコーナーより

ほぅ。親としてはちょっと気になります。
高校の選択肢が増えるなんて素敵です。
えっと、角川って検索したら……

えー!
ナニコレ。角川武蔵野ミュージアムって!
本好きにはたまらない!
本がいっぱーい。行きたーい。

こらこら。
ネット情報は脱線しがちだから戻って!
今は、「N高校」について調べていたんでしょ?
そもそも検索ミスしてるから―‼
って思考を無理やり戻して泣く泣く調べました。

どうやら、
最近はオンラインの高校があるらしいです。
選択肢が増えるのはとてもいいですが、
親もきちんと調べないと、時代に置いていかれますね。
ふむふむ。

で、この学校でこんな授業も
行われているよってことですね。

おぉー。
対談内容が結構読めました。
これは、よい記事。
でも対談って長いので新聞の方を見ると、

どんな本に影響を受けたのか。宮部さんは10代の時に読んだ作家の永井路子さんと佐藤愛子さんの作品を挙げた。
(中略)
京極さんは「自分で方向性を決めるまでは手当たり次第に読んでいい。合わなかったらやめりゃいいんです。タイトルを読んだだけで何かは感じているはず」と強調した。

2024.3.2中日新聞 朝刊 18面 学ぶコーナーより

と、すっきり紹介されていました。

これは、両方の媒体を見ると同じ出来事も
どこを切り取って、どう表現しているか、
メリットデメリットがわかり勉強になります。

対談のメリットは、
話を聞いているような感覚になりおもしろい。
すべてがわかる。
デメリットは、
読むのが途中でしんどくなる。読みにくい。
要約のメリットは、
端的でわかりやすい。大枠がつかめる。
デメリットは、
文字数制限で書かれていない所におもしろみが
隠されている。すべてはわからない。

わかりやすさ、おもしろさ、のバランスを感じます。
そして、肝心の「感動」については

感動は自分の中に

よく使われる「感動を与える」「感動をもらった」という言い方に京極さんは意を唱える。「感動とは、何かをすることによって自分の記憶が呼び覚まされ、ある感情が発露したもの。どんな感動も自分の中にあるんです」。宮部さんも「感動は後から芽吹いてくるもの」と言う。

2024.3.2中日新聞 朝刊 18面 学ぶコーナーより

この記事だけでも、意味は分かりますが
もっと詳しく知りたいと思って
対談の方を覗いてみると、


対談の中での京極さんは、

感動はやりとりできませんよ。感動とは、「何かをする」、あるいは「何かを受容する」ことによって、「その人の感情が揺り動かされる」ことを言うんです。つまり非常に個的なものなんですね。
(中略)
「本を読んで感動した」というのであれば、それは「読書したこと」で感動しているんですよ。肝心なのは読書という行為なんです。読書をすることによって感動しているんです、人は。テキストの中身はこの際どうでもいいんです。そこから何を汲み出せたか、汲み出したものを自らの体験に引き寄せる、それで自分の記憶が呼び覚まされる、そうしたことで、何らかの感情が発露する、それが感動ですよ。
(中略)
「どうやったら感動させられるでしょうか?」というのは無理筋の質問なんです。小説家は他人の感動をどうこうできるような立場にはないんですね。ただ、色々な人が感動できるような装置を作ってあげることはできます。

PressWalkeryより

対談の中での宮部さんは、

キャッチする私が、その時どんな状態かに左右されると思うんです。だから、たとえ趣味でお書きになるにしろ、仮想の中での読者の人に向けて書いているわけですから、まずは何も考えずに素直に渡すつもりでいいのではないでしょうか。京極さんのお話にありましたように、「感動させよう」とか、「感動してもらわないと良い作品にならない」ということは全然ありません。感動は後から芽吹いてくるものなんです。

PressWalkeryより

とおっしゃっていました。

要するに、小説としての
「感動」は置いておくことはできるけど、
最終的に読者に委ねられている。

読む人の心にじわじわ芽吹くもの。
すべては、自分の内側にある。

私の受信力をあげること。これが、大事。
たくさん読んで、
たくさん体験して、
たくさん味わう。

日常の半径5メートル以内の出来事にも
小さく「感動」を見つけられるのも
自分次第。

もっと、
書き手としての視点を磨いていこう。
そう思えました。
ありがとう、宮部先生。
ありがとう、京極先生。

最近のあなたは「感動」した物語がありますか?

感動とは、
忘れられないぐらい
強く心を動かされること。

そう、昨日私は書いたばかりです。


今の、私にできることは、
楽しく文章を綴っていくことだけ。

毎日気づいた小さなことを。
毎日の小さな発見を。

私の「感動」は

こうやって今朝の記事をとりあげたけれど
日付に注目してみると、
この対談は2023年10月24日(火)の情報。
最新のNewsではありません。

ネット上では2023年12月28日にアップされ、
新聞には2024年3月2日に載っていました。
同じような情報を一部、有料で売ってます。
半年も前の出来事を。

やっぱり新聞は情報が遅い。
遅いなら解約すればいい。
信用できないならお金を払わなければいい。
そんなの知ってるけど、やめられない。

だって、
憧れの緑の髪のあの人の真似をして
口に新聞の刀をくわえる息子の姿が
かわいいから。

今日の私の小さな発見。
やっぱり、私は子どもが大好きだ。


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