kuma-kichi

30代 / 子ども3人 / 料理好き/ ビール日本酒党 / たまに映画と読書

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マガジン

  • 読書記録

    読書記録をまとめます。新刊、話題作中心。ネタバレ有です。

  • 美酒佳肴

    お酒に関する記事をまとめます。

  • 家庭料理

    家庭料理にまつわることをまとめます。

  • 日経新聞

    日本経済新聞紙で気になった記事に好き勝手コメントするものです。特に「経済教室」が好きです。

最近の記事

【読書記録】それは誠(乗代雄介)

出先で乗代雄介さんによく似た人を見かけた。あれ?と思い目を向けるとコクヨのキャンパスノートを手にしている。最新作の舞台からもほど近い立川。ひょっとするとご本人だったのではないか。大ファンですと声をかければよかったか、いやいや迷惑だろう。でもやっぱり、そのノートに風景描写されているんですかなんて尋ねてみたかったと、諦め悪く空想する。 大ファンを自称するくらいなので、乗代さんの新作は文芸誌まで追いかけている。文學界6月号に掲載された「それは誠」はGWの終盤、帰省先からの長距離ド

    • 【読書記録】パパイヤ・ママイヤ(乗代雄介)

      出張予定の日に乗代雄介さんの新刊が出ると聞いた。新幹線で読みたいと思い朝イチで本屋を訪ねると、あいにく配本がないという。新幹線停車駅の本屋なのに。なぜだ大宮。 仕方がない復路で読もうと思い直して、出張先で本屋に寄る。駅から徒歩1分の大箱書店。これならきっと大丈夫と入荷状況を尋ねると、やはり配本がないという。どうして富山。 諦めてAmazonすると無事翌日には届く。もともと新刊情報を教えてくれたのもAmazonだった。もうAmazonさえあればいい。でも本当は書店で平積みの

      • 沖縄そばのススメ

        GWに沖縄そばを食べた。ふるさと納税で手に入れた「ソーキそばセット」はスープとソーキを温めて、麺を茹でるだけで仕上がる。せっかくだからと青葱も刻んで散らしてみると、自宅にいながら沖縄気分を味わえる。 送ってもらったのは名護市の返礼品。ソーキそばのルーツのお店の商品だそうで、ソーキも三枚肉も大ぶりで食べがいがある。それでいて味は濃すぎず、スルスルやっているとすぐに丼が空になる。 修学旅行、妻との夏休み、出張、親戚の結婚式。沖縄にはもう10回は出かけたはずで、楽しい旅の記憶を

        • 〈わが家の味〉たこ焼きとチキンポトフ

          父が粉物嫌いだったからか、わたしの実家にはたこ焼き器がなかった。たこ焼きといえば外で食べるばかり。ホットプレートでの職人デビューは齢30を超えてからとなった。子どもが食べたいというから、タコ足を買い出汁を取り、青ネギを刻んでトライしてみたのだった。 ソース控えめ青のり多めに仕上げてフウフウとよく冷ましてから食べさせると、ワンセット21個はあっという間になくなっていく。これはうまい。けど腹が減る。何か別の料理も合わせた方が、焼き時間を楽しめるのかもしれない。 何がいいだろう

        【読書記録】それは誠(乗代雄介)

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        • 読書記録
          9本
        • 美酒佳肴
          1本
        • 家庭料理
          12本
        • 日経新聞
          2本

        記事

          〈わが家の味〉炊き込み式オムライス

          ケチャップライスには二つの流儀がある。フライパンで炒めるか、それとも炊き込むか。世の中には炒めて仕上げるレシピが多い。有名な銀座・煉瓦亭も炒めて作るという。シンプルに炒めたほうがケチャップがガツンと効くから、わかりやすい味になるように思う。 問題は「たくさん炒めるのが大変」ということ。後工程では卵も包まねばならない。大勢で食べるならケチャップライスはもっと簡単に作りたい。 だから家庭ではケチャップライスは炊き込み式で作るのがいい。具材を炒めて塩味とケチャップを効かせてから

          〈わが家の味〉炊き込み式オムライス

          3,360円のほろ酔い

          宣言明けの平日、ひとりで休暇を取った。家事と雑事を片付けるともう昼過ぎ。ちょうどいい頃かなと駅に向かい、数駅先で降りて、30秒ほど歩いてから目当ての食堂に入る。 以前、11:30の開店と同時に駆けつけた時はもう満席で泣く泣く別の店に行ったが、この日はちょうど昼時のお客さんが引けたのか空いていた。というか、私の他にはお客さんは誰もいなかった。 日替わりの定食に刺身を追加、それから瓶ビールを頼むと、店員さんがよく冷えたグラスとキリンラガーの小瓶をすぐに持ってきてくれる。生ビー

          3,360円のほろ酔い

          〈わが家の味〉20年来のチキンカレー

          コロナ禍でスパイスカレーがブームだという。スパイスの調合をあれこれ楽しめることや、どうやっても失敗しにくいことがウケているらしい。 私もスパイスカレーは大好きで、かれこれ20年近く食べ続けている。初めて食べたのは小学6年生のこと。調理実習のメニューがなぜかスパイスカレーだった。 生徒同士で調理した楽しさも手伝ってか、そのスパイスカレーをすっかり気に入って母にリクエストするようになり、いつからか自分でも繰り返し作り続けている。 なかでもチキンカレーは特に頻繁に作っている。

          〈わが家の味〉20年来のチキンカレー

          〈わが家の味〉鶏のから揚げ 定番編

          私の父は何にでも醤油をかける人だった。目玉焼きはもちろん、トンカツやコロッケも醤油。なのに鶏のから揚げは塩味で食べることが多かった。「食通は塩で食べるんだよ」と父が話すのを何度も聞いた覚えがある。私もそれを疑わず、塩味のから揚げを信じて育った。 実は醤油味の方が美味いのでは、と思うようになったのはいつからか。今お手本にしているのは暮しの手帖84号掲載の今泉久美さんのレシピだ。鶏もも肉はたて半分に切ってから火が通りやすいようにそぎ切りに。味付けは鶏もも2枚に醤油大さじ2、日本

          〈わが家の味〉鶏のから揚げ 定番編

          〈わが家の味〉ご飯に合わせるハンバーグ

          子どもたちの食事を作るようになって、挽肉を使うことが増えた。ハンバーグや鶏つくねは食べやすくもあるからか完食率が高い気がして、わりと頻繁に作っている。 いろいろ試してみて、これはうまいなと思ったのは有元葉子流のハンバーグだ。フライパンで焼き目をつけたあと、蒸し焼きにはせずにオーブンで仕上げていくというもの。 焼き目がカリッと仕上がって、噛み締めると肉汁が溢れてくる。肉を食べているという満足感。赤ワインと合わせたくなるご馳走レシピだった。そのままオーブンにかけられるというラ

          〈わが家の味〉ご飯に合わせるハンバーグ

          わが家のくりかえしレシピ2020

          日々献立に追われる中、つい何度も作ってしまうレシピがある。から揚げ、ポテトサラダ、炒飯、餃子、かき揚げ、オムライス……。子どもが好んで食べてくれるものは登板率が高い。野菜がたくさん取れるとなおよし。 2020年もあれこれ試してみて、いくつか新定番になったレシピがあるので書いておきたい。 第3位 キャベツのおやき(暮しの手帖4号・後藤しおり)副菜としてよく作ったのがこちら。 せん切りキャベツ1/4個に小麦粉大さじ2をまぶしてから卵1個・にんにく・しょうが・かつおぶし・うす

          わが家のくりかえしレシピ2020

          【読書記録】水を縫う(寺地はるな)

          「それなら私の代わりにあなたが時短勤務して」 「男で時短なんて取れるわけないだろう!」 いつだったかそんな夫婦喧嘩をした。口にした瞬間に後悔すると、案の定、鬼の首を取ったように反論される。理想的には妻の言うことがまったく正論だ。 でも現実は違う。これまでみたいに残業せずに帰るだけでも大変なんだ。育休取るのだって肩身が狭かったんだ。そういう分担にすることは話し合って決めただろう。 そう話しながら、ああ、まだ自分は固定観念に負けているのだと気づいて嫌になる。話し合って決めた

          【読書記録】水を縫う(寺地はるな)

          【読書記録】旅する練習(乗代雄介)

          若いころは本といえば図書館で借りるもので、たまに買うとしても文庫本ばかりだった。 人生ではじめて単行本を買ったのは高校3年の冬、センター試験が終わった後。当時、刊行作はほとんど読み尽くしたと言っていいくらいにハマっていた作家が直木賞を受賞して、作品の評判も良かったものだから、きょうくらいは一息ついて良いだろうとハードカバーの一冊を初めて買ったのだった。たしかその日のうちに夜更かししながら読み切ってしまったのではなかったか。記憶の補正があるかもしれないが、きっと楽しい体験だっ

          【読書記録】旅する練習(乗代雄介)

          ホームステイ時にオススメしたいオンライン酒屋三選

          子育てに追われ、自粛にも迫られて、すっかり外で飲むことがなくなった。年1〜2回の同窓会のときだけは「すまぬ!」と叫んで家を飛び出してきたはずが、その同窓会もいまやオンライン開催。最後に外で飲んだのはいつのことだったか。 代わりに酒を買いまくっている。薬のようなものだ、交際費が減ったのだからいいだろうなどと言い訳しながら、酒を買いあさっては飲んでいる。 問題はどこで買うかだ。私の調達先はもっぱらオンライン酒屋。外出自粛モードがこれだけ強まると、店舗派から衣替えする方も多いの

          ホームステイ時にオススメしたいオンライン酒屋三選

          キリン「ホームタップ」を半年で解約した5つの理由

          数年前に父親になってから飲みに出る機会が激減した。恋しくなったもの3つ。乾杯の生ビール、はしご酒、正体をなくしてから食べるラーメン。 キリンのホームタップというサービスを聞いて、ひとつ目は自宅でも取り戻せるのではないかと思った。ミニビールサーバーのレンタルサービスだ。一杯いくらで計算すると500円とかそれくらいになってしまうようだったが、飲み代が減ったのだからいいだろう言い聞かせて、気がつけば申し込んでいた。 人気のサービスらしく、申し込みから何ヶ月か待たされてから正式に

          キリン「ホームタップ」を半年で解約した5つの理由

          【読書記録】だまされ屋さん(星野智幸)

          今回もApple Booksのオススメから。 「リアル書店は予期せぬ出会いがあるから良い」などと言われることがあるけれど、オンライン書店も話題図書はしっかりオススメしてくれる。むしろ、この著書誰だっけ?というときに履歴に飛んで、「忘れていたあの作品」を読みなおせてしまうのは便利だと感じる(もちろん、書店ではカバー裏をめくる楽しみもある)。 著者の「星野智幸」という名前を見て絶対読んだことある気がするけど誰だっけと作品リストを開くと、「呪文」と「夜は終わらない」の二作を読ん

          【読書記録】だまされ屋さん(星野智幸)

          【読書記録】夜明けのすべて(瀬尾まいこ)

          iBooksにオススメされて購入。瀬尾まいこさん本屋大賞受賞後の第一作、一気に読んでしまった。 前作でも同じことを感じたのだけど、ホットミルクのような物語だと思う。疲れたときに読めば元気が湧いてくる。心が荒んだときに読めば気持ちが落ち着いて、きっと昨日よりもよく眠れるようになる。誠実さが滲みでる作風は、瀬尾さんの人柄なんだろうと思う。 【以下ネタバレ含む】 私はPMSにもパニック障害にも馴染みがないけれど、親しい人の“ヒステリー“に困惑した経験はある。突然感情を爆発させ

          【読書記録】夜明けのすべて(瀬尾まいこ)