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〈わが家の味〉炊き込み式オムライス

ケチャップライスには二つの流儀がある。フライパンで炒めるか、それとも炊き込むか。世の中には炒めて仕上げるレシピが多い。有名な銀座・煉瓦亭も炒めて作るという。シンプルに炒めたほうがケチャップがガツンと効くから、わかりやすい味になるように思う。

問題は「たくさん炒めるのが大変」ということ。後工程では卵も包まねばならない。大勢で食べるならケチャップライスはもっと簡単に作りたい。

だから家庭ではケチャップライスは炊き込み式で作るのがいい。具材を炒めて塩味とケチャップを効かせてから、炊き込みご飯の要領で白米の上に載せて炊くだけ。パエリアのようにフライパンに白米も入れてしまってそのまま最後まで仕上げてもいいが、固めの仕上がりになることもあるから鍋は別でやるのが失敗が少ないように思う。

具材は朝炒めておいて、夜炊飯するときに仕上げるのでもいい。保育園のお迎えに行く前に炊飯器をセットしておけば、帰宅後には卵で包むだけで主食が仕上がる。そんな日は心の余裕ができて、いつもより少しだけ子どもたちにやさしくできるようになり、自分は悠々と赤ワインでも開けようかという気分にもなって楽しくなる。

炊き込み式では優しい味で仕上げられるのも嬉しい。野菜や鶏肉のダシが染みたケチャップライスは、炒めて仕上げるレシピとは全く別の料理のようにも思う。

卵も半熟トロトロはお店に任せることにして、家で作るときは昔ながらの薄焼き卵でシンプルに仕上げてしまう。

こうして仕上げるオムライスは、素朴な家庭料理の一線をどうやっても越えそうにない。パンチがないともいえるかもしれない。

それでも家で食べるならこういう丸い味がホッとする。子どもたちが平らげてくれる姿にも後押しされて、つい繰り返し、平凡なオムライスを作り続けてしまう。

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