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日伊逐次通訳者の僕がどうやって語学を習得したのか

こんにちは!

ボクカノの僕は日伊逐次通訳者としてイタリアで仕事をしている。
基本的に日伊企業間をイタリア国内で取り持っており、
留学、スポーツ、食品、自動車、アパレル等様々な分野で仕事の依頼を頂いている。

そんな僕は現在25歳。
18歳で単身イタリアに渡ってから常に言語との壁にぶつかってきた。
これは当時から7年経った今も変わらない。
もちろん日常で困ることはありませんが仕事の中で出てくる「専門用語」などはやはり勉強しなければ理解出来ない。
しかも理解するだけではなくそれを日本語として言語化出来る能力がなければプロとしては完全に失格だ。そのため日本語の勉強、言語化するトレーニングも欠かせない。
イタリア語で分からない単語はすぐに日本語で調べるのではなくまずイタリア語で解決出来るように努力する。
理由は単純で日本語で訳しきれない単語も存在するからである。そういう単語はイタリア語でしか解決できない。
イタリア語の解説でも解決できない場合はGoogleの画像検索で確認する。すると何の何を指しているのかということがわかる。
時にはイタリア人に直接聞くこともある。
こうした努力に努力を重ね理解した単語たちは一生忘れることはない。

「専門用語」の勉強の仕方はこの辺までにしておいて本題の「日常で困らないまでになるためにどのようにしてイタリア語を勉強したのか?」について触れていく。

そもそも僕がイタリア語を勉強し始めたのは13歳の時だ。
なぜ13歳から勉強をし始めたのかの理由についてはまたいつかの記事にしようと思うので今回は割愛させてもらう。

当時18歳の僕が降り立った場所はイタリアの首都ローマ。
そんな僕にまず立ちはだかったのは「方言」だ。
当時サッカーをしていた僕はチームの寮で生活していた。
「あれ?本と言っていることが違う」
13歳から5年間の準備期間があったとはいえど所詮は独学。単語を並べ動詞の変化を考えながら話すことで精一杯だ。そんな低能力の日本人に立ちはだかった「方言」が与えたストレスは尋常ではなかった。

・必死に勉強をしても追い付かない。

・単語を覚えてきて「喋ること」が出来ても「伝えること」が出来ない。

24時間、毎日凄まじいストレスと共に生活をしていた。
だがある日を境にそのストレスは軽減されていった。

イタリアに来てから3、4ヶ月経ったある日の夜だ。
僕はある夢を見た。
夢の中ではイタリア語を流暢に話している自分がいた。
何を言っていたのかなんて覚えていないし本当に正しいイタリア語を話していたのかも覚えてもいない。
唯一覚えていたことが「考えずに話していた」事だった。
そう、それまでは話したいことを頭の中で日本語からイタリア語に覚えた単語と動詞を変換させ考えながら話していたのだがあの日、あの夢を見てから勉強法を180度変えたのだ。
まずノートや参考書を使うことをやめ、とりあえずローマ人の中に突っ込んだ。
開き直って「馬鹿に」なった。
すると周りがどんどん話を振ってくる。全てを理解することは出来ないのだが耳で「メロディー」としてキャッチしていった。
キャッチした「メロディー」はすぐに携帯のメモに音で書いた。綴りが合っているかどうかは二の次だ。
当時はwi-fiがなければネットに繋げなかった為、電波を拾える場所に行った時には
片っ端からひたすらに検索していた。
そして調べた言葉を名詞、動詞、副詞、接続詞等に分けてノートに書き込みすぐに暗記していく。
そして暗記した単語を直ぐに会話の中に織り込んでいく。

すると見る見るうちに語学力が伸びていった。

同じ歌を何度も聞いていくとメロディーが耳に残る感覚でイタリア語を覚えていき、その覚えた「メロディー」で話していく。
言葉が合っているかという心配より夢中で「雰囲気」で話しまくった。
この「雰囲気」で話すということが非常に大切でこれを最初に出来れば素晴らしい発音の言語を習得することが出来るのだ。
理由は考える前に感覚で話すことが出来るからだ。感覚で話していると自然な相槌が打てるようになっていくし、文を切るタイミングや本では出てこない文頭単語を置けるようになる。何よりも微妙なニュアンスを伝えられるようになってくる。
ちなみに僕のアクセントは完全にローマ人のアクセントなのだがローマ人の輪に突っ込んでしまったのでそれは仕方ない。

それからというもの僕が机に向かう「勉強」をすることはなくなった。


頭で覚えるのではなく、耳で覚える。そして考えて話すのではなく感覚で話す。


これで語学はマスター出来るし、方言も感覚で使えるようになってくる。

このおかげで今はスペイン語もフランス語も日常言葉レベルなら話せるようになった。
もちろん耳で「メロディー」として覚えているので綴りを書くことは出来ないが逆に字で表すことなどほとんどないので綴りを覚える必要もない。

ただここで一つだけ言いたいことは5年かけて勉強したイタリア語が無駄だったと思った事は今まで一度もないという事。
この5年間で覚えた単語は当時の僕を何度も救ってくれた。
ただ「話す」事と「伝える」事は日本にいるだけでは限界があったというだけの事だ。

さて、今日も専門用語を勉強しようっと。

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