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【秋田の注目業界vol.2】鹿角の魅力を理解し、お客様と共鳴する。|「株式会社せせらぎ宿(四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル)」インタビュー

こんにちは!「KocchAke!(こっちゃけ)」編集部です。

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秋田県内の「業界」について第2回目をお届けします!

観光業は、旅行業や運輸業、ホテル・旅館等の宿泊業、飲食店・小売店、製造業等の幅広い分野に及ぶ、地域経済への広範な波及効果や地域雇用の創出が期待される産業です。
コロナ禍により、一時的に観光需要が落ち込み、全国的に観光業を取り巻く環境は厳しい状況にありましたが、その中にあって、県内の観光業は、旅行形態の個人化やコロナ禍により変化した新たな旅行需要の取り込みに向けて、ワーケーションへの対応や秋田の魅力を生かした体験メニューの提供など、アフターコロナを見据えた対策に取り組んできました。
コロナ禍で伸び悩んだ観光需要は、現在、インバウンドを含め、急速に回復しています。観光業の仕事は多岐にわたりますが、さまざまな期待を持って旅行や観光に来られるお客様に対応し、思い出づくりのお手伝いができることは、大きなやりがいとなるはずです。
皆さんの周りに数多くある観光業のお仕事をのぞいてみませんか。

今回インタビューに伺ったのは、秋田県鹿角市の創業110年を迎える温泉ホテル「株式会社せせらぎ宿 四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」。お客様視点でより良いサービスを提供すべく、館内や客室、外観などハード面のリニューアルを次々と進めています。「自分たちのホテルは自分たちで創る」というコンセプトの元、社内から募ったアイデアを社員自身が率先し形にしているとのこと!そんな湯瀬ホテルの皆さんに、観光業界の“今”と“やりがい”についてお話を伺ってきました!

〜インタビューに答えてくれた方〜
・古川哲平さん|取締役総支配人
・梁田麗斗さん|調理チーム(2023年度入社)
・栗山流奈さん|ダイニング宴会チーム(2021年度入社)


「自分たちのホテルは自分たちで創る。」


取締役総支配人 古川哲平さん

──はじめに自己紹介と「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」の魅力について教えてください。

株式会社せせらぎ宿 「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」取締役総支配人の古川と申します。
弊社は、北東北のちょうど中心である鹿角市に位置する、大型の温泉ホテルです。
こだわりは非常に恵まれた自然景観で、新緑や紅葉など四季折々の美しい風景を望むことができます。そういった自然景観を館内の内装工事にも反映することで、ホテル内で、十和田八幡平の大自然を感じることができるのが魅力の一つになります。
それから、源泉掛け流し100%の温泉も魅力です。温泉が良質なのは当たり前ですが、年間通して暑い夏も真冬の寒い時期も、100%の源泉のみでお客さまに提供しております。

四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル(外観)
四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル(入り口)
2015年にリニューアルした女性大浴場「美人の湯」露天風呂

──フロントからすでに内装へのこだわりを感じますが、館内の内装デザインについて、実際にこだわったポイントをお伺いできますか?

当ホテルの内装は、地元の木材を随所に使用しており、館内でも自然景観を感じるようなデザインとなっています。実はこの内装デザインは全て、センスのある社員から提案して頂いたものを形にしております。

洗練された雰囲気が漂うエントランス
室内にいても自然景観を感じるロビー
フリードリンク完備のラウンジ

──社員のアイデアとは驚きです。細部のデザインにもこだわっていて、有名建築家の設計かと思いました..!社員の声を吸い上げて反映する取り組みは湯瀬ホテルで働く魅力の一つですね。

「自分たちのホテルは自分たちで創る」ということをコンセプトにしています。館内の内装デザインもですが、細かいところでは料理のメニューもすべて社員の意見を形にしていくということを心がけています。

会議中の古川総支配人

──働く社員のモチベーションはどこにあると思いますか。

こういった地方のホテルで働く社員は、やはりその地域なり地方が好きな人が多いですね。とすると、その地域や地方を訪ねてきたお客様の笑顔、「また来るよ」と言ってくれる一言、そういった言葉が一番のモチベーションに繋がっていると思います。

──「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」が位置する鹿角市のまちの魅力を教えてください。

東北の内陸にありますので、非常に水が美味しいです。ですのでお米、お酒、野菜、それから何といっても秋田の非常に有名な郷土料理、鹿角発祥とされている“きりたんぽ鍋”ですね。そういった食材と食文化に恵まれた土地であることです。
観光面ですと、ユネスコの世界文化遺産に登録された、北海道・北東北の縄文遺跡群としての大湯環状列石があり、当時の縄文人の方々の生活の雰囲気を感じることができます。そのほか非常に大きい鉱山であった史跡の「尾去沢鉱山」。産業遺産であり、当時の鉱山の様子を感じ取ることができます。加えて、ホテルの周辺にある湯瀬渓谷散策路です。冬は非常に雪が多いですが、春から秋にかけては、それこそ五感で自然を感じる森林セラピーを楽しみながら散策ができます。

史跡 「尾去沢鉱山」入り口
史跡 「尾去沢鉱山」内部

「一期一会の出会いを大切に。」

──次に観光業界の魅力について教えてください。

観光というのはその地域地域にある宝です。日本中どの地域にも素晴らしい観光資源がたくさんあり、もちろんこの鹿角市にもあります。観光資源をいかに磨いて、光を当てて輝かせるか。それを、ここまでわざわざお越し下さった世界中の方々に知って頂けるという部分が魅力だと思います。

──コロナ禍を経て、国内旅行需要や海外からのインバウンド需要に変化はありましたか。

お客様を見ていますと、一回一回の旅行を以前よりも大事にしてるなという印象があります。そして今、世界中から観光需要が回復している中、その一期一会にきちんと応えて満足してもらうことが、我々ホテルの役目だと考えております。ホテルが立地する地域や観光資源を、そこで生活する人、働く人がいかに輝かせる事ができるかによって、選ばれ方に差が出てくると思います。

本館11階プレミアムビューの源泉かけ流し露天風呂付スイートルーム
本館11階プレミアムビューの源泉かけ流し露天風呂付スイートルーム
本館11階プレミアムビューの源泉かけ流し露天風呂付スイートルーム

──観光業界へ就職を望む学生へメッセージを一言お願いします。

自分達が生まれ育った地域を愛していて、その地域をこれからも継続的に発展させていきたい、と考えている学生さんにはぴったりのお仕事だと思います。特に当ホテルは、「自分たちのホテルは自分たちで創っていく」というコンセプトで経営しており、自分のそういった想いや考えを具体的に仕事で活かしたい、成果に繋げたい、と考えている学生さんにも向いていると思います。

「秋田の魅力を“食”を通じて伝えたい。」

調理チームの梁田さん

──自己紹介と現在の業務内容を教えてください。

「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」調理チームの梁田(2023年度入社)です。
現在は朝食や夜のビュッフェの仕込みや先輩の手伝い、7月からはお客様の前に立ち、厚焼き玉子の調理などを行っています。

仕込み中の様子

──「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」に就職を決めた理由を教えてください。

専門学校を経て入社したのですが、地元食材を使った料理や食材そのものを活かした料理を作りたいとの想いで、就職先を探していました。その中で、当ホテルのホームページに「地元の食材、旬の味覚、秋田の郷土料理、ビュッフェで楽しいひとときを」と記載があり、その点に魅力に感じて入社を決めました。

──仕事をする中でやりがいに感じていることはありますか。

入社してから3ヶ月間厚焼き卵の練習をして、7月からお客様の前で提供させて頂いています。実際にお客様と会話をして、「ここの厚焼き玉子ふわふわでおいしいね。」「いつもビュッフェを楽しみにしてるんだよ。」などの声を聞くと、このホテルで働いて良かったなとやりがいを感じます。

人気の厚焼き卵

──観光業界に就職を考える就活生に向けてメッセージを一言お願いします。

就職先を決める際に、自分の能力を自分で低く評価してしまって諦める、ということはしてほしくないなと思います。自分に自信を持って、今やりたいことに向かってほしいですね。
私が観光業界に就職したのは、地元の自然だったり、水、旬の食材など秋田の魅力を伝えたい、との想いからです。地元の方が当たり前に思っていることでも、県外の方から見ると全てが魅力だったりします。この秋田で生まれ育ったことを誇りに思って、県内就職はもちろん、県外に就職した方もいつかは地元に戻り、県外で吸収したことを地元で活かしてほしいなと思います。

「鹿角の魅力を理解し、お客様と共鳴する。」

ダイニング宴会チームの栗山さん

──自己紹介と「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」に就職を決めた理由を教えてください。

「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」ダイニング宴会チームの栗山(2021年度入社)です。
私は元々、ホテル業に興味がありました。地元が鹿角市なのですが、地元のホテル業の中でも“四季を彩るホテル”という点で、四季を感じられるところがいいなと思い、当ホテルに就職を決めました。

ロビーから見える外の風景

──地元である鹿角市の好きなところはありますか?

花輪ばやしというお祭りがあるのですが、お祭りに懸ける方々の情熱は尋常ではありません。年にたった2日間、その日に全てが凝縮されて露出するみたいな、そういうエネルギーを感じるお祭りがあるところです。

道の駅かづの「あんとらあ」祭り展示館

──仕事をする上でのやりがいをお聞かせください。

お客様に和膳や料理を提供する際に、コミュニケーションが取れて、そこに楽しさを感じます。「料理が美味しい」との声や、「また来ます」と言ってもらえるとやりがいに感じます。

──観光業に就職を希望している学生に向けてメッセージを一言お願いします。

私は人と話すのが苦手で人見知りな方でしたが、お客様と対話しているうちにホテル業や接客の楽しさ、鹿角市の魅力を改めて知ることができ、とても良い仕事だなと思います。ホテル業は、積極的に視野を広げて動ける方や、人と話すのが好きな方にはお勧めですので、ぜひ頑張ってください。

配膳業務中の栗山さん


──取材を通じて、インカムで各所への確認と指示を欠かさず、複数の打ち合わせを分単位のスケジュールでこなし、すれ違う社員への声がけも忘れず、一瞬も妥協せず自らを律し徹底した、お客様に対する“おもてなしプライド”のようなものが垣間見え、古川支配人の仕事への唯ならぬ熱い想いをひしひしと感じました。そしてそれにしっかりと呼応する社員の皆さんの逞しい姿。日々、おもてなしの心を育んだ“人”によって成り立つ「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」がそこにありました。
ホテルを通じて鹿角の魅力を世界に伝える上で、地元に誇りを持って働く人の存在は欠かせません。働く人が地域の魅力を伝えることを“やりがい”とすることで、ますますその魅力が伝わり、地域の継続的な発展へと繋がっていくのではないでしょうか。

◯取材・文・写真/KocchAke!(こっちゃけ)」編集部

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