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自営業は日本的な息苦しさから距離を置く世界

先日、子どもの運動会がありました。

まいにち練習をしていることは知っていたので、観覧するのをとても楽しみにしていたんですよね。

で、いざ本番当日。

保育園といえどもきちんと開会式から始まりました。

まずここで最初の驚き。

150人ほどの園児たちが運動場に隊列を組みました。そして園長先生のお話に、じーーっと耳を傾けているんです。

えっ、すごくないですか。

いちばん小さい子で3歳。大きい子で6歳。そんなちびっこたちのほとんどが、しゃべるでもなく動き回るでもなく、直立でじーっと立ってるんですよ。

そして先生が「前ならえ!なおれ!」「気をつけ!礼!」などと声をかけると、みんな揃ってその通りに動くんです。一体どんな訓練をしたのでしょうか。

やんちゃ坊主なうちの長女も、この時ばかりは先生の言う通りにキビキビと動いていました。先生のお話が始まったら、直立不動でじっーとしていました。

はてさてなんて声をかけるとこうなるんだ?教えて先生…

そしてもっと驚いたのは、選手宣誓で名前を呼ばれた2人の園児。

隊列から一歩右に出て、両手でこぶしを作って軽く腰に添え、小走りで前に出てくる一連の動きが、ほとんど狂いなくぴったりシンクロしているのです。

私の後ろで観覧していた保護者のお父さんが、「お〜!軍隊軍隊w」と笑っていました。

私は、一連の流れを見てちょっとゾッとしました。

保育園でこれを教えてしまうのかぁ。

この年でみんなでそろって動いたり、じっとしたりできるのは見ていてとても不自然で、子どもらしくないと思うのは私だけ?

少しでも間違えると「〇〇ちゃん間違えてるよ!ズレてるよ!」とか指摘するお友達がいるのかなぁ。

みんながやってるから自分もやらなきゃって、空気読んでるのかなぁ。

日本社会の原点って感じ。私はやっぱり苦手だなぁ。

こういう世界から離れて本当に良かったな……

と、改めて思ってしまったんですよね。


生きづらい世界から一歩離れた世界

自営業の世界は、日本社会特有の、いわゆる生きづらいと言われるような環境からは一歩外側にいます。

まず、同調圧力にさらされることが少ないです。

ビジネスオーナーは独立した個人なので、他の経営者からの影響をあまり受けません。

たとえなんらかの圧を受けたとしても無視するという選択肢があります。商売は自由です。

消費税が上がったら値上げをしてもいいし、世の中が禁煙に傾いたって堂々と吸える店にしてもいい。

キャッシュレスオンリーじゃ私たち高齢者が利用できないじゃない!って言われても、自分がそうすると決めたらそれを貫いてOKな世界です。

周りとの歩調は、合わせてもいいし合わせなくてもいいのです。ごちゃごちゃ言ってくる人はそんなに多くありません。いてもはじめのうちだけです。


もちろん圧力が完全にないとは言いません。

特にローカルでビジネスをしていると、やれ組合に入れとか、どこどこに寄付をしてくれとか、新しくオープンするなら挨拶をしろとか、そういうちょっとした圧はあります。

でもほとんどはお金を払うか、適当に合わせておく程度でなんとかなります。長期にわたって逃れられない苦しみを味わうようなことはまずありません。


あと、一般的な会社と違うのは個性が認められやすい点ですね。

わかりやすいところだと、学校や会社だと、奇抜な服装や髪型をしていると変な目で見られたり、そもそもルールで禁止されていたりします。人と違う意見を主張すると仲間外れにされたりします。

でもこれがお店の店主とかだと話が変わってくるんですね。「個性的で忘れられない人」「偏ってるけど面白い人」になれるんです。

知り合いの飲食店オーナーで金髪モヒカンの男性がいるんですが、店前に自分の写真を一年中貼っています。いちど来たら忘れられない店になることが狙いだそうです。

あるいは経営者同士で集まるとよく「こんなビジネスがあったら面白いよね」って話をするんですね。

中には平場で言ったら笑われそうなぶっ飛んだ話もあるんですけど、でもみんな面白がっていいねいいねって認め合う雰囲気が個人的にはすごく好きで居心地がいいなと感じます。

同じ話を会社員の人(もちろん全員ではないけど)の前で言ったら「それはこういう理由があるから無理だよ」ってはなから否定されるか、愛想笑いされて終わりです。


あと会社に勤めていると、どうしても避けられないのが嫌な人間関係だと聞きます。

職場を辞める理由の大半がこれだと言われるぐらい、仕事をする上でネックになる部分で、長きにわたって我慢している人も多いようです。

これは自営業にもあることはありますが、ちょっとましです。なぜならビジネスオーナーもお客さんも、けっこう流動的だからです。

転職が普通になったとはいえ、まだまだ1つの会社で長く働く人が多い日本の会社とはその点が少し異なります。

たとえば店舗営業だと苦手なお客さんが常連になってしまうということがしばしばあります。

でもお客さんってほとんどがいつかは来なくなるので、そのときに関係は終わります。やりようによっては、緩やかに関係を終わらせられる場合もあります。

近所のお店のオーナーさんがちょっとめんどくさい人で、会うたびに憂鬱な気持ちになることもあります。

でも多くのお店って、できては潰れ、できては潰れていくので、そのうち顔を合わせることもなくなります。

そもそもお客さんや付き合いをする同業を選り好みしたところで、どこかに飛ばされたり給料を下げられたりするような罰を受けることはほぼありません。

自分の責任のもとで好きにすればいいのです。


海外移住は無理って人に勧めたい

ところで、日本の生きづらさから逃れるには海外移住しかないって思っている人は結構いるんじゃないかなと思います。

noteやXなどの影響は大きいでしょう。日本と比べて海外が居心地が良いといった情報はごく頻繁に発信されています。

ただ、いくら日本社会の居心地が悪いからといって、誰もがパッと海外に行く度胸を持ち合わせているとも限りません。

語学だって必要だし、現地で仕事もしないといけない。リモートワークができるようなスキルを持った人ばかりではないはずです。

子どもがいたら転校させないといけません。幼少期をどこで過ごすかは、もしかしたら人生に関わる問題かもしれない。そんなことを考えると、二の足を踏んでしまう人もいるでしょう。

たしかに日本の会社はうんざりだけど、でも食べ物はやっぱり日本食が一番なんだよなぁ。そこだけは譲れないんだよなぁっていう人もいたっておかしくないですよね。私もそのクチです。

私もたぶん海外は肌に合うタイプなんですけど、日本食が大好きだし、世界最上級クラスの清潔さはなかなか捨てられないなぁと思っている次第です。

子どもの教育は海外が魅力的だなぁと思っていますが、でも総合的に判断するとやっぱり日本かなと。

そんな私と同じように、日本の社会は息苦しい、でも海外に移住するのは無理なんだよねって人は、自営業でいいんじゃない?と思うんですよね。


もちろん楽なことばかりではありませんし、むしろお勤めと違って不安定な部分はたくさんあります。

だけど、いちど始めたらすっかりハマってしまい、低収入でもいいからこの働き方を辞めたくない!って人もいるほど、水が合う人が多いのも事実です(大阪にはこの手の人がたくさんいました)。

それぐらい、自営業って一部の人にとって非常に気持ちが楽になれる働き方なんですよね。

私も特別な事情がない限りこの先もやめないと思います。



さて、自営業の両親に育てられつつ、保育園で今から集団行動をみっちり教えられている子どもたち。果たして将来どんな選択をするのでしょうか。

今から楽しみなような、不安なような気持ちでいっぱいです。

どんな道を選んでも全力で応援できる親に…なれるかなぁ。

とりあえず今日はこのへんで☆

今月もよろしくお願いしまーす^^




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