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自営業とはサバイバルである。「ズルい」と「他責」をやめて自分のことに集中しよう

コロナ禍になって以降何かと飲食店が悪者にされがちな昨今ですが、同じ飲食店のあいだでさえも「あそこは給付金もらえてズルい」だとか「あの店があんなやり方してるせいでうちが…」みたいな発言が随所で見られます。

気持ちはわかります。私も小言のひとつや二つ言いたくなることは以前からよくありました。

知り合いの店はコロナで売り上げが激減したときに、大家に掛け合って家賃を減額してもらってました。正直すごく羨ましかったです。

現在、法律が変わって喫煙可能な飲食店に未成年を入れてはいけないことになっているのですが、うちの近所の店が、喫煙可能にしておきながら平気で子どもづれを案内しているのを見たときは、なんともいえない嫌な気持ちになりました。

でもこれ、自戒を込めて言うとどれも不毛な感情なんですよね…。

不愉快に思う人がいるかもしれませんが、商売の世界ってぜんぜん平等でも公平でもないし、生き延びるか衰退するかのサバイバルなんです。

他人のことに構っている場合ではないんですよね、ほんとは。



「ずるいこと」をやめさせようとしてもあまり利益はない

私がこの9年間、女将として飲食業界に関わってきて思ったのは、まともに商売やってる人なんてそんなに多くないということでした。

皆多かれ少なかれ、グレーなことやってます。ときどき完全にアウトな人もいます。


一例を挙げてみると、

・事業で出たごみを一般のゴミとして出す
・調理の仕込みを(許可の取れていない)自宅の台所で行なう
・設置義務のある手洗い場が荷物で山積み
・お客さまを見て会計を変える
・大家に無断で又貸し営業をしている
・仕入れ先に圧をかけて値下げさせる
・入りたいテナントを建物ごと買い取って今の借主を追い出す

などです。

中にはルールを知らずにやってる人もいます。法律違反ではないけど倫理的にどうなんだろう、という事例も、ここに挙げ出したらキリがありません。

黄色信号をエイヤっと渡ってしまうような行為は、日常茶飯事的に行われています。あんまり表に出ていないだけです。


こうした現実を目の当たりにしたとき、真面目一辺倒でやってる人がときどき「ズルい」という言葉を口にします。

あいつのこんなとこが悪い、あんなやり方が良くないと責め始めます。

これも、本当に気持ちは痛いほどわかるのです。真面目に頑張ってるのがバカみたいじゃないかって気持ちですよね。

ただ冷静に考えてみると、他人のことを揶揄したところで、ほとんどの場合自分の商売のなにかが変わるわけではありません。

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