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【書評・要約】読んだら忘れない読書術 著者:樺沢紫苑

【この本を一言で説明すると】

「考え方」と「行動」が変わり、自己成長が促進される読書方法を教えてくれる1冊

【このような人におすすめ】

・本を読んでも記憶に残らない人

・1冊全てを読み切ることに美徳を感じる人

・読んで得た知識を活用できない人

~はじめに~

「本を読んでもすぐ忘れてしまう…」

この経験がある方は多いのではないでしょうか。

これに対し、著者は「記憶に残らない読書は何の役にも立たない」と厳しい言葉を投げかけます。そして、記憶に残る読書のコツを惜しみなく紹介していきます。

キーワードは「アウトプット」「スキマ時間」

この2つを意識することで「記憶に残る読書」ができると著者は述べており、わかりやすく3つの基本原則にまとめています。

【基本その1】1週間に3回アウトプットする

脳科学研究を集約すると、インプットから7日以内に3回アウトプットすることが最も効果的な記憶法であることが明らかになっています。

脳が「重要」と判断する基準は「何度も利用される情報」「心が動いた出来事」2つのみ。ここでは前者に注目します。

脳には海馬という場所があり、情報を最初に仮保存する役割を担っています。仮保存期間は個人差がありますが、概ね1週間に3回その情報を利用すれば、情報は脳の側頭葉(長期の保存場所)に移動され、「忘れない情報」となります。

このような理由で、1週間に3回アウトプットすれば「何度も利用される情報」として脳に重要と認識させることができます。


【おすすめのアウトプット方法】

①メモを書き込む、線を引く。(「読む」時とは異なる脳の使い方をするので記憶に残る)

②内容を人に話す。

③感想をSNSなどでシェアする。

④書評、レビューを書く。


【基本その2】スキマ時間を活用する

結論から言うと、15分のスキマ時間活用が最も効率が良いです。

集中力には15-45-90という法則があります。高い集中力は15分、通常の集中力は45分、休憩を挟めば90分までならなんとか集中力を維持できるという法則です。この法則から、15分のスキマ時間をつくり、読書に費やすことが効果的と分かります。

また、45分の連続した読書よりも、15分の読書を3回繰り返すほうが効果が高いことには決定的な理由があります。

脳のパフォーマンスには「初頭努力(ロケットスタート)」と「終末努力(ラストスパート)」というゴールデンタイムが5分ずつ存在します。45分を1回だとゴールデンタイムは10分ですが、15分を3回だと30分にも及びます。

さらには「15分で1章を読み切る」など、時間制限を設ければ効果は増大します。

以上の理由から、15分のスキマ時間活用が非常に効果的です。


【基本その3】速読ではなく、深読をする

著者は、「本を読んだ」=「内容について説明・議論できること」と定義しています。

そのためには、重要点を見極める「深読」が必要だとのこと。

深読を極める近道は紹介されておらず、インプットとアウトプットの反復が必要とのことでした。

この後に紹介するテクニックを使い、効率良く読書を進めていくことが重要です。

【効果的な読書テクニック】

①パラパラ読書術

最初に全体をパラパラと見てアウトラインをつかみ、目的地(読む目的)と行き方(時間配分など)を決める。

②ワープ読書術

「一番知りたいことは何か」を考え、目次を見てどこに結論が書かれているか推測し、一気にワープする。(本は一字一句読む必要はない。)

③ギリギリ読書術

自分がギリギリ理解できる難易度の本を読む。(例:テレビゲームは簡単すぎても難しすぎても楽しくない。何とかクリアできる難易度が重要)

④ワクワク読書術

前述した「脳が重要と判断する基準」である「心が動いた経験」がこれに当たる。自分が「面白そう」と感じる本を読む。ワクワクして読むとドーパミンが出る。ドーパミンが出ると記憶に残る。「買ったらすぐ読むこと」が重要。(この点では電子書籍が便利)

~おわりに~

多くの問題が存在する現代社会において、「自己成長」は問題を解決に導く大事な要素です。未来を見据えて自分で「準備していく」ことが重要と言えます。

しかし、何から準備をすればよいかわからない方が多いはず。そこで「本」を読めば、どんな「準備」をすればよいかがわかると著者は述べています。「自分でコントロール可能」と思えることは、不安を大幅に減らします。

本は私たちの選択肢を増やしてくれる、最強の切り札となる可能性を秘めています。


最後までお読み頂きありがとうございました。





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