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宝塚歌劇公演中止を讃え、心底応援したい話

どうも。こばゆりです。

突然ですが、私は宝塚歌劇が大好きです。
学生時代はmax週5ペースで通っていました。
社会人になってからも、よほど忙しい時を除いて全公演観劇し、入り待ち出待ちをし、気になる生徒(タカラジェンヌ)のお茶会(ファンミーティング)には足を運ぶ…という、典型的なヅカオタとして活動しています。
私は宝塚に影響を受け、支えられ、人生とはなんたるかを教えてもらって今日まで生きてきました。

その宝塚歌劇が、再び休演の運びとなりました。

詳細は公式HPをご覧いただきたいのですが、手短にまとめると、
8/2:朝、花組宝塚大劇場公演「はいからさんが通る」関係者に体調不良を訴える方が現れ、直ちに当日・翌日の公演中止を発表。
8/4:新型コロナウイルスへの感染者が出たことが判明し、夜、2週間の公演中止を発表。

なんという迅速な対応。
まずは心から敬意を表します。

そもそも宝塚歌劇において、covid-19に起因して中止→再開→中止という流れを辿ったのは今回が初めてではありません。
宝塚は常に複数の劇場で公演を行っているため、分かりやすく詳細をお伝えするのは非常に難しいのですが、2月末から今日まで、数度の休演と再開を繰り返しています。
…と書くと、まるで何度も対策に失敗しているかのような、行き当たりばったりの印象を与えてしまうかもしれません。
しかし、それは違うと私は思います。
常にファン、そして出演者をはじめとした関係者のことを本当に想っているからこそ、必死に何度でも再起しているのです。
可能な限り、幕を開けようと努めているのです。
宝塚は一期一会のカンパニーではなく、下部組織である音楽学校の卒業生である未婚女性で構成される劇団です。
だからこそ固定ファンが非常に多くつき、出演者も必ず「退団」します。
一度退団してしまったら、二度とその舞台は踏めません。
そして、全ての公演は、誰かにとっての退団公演です。
公演中止になったとて、退団発表は取り消すことができません。
もし、退団公演が全日程中止になってしまったら、10代から公私の境もなく全てを費やしてきた舞台を唐突に去ることとなります。ねぎらいの拍手すら貰えず。
その情景を想像すると、胸が張り裂けそうになります。
彼女たちを一番近くで見てきた関係者は、なおのことと思います。
また、関係者ひとりひとりにとっても公演は思い入れがあり、時に節目であり、そして勿論生活の基盤でしょう。

そのような中で、体調不良による公演中止。
これを耳にした時、感動すら覚えました。
よく言った、と。
主観ですが、私は宝塚より熱心によく練られた対策をしている組織を知りません。
公演再開時のリリースは、対策そのものもさることながら、全方位への配慮に溢れた素晴らしい文言だと思いました。
(いま確認したところ、該当のリリースは削除されていました(残念…)
ですが、以下もエッセンスは盛り込まれていると思うのでシェアさせていただきます。)

https://kageki.hankyu.co.jp/sp/news/20200719_2.html

これほどの対策をし、しかも昔から規律や秩序を何より重んじる宝塚において、声を上げることは非常に勇気のいることだったに違いありません。
にも関わらず、きちんと声を上げ、それを直ちに聞き入れ公演中止を決断するに至りました。
急な公演中止だったため、社員が宝塚駅に立ち、中止の旨を大声で伝え謝罪していたとのこと。
その姿を思い浮かべると、やり切れない気持ちになります。

何よりの救いは、ファンがこの決断を受け入れ、讃え、ねぎらっていることです。
よく言った、誰も悪くない、と。

公演中止によって何枚ものチケットが払い戻しになり、誰も悪くないからこそやり切れない気持ちにもなりました。
それは他の多くのファンたちも同じだと思います。
でも、それゆえ、感謝と敬意を新たにし、劇場では絶対に関係者を危険に晒すまいと対策を徹底していました。
実は私は、公演再開直後に宝塚大劇場へ観劇に行っていますが、開演前に一切のお喋りが響かない劇場を初めて体感し、驚きました。
そして、密を避けるため千鳥格子のように座った、通常よりも格段に少ない観客が、(全員マスクはしていますが)笑い声を出せない分も埋めるかのように精一杯拍手している音を聞き、泣いてしまいました。

だからこそ、思うのです。
バッシングする人は、きっと宝塚のために泣いたことも笑ったこともない人なのだと。
だから、心ない言葉ばかりが響き渡るかもしれないけれど、そうじゃない意見も見てくれる方が居ればと思い夜な夜な長文を打ってしまいました。(リリースを見て、一度は布団に入ったものの寝られず、深夜1時前に記事作成開始。現在2時半…笑)
公演を再開したこと、再び中止になったこと、体調不良を訴えたこと、コロナに感染したこと、何もかも責められる筋合いはありません。
どうかまた、劇場にあかりが灯りますように。
いや、きっと灯るに違いないから、それが心ない第三者に吹き飛ばされないよう、守れますように。

何に関しても、叩くのは常に真っ赤な他人なのだ。
と思います。

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