11.趣味の話④ 読書(2)

はじめに

はい、こぼば野史です。

前回の投稿から24時間以上、というか最早48時間以上空いてしまった。が、別に気にしていない。スキを多くもらったり、レビューを稼ごうという目的でやっているわけではないので。これはどこかの投稿でも言ったな。どこやろ。

今回はこの記事の続き、というか読書の話。ただの紹介で終わらせたい。

私の本棚、敢えて名づけるならば、「こぼば野史文庫」とでもしておこうか、は今はこんな感じ。
いやはや、汚くて少し申し訳ない。

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今回と次回は文庫本編。
出版社五十音順。さらに、出版社内で著者(訳者など)五十音順で並べている。岩波文庫は色ごとで五十音順。

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岩波文庫(青=思想・哲学・宗教・歴史・地理・音楽・美術・教育・自然科学)

私は、岩波書店の図書に関しては、日常的に読書する図書というより、資料作成の際に用いている節が大きい。

金谷治訳注『論語』は、現代の邦訳『論語』で最も信用に足るとされているものなので古本市にて購入。教育実習や大学のレポートなどでも大いに役立った。下記のリンクはワイド版のものだが、私が持っているのはワイド版ではない。1963年に出版されたもので既に絶版になっているようだ。


関根正雄訳『旧約聖書 出エジプト記』は最初読んでみようと思ったが、知識がなさ過ぎて断念。東洋史を専攻する私には厳しいものだった。宗教学の教授にも、「宗教学者になるでもなく、西洋史を学んでいるでもないのに、読む必要はないし、おススメもしない」と言われた。


宮本常一『家郷の訓』は大学のとある講義のテキストである。あまり聞き馴染みのない著者かもしれないが、柳田国男の門下で、柳田と同じく民俗学者である。『忘れられた日本人』という著作もあり、そちらも傑作らしい。私も購入予定である。『家郷の訓』のあらすじは以下のとおり。

著者の故郷である山口県大島の明治末から大正にかけての暮しの中に,子どもの躾のありようを描いた出色の生活誌.『忘れられた日本人』をはじめ多くの優れた業績を遺した宮本民俗学の原点を示す書であり,子ども・民俗・教育を考える人への格好の贈り物.故郷の風土を克明に描いた「私のふるさと」を併収. (解説 原ひろ子)

宮本常一『家郷の訓』(岩波書店、1984年)より引用


岩波文庫(赤=外国文学)

カーリダーサ作、辻直四郎訳『シャクンタラー姫』と、ヘシオドス作、廣川洋一訳『神統記』は世界史で学んだ図書なので購入してみた。が、先の『出エジプト記』と同じく、私には難解な内容であった。しかし、世界史はこれからもつき合っていくので、いつか読んでみたい。


ここには無いが、魯迅作、竹内好訳『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊)』も持っている。ここに無いのは、現在読んでいるからである。直前に読んでいた宮崎市定『科挙』に魯迅『孔乙己』という作品の紹介があったので、連続して読んでいる。まだ『狂人日記』しか読めていないが、当時の中国社会を風刺していて、興味深い。『狂人日記』と言ったら名セリフがある。

父母が病気になったら、子たるものは自分の肉を一片切り取って、よく煮て、父母に食わせなくては、りっぱな人間ではない。

魯迅作、竹内好訳『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊)』(岩波書店、1955年)30頁

これが何を表しているのか、また、宮崎先生がなぜ『孔乙己』を紹介したのか、知りたい方は自ら手に取ってみるべし。どの作品も多くて50頁ほどなので、簡単に読めるはずだ。


岩波文庫(黄=日本文学(古典))

持っているのは、作者未詳、大槻修校注『堤中納言物語』と、こちらも作者未詳、渡辺綱也校訂『宇治拾遺物語』である。アルバイト先で、古典の授業をしているので、そのために購入したという理由もあるが、『堤中納言物語』は前々から欲しかった。なぜかというと、宮崎駿作品「風の谷のナウシカ」の原典の1つになっているから。この物語の1編、「虫愛づる姫君」をどうしても読んでみたかった。しかし、校注なので、まさかの現代語訳なし。岩波文庫版は読まず、新潮社版を購入するに至る。
『宇治拾遺物語』も同じく、現代語訳が無いので、どう取り扱えばよいか悩んでいる。

岩波文庫(緑=日本文学(近代・現代))

これは1冊、川端康成『伊豆の踊子・温泉宿 他4篇』のみを持っており、既に読了。岩波文庫(緑)は近代文学なので日常的に読める。川端文学の名作『伊豆の踊子』、50頁ほどしかない作品で短い時間で読むことが出来た。それでいて、読者を引き込む。稀代の文豪はやはり何かが異なるようだ。もう1つの著作、『雪国』は長編のようである。



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角川文庫

岩波書店のように文学ジャンルでの区別はない。作者五十音順である。
上記の写真は角川文庫から集英社文庫に至る。

青柳碧人『朧月市役所妖怪課 河童コロッケ』『朧月市役所妖怪課 号泣箱女』はかなり前、確か中学生の頃に購入したと記憶している。残念ながら読んでいない。ただ、書名を見るだけでも面白そうなので、いつか読む。


角野栄子『魔女の宅急便』シリーズは小学生の時に購入した記憶がある。6冊全て読んだが、残念ながらあまり記憶がない。というのも、映画の記憶が鮮烈すぎるからであろう。
6冊目は主人公キキの話ではなく、その子どもの話である点、『源氏物語』のような展開だな、と今ふと思った。

引用のためにホームページを訪れたら、6巻セットの発売は2013年であった。ということは中学生の時に購入したらしい。


細田守原作、岩井恭平『サマーウォーズ』は、説明するだけ野暮なのではなかろうか。個人的に、「夏」と言ったらこの作品である。どこかのネットのランキング「”夏”に見たくなるアニメといえば?」でも2位に入っていた。中学生時代に、読書感想文として読んだと記憶している。漫画版も購入した。

ただ、大学生になってお笑いをよく見るようになると、サマーウォーズの「けんじくん」というセリフが、どうしてもパーパーのあいなぷぅを彷彿とさせてしまう。私だけだろうか。

余談であった。


夏目漱石『こころ』は高校2年生2学期の現代文で取り扱う予定のものであり、夏季休業中に読了することを課せられていた。が、諸事情により取り扱うことができず、未だに読めていない。しかし、傑作中の傑作である、というのは誰の目からでも明らかだろう。

帯にある、

しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか (本文抜粋)

は名台詞である。読んでいなくても分かる、心に沁みるフレーズだ。

また、「漱石」とペンネーム、私が専攻している魏晋南北朝時代と関係がある、というのもどこかで話せればよいな。


似鳥鶏『きみのために青く光る』『彼女の色に届くまで』は、似鳥鶏さんの作品ということで購入。今年の3月ごろに、諸事情で似鳥鶏『100億人のヨリコさん』(光文社、2017年、文庫版2019年)を読み、似鳥鶏さんの作品がとても面白く、読みやすかったので、一気に買ってみた。まだ読んでいないが、既に読んでみたい気持ちでいっぱいである。『100億人のヨリコさん』については後述。


角川書店編『ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 竹取物語(全)』はこれまた大学の講義でテキストとして購入したものである。書き下し文と現代語訳、さらには、随所にコラムが載せてあり、ビギナーズと題しているだけあって、手に取りやすかったのを覚えている。このシリーズはおススメである。国内外の古典を読んでみたい人は、ぜひ入門に。

そういえばこの作品も、高畑勲作品、スタジオジブリの「かぐや姫の物語」の原典である。日本最古の物語である。


光文社文庫

似鳥鶏『100億人のヨリコさん』は、私が読書に目覚めたきっかけの図書と言っても過言ではない。

というのも、もしかしたら察しているかもしれないが、読書をするようになったのは年内に入ってから、ここ最近である。

「小説ってこんなに面白かったっけ」を思わせてくれた1冊。語ると長くなりそうなので割愛。あらすじのみ引用しておく。

貧乏極まり行き場を失くした小磯は、学生課で寮費千三百円という怪しげな「富穣寮」を紹介される。大学キャンパスの奥の奥。そこでは、変人の寮生たちが奇妙な自給生活を繰り広げていた。しかも部屋には、夜な夜なヨリコさんという「血まみれの女」が現れるという。ヨリコさんの正体を解き明かそうとする小磯は、やがて世界の存続をかけた戦いに巻き込まれていく!

似鳥鶏『100億人のヨリコさん』(光文社、2017年、文庫版2019年)より引用

さらに個人的にポイントなのは、文庫本の表紙のデザイン、描いているのがあらゐけいいち先生なのだ。角川書店の漫画『日常』の作者であり、この漫画はとても好きだったので、そこでも何か感動するものがあった。中身とのギャップは底知れないが。ぜひ一読するべし。


集英社文庫

今回は長くなったので、これを紹介して終わろうと思う。

最後は村山由佳『猫がいなけりゃ息もできない』である。表紙が可愛くて買った。帯には、

愛するもふもふ 最愛の猫を看取る。その時私は--。

と附す。最愛の猫の死に際しての、かなり切実なエッセイである。後半は涙なしには読めなかった。


次回予告 -「おわりに」代えて-

個人的にはけっこう長くなった記事だ。

今回紹介した図書のうち、岩波文庫のものに関しては、かなりの図書が公式ホームページでは「在庫僅少」や「取扱いなし」(絶版)になっており、「私はかなり希少な図書を持っているのではないか」と鼻が高くなってしまった。傲慢である。傲慢を誇る人間は淘汰されるのが歴史の法則なので、やめておこう。

趣味の話をする方が、現時点ではnoteユーザーの目に留まりやすいらしい。

次回は、

新潮社文庫→ちくま学芸文庫→中公文庫→徳間文庫→双葉文庫→文芸文庫

と続く。さらに考えているのは、四六版の図書。あまり持っていないが、

角川書店→河出書房新社→新潮社→山川出版社

も紹介出来ればよい。その次も考えており、新書になる。

岩波新書→光文社新書→中公新書→NHK出版生活人新書

と続く予定である。しばらく、趣味の話は「こぼば野史文庫」が席巻しそうである。

頓首頓首。

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