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君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

映画と向き合うとは

この映画を最初見た時は宮崎駿が自分自身の走馬灯をフィルムに焼き付けようと試みた映画だと思った。
ぶつ切りのような物語、今までの自身の映画へのオマージュ、記号のように散りばめられた絵画やモチーフ。
宮崎さんはもう冒険活劇のような観客が求める、わかりやすく、新しい物語を作ることには興味がないんだと思った。

しかし鑑賞からしばらく時が経ち、その考えは変わらないながらも、もっと違う

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BLUE GIANT

BLUE GIANT

この物語は後に世界一のサックスプレイヤーになる日本人、宮本大の物語。

といっても現実の話ではないし、現在原作漫画は連載中のため、そうなるかは誰も知らない。

だが、この映画を見た人は、きっと彼の将来はそうなるのだろうと予感する。

伝説になる

3.11東日本大震災。
地震の中、制作すれば伝説になる、気概を見せろ。
というようなことを宮崎駿はスタッフに向かって話していた。
言ってる事は無茶苦茶だ

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Everything Everywhere All at Once

Everything Everywhere All at Once

適当な感想から始まる

よく調べずに書いているので適当に読んでほしい。

この映画は、ミシェル・ヨーのために作られた映画だと見終わって思った。
ミシェル・ヨーの役者としてのキャリアがそのものがストーリーとリンクし、エブリン(役名)のキャラクターを形作っている。
きっと監督は脚本を書く際に、ミシェル・ヨーのプロフィールを熟読して内容を考えたに違いない。

映画ファンであれば、この映画の楽しさは理解で

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ケイコ 目を澄ませて

ケイコ 目を澄ませて

結局、最後は腕力。
ヒーローとヴィランの知力を絞った戦いも最後は拳で決着。
未だにハリウッド映画ではよくみる。いやハリウッドだけではない、日本の少年漫画はほぼそういう話だ。
どちらの腕力が上なのか。
友情、努力、そしてその先にある勝利。

勝利の先にあるのは一方の負け。

敗者を作る原理が世の中の一部を動かしている。

「ケイコ 目を澄ませて」は三宅唱監督による聴覚に障害のある女性の暮らしとボクシ

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トップガンマーヴェリック

トップガンマーヴェリック

これぞハリウッド映画の玉座に在る映画。

前作から36年の時の経てリブートされた本作。続編というよりは前後編ともいうべき前作とのつながりが濃く見応えたっぷり。

全編トニー・スコットへのリスペクトに満ちてて、前作を知っていると、なお楽しめるのは間違いないが、干支でいえば三回りもしてる、この物語に違和感なく入り込めるのはトム・クルーズが主演を張っているからに違いない。

普通こういう物語はバトンを渡

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ハケンアニメ!

ハケンアニメ!

「選ばれてあることの恍惚と不安の二つ我に在り」

何かを作ることに真剣に向き合ったことのある人間であれば、この感覚は言葉を超えて理解できるのではないだろうか。

思考を重ねた求める者だけに閃き、辿り着く、降りてくる。
アイデアという形のない偶像。
そんな感覚の先には誰にも恍惚と不安がある。

この考えで良いのか、間違っていないか、社会にとって必要な考えか、行いか。
自分の中の正しさと違和感の間を行

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