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koala
2017年5月19日 15:29
次の日、課長が珍しくみんなを集めた。「えー。すまんと先に謝るが、今週末内部監査があるのを忘れていた」ざわわと動揺が広がる。内部監査があとたったの三日後?「だからな、謝ると言ったじゃないか。とにかく本社が来るからデータまとめといて。えーと、武田がやって」武田くんがやる、イコール私がやるということだ。「内部監査…」武田くんは長い指を整ったくちびるにのせ考え込んでいる。「ぼーっとし
2017年5月17日 16:30
金曜日になって、今度は課での歓迎会が開かれた。真ん中に座る武田くんの横には、和葉が陣取っている。主役と離れて座る私の周りでは、新入社員とは関係ない、各々の家庭や夫の話が繰り広げられている。みんな既婚者の方々だ。「美咲さん、新入社員、どうなんですか」隣のパート社員さんが聞いてきた。私が話に入れないのを察してくれたのかもしれない。「そうですねぇ。若すぎて心配でしたけど、思った以上に気が
2017年5月16日 16:50
ちらり、と横のデスクを盗み見る。入社したばかりの、23歳武田くんは、私が渡したマニュアルを元に、せっせと資料を作成している。細長くきれいな指でパソコンを叩く。ふーん。アリユウも手がきれいなんだよねぇ。あの指先まですっときれいなところが、手袋をしていてもなお、彼の演技をよりいっそう引き立てていて…いやいや。有本選手と一緒にするなんて、冗談じゃない。私は現実では年下は好きになったことはない
2017年5月15日 15:05
「優勝は有本選手!!ファイナル決勝へと駒を進めました!」あぁ寝不足。だけど幸せ。そんな、のろけのような感情に浸りながら、変わり映えもなく今日も出社する。彼氏の家にお泊りしたから、なんてどうでもいい可愛らしい理由ではない。私の寝不足は、もっともっと美しさであふれた高尚なものなの。*****「美咲先輩!昨日…観ました~?」朝からテンション高く話かけてきたのは、三つ下の和葉。