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DX推進者必見!! 【DX白書】解説第一弾!

皆さんの周りではDXについてどのくらい進んでいますか?

ニュースではよく見るけど、私の周りではあんまり。。。

という方も多いかと思います。

DX推進関係者にとっては、業界や世界がどのような状態かを相手に理解してもらうこと自体に苦労しているかもしれません。

そんな方に朗報です。DXについて現状を解説、米国との比較調査を行なった「虎の巻」のようなものがついに出てきました!!

今日はIPAより無償公開された「DX白書」について解説していきます。

IPAとはIT人材の育成を行う団体

IPA(Information-technology Promotion Agency) :

「独立行政法人 情報処理推進機構」と呼ばれる団体で、経済産業省の政策実施を担う部隊になります。

近年ではIT人材不足が嘆かれており、海外に比べて日本は質量ともに劣っていると言われています。そんな中で彼らは主にIT人材の育成を目的とした活動しています。

また、最近ではサイバーテロなどのセキュリティ脆弱に対して対策を実施行う部隊でもあります。彼らがいるおかげで普段からIT社会のサービスを安心して使うことができているわけです。

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https://www.youtube.com/watch?v=mByk_gTVR4s

そんな彼らがこの度、「DX白書」を発刊しました。こちらでは日米企業を調査対象としてDXの戦略や人材、技術などを372ページにわたり包括的に解説しています。

ここでは、その内容をいくつかピックアップしながら解説をしていきたいと思います。

DXの「虎の巻」 DX白書

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DXについては、一例で以前デジタルツインでも取り上げていたので下記を参照していただくとして。

まずは全貌から。下記が本書の目次になります。

第1部 総論
 第1章 DXへの取組状況
 第2章 DX戦略の策定と推進
 第3章 デジタル時代の人材
 第4章 DXを支える手法と技術
 第5章 「企業におけるデジタル戦略・技術・人材に関する調査」概要
第2部 DX戦略の策定と推進
 第1章 DXへの取組状況
 第2章 DX戦略の全体像
 第3章 外部環境の評価と取組領域の策定
 第4章 企業競争力を高める経営資源の獲得、活用
 第5章 成果評価とガバナンス
 第6章 コロナ禍を契機とした企業の取組 企業インタビュー
第3部 デジタル時代の人材
 第1章 日米調査にみる企業変革を推進する人材
 第2章 スキル変革を推進するためのデジタル時代の人材に関する国内動向
企業インタビュー
第4部 DXを支える手法と技術
 第1章 開発手法・技術
 第2章 データ利活用技術 企業インタビュー 
付録
第1部 AI技術
 第1章 AI技術 ~知的活動を実現する基礎技術~
第2部 制度政策動向
 第1章 総論
 第2章 国内におけるデジタル関連の制度政策
 第3章 米国におけるデジタル関連の制度政策
 第4章 欧州におけるデジタル関連の制度政策
 第5章 中国におけるデジタル関連の制度政策

取り組み状況から人材に渡るまで多くが解説されています。

DX浸透度 日本は5割米国8割

まずは本圀日本におけるDXの浸透状況についてですが、

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がDX推進指標の自己診断結果を収集し、2020年10月時点での回答企業約500社における取組状況を分析した結果、実に全体の9割以上の企業がDXにまったく取組めていない、または散発的な実施に留まっている状況が明らかになりました。

つまり、1割の企業のみDXに取り組んでおり、なかなかまだまだ浸透していないという状況だ、と。それはコロナウイルスの影響もありテレワークが進んでいるにも関わらずということになります。

また別の調査では、日本と米国の調査を比較しており、米国に比べて「取り組んでいる」企業が56% (米国は79%)と劣っているという結果が得られました。

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この中身をブレイクしていくと、各業界においても大きく米国とはDXにおいて取り組み状況が異なるようです。

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N数が日本の534に対し、米国では369と母数がやや小さいので綺麗な比較とはなりませんが、それにしても各業界で浸透が遅れているのが実態となりました。

特に情報通信業というドンピシャな領域について日本は約6割が何某かのDXに取り組んでいるというのがアメリカではほぼ100%に近い形で取り組んでいるところが決定的でしょうか。

さらにブレイクすると、各事業領域ごとにも浸透具合が違いそうです。

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気になるのは経営の意思決定、財務分析において米国は半数がすでに実験以上のことをしている日本では20%にとどまっています。会社のトップから発信するという意味では、この差はそれ以下の各事業部へ大きくなると思います。ここについては日本の経営者全員が認識をして意識から変えていかないといけません。

そしてこれは結果にも出ていました。DX取り組み内容の効果については財務指標の改善に大きく寄与しているそうです。

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さらには会社規模ごとのDX取り組み状況ですが、日本では「規模が大きくなればなるほど」DXに積極的に取り組んでいます。一方アメリカでは人数規模での相関が取れず、全体的に取り組んでいます。

会社規模が大きくなればDX推進傾向 日本は99.7%が中小企業

日経新聞の記事によると、日本における中小企業の定義は300人以下の企業であり、日本においては99.7%が中小企業となっています。

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上記から、中小企業が多い日本においてはDXが進んでいない、という結論になりますね。

両国における差がどうしてついたのか。というところですが、認識の機械としては「パンデミック」「技術の発展」によるところが一番の要因と調査では出ています。

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つまり、これまではそこまで明確になっていなかったがコロナウイルスといった外的要因によりDXを推進せざるを得なくなった今日において、技術が発展しているアメリカの方がDXが進んでいる、といった結果になっています。

DX事例を真似するのは国内ではなく米国

先日のソフトバンク基調講演にもありましたが、こういった技術開発については日本は遅れています。ここに面白いデータがありますが、米国は物理データのデジタル化において半数以上が「十分な成果が出ている」といった結果ですが、日本ではその半数以下の17%。

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ここまでを見ても、DXを推進する上で参考にしないといけないのは国内企業ではなく米国などの海外でのDX事例、なのかもしれませんね。

まずはやってみるアジャイル開発をヒントに

そしておそらくもう一つ大きいのは、こういった変化に対しての受け入れ姿勢です。「アジャイル」といった細かな対応を受容できるかどうか、になります。

変化の激しい現代において、数年後のイメージを現時点で固めきることは至難の業です。日本においては何かが起きたリスクや完成形を開発当初に決め切る風潮が多いように感じます。

一方、アメリカではアジャイル開発に対してやや受容的で、あたらしい文化に対しての「トライ」を含めた取り組み姿勢が強いのかもしれません。

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つまり、日本のDX推進を進める上では、完成したら入れる、のではなくアジャイル的にできるところからどんどん変えていく、という姿勢をDX推進関係者は行なっていくことが現状を打破できる一つのきっかけかもしれませんね。

そしてさらには影響力のある人間からのトップダウンとしてDX推進を進める、というのがさらに加速させる秘訣だと比較調査結果から見えてきました。

ちなみにアジャイル的に何から進めたらいいのか、というと各サービスごとの利活用変化も調査されていました。

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面白いのは、ZOOMなどのweb会議コミュニケーションツールやSaasの利用、電子決済などは両国対して差がありませんでした。つまり業務において全てが遅れている、というとそうでもない、と。

一方顕著に出たのは「営業のオンライン化」や「販売チャネルのオンライン化」「採用活動のオンライン」「ゼロトラストセキュリティ」「AR/VR」あたりが顕著に出ました。

「営業のオンライン化」や「販売チャネルのオンライン化」「採用活動のオンライン」については元々対面で行われることが当たり前だった中で、環境変化への対応速度に違いがあったと思われます。最近ではオンライン面接なども進み徐々に大手企業から浸透してきつつあるのかもしれませんね。

AR/VR」では以前記事にも取り上げましたが、この領域は米国がかなり進んでいます。こういった技術を構築できるエンジニアもかなり不足していて、ある意味ビジネスチャンスかもしれません。

DX推進の遅れを、一人一人の意識から取り戻す

今回は民間企業比較として両国のDX推進状況の違いを見てきました。結果としてかなり米国に遅れをとっていて、高齢化が進んでいる日本にとってはかなり寂しい未来になるとすら予想されます。

ここについては一人一人の意識を変えていくことで未来を変えていきたいですね;;

次回は「デジタル時代の人材」第二弾について解説していきます。




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