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ファッション好きに選ばれるのはどっちだ?!「ZOZOTOWN」VS「RakutenFashion」

突然ですが、ネットショッピングをどのくらい利用しますか?
私は、日用品も子供服もほぼネット、自分の服も昔に比べるとずいぶんネット上で買い物することが増えました。

感染症の流行により、目的もなく出かけてウィンドウショッピングをする機会が圧倒的に減り、その代わりに家で完結するネットショッピングにシフトした人は多いと思います。
空き時間にポチポチできるネット上の買い物は時間の有効活用にも繋がりとても便利ですよね。

以前は、「やっぱり服は一度着てみないと!」という意見も多く聞かれましたが、今は無料で返品ができたり、口コミが見られたり、フリーサイズの服が多いこともあり、ネットで服を買うのも怖くない時代になりました。

Knowns Bizの調査によると、アパレル通販サイトの認知率上位は「ZOZOTOWN」(認知度85.0%)と「Rakuten Fashion」(認知度50.6%)です。

アパレル通販サイトの認知率ランキング(Knowns Biz調べ)

現在認知度に差はあるもののRakuten Fashionは確実に売上を伸ばしており、ZOZOTOWNからRakuten Fashionへ移行しているユーザーがいることもKnowns Bizの分析により判明しました。
ZOZOTOWNがひとり勝ちだった業界ですが、Rakuten Fashionがめきめきと成長し業界を盛り上げています。

数多くのファッションECサイトの中でZOZOTOWNとRakuten Fashionが業界を牽引している要因はなんなのでしょうか?
最後まで読めば、その理由がわかります。

では、項目別にZOZOTOWNとRakuten Fashionを比較し、その秘密に迫っていきましょう。


年齢層

ZOZOTOWNの顧客分布
Rakuten Fashionの顧客分布

ZOZOTOWNのユーザーの方が全体的に若い傾向があります。Rakuten Fashionは40-44歳が抜きん出ています。

≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫

取り扱いブランド数

ZOZOTOWNもRakuten Fashionも巨大なモール型のオンラインショップである点で共通していますが、取り扱っているブランド数には現在大きな差があります。

ZOZOTOWNは加盟ブランド数が約8500と非常に多く、他のサイトを圧倒しています。
インフルエンサーが立ち上げた新規ブランドやデザイナーズブランドなどの誘致にも積極的で、流行に敏感な若い世代や、ファッション好きの間では欠かせないプラットフォームになっています。

一方Rakuten Fashionは加盟ブランド約2800とZOZOTOWNと比べると少ないですが、大手セレクトショップや企業が展開するブランドなどを中心に取り扱っており、ハイブランドも次々と加盟しています。

元ファッションスタイリストの筆者はよく東京ファッションウィークに招待していただいていたのですが、ファッションウィークのスポンサーが「メルセデスベンツ」→「アマゾン」→「楽天」と短期間にどんどん変わり驚いたのを覚えています。
ハイファッションにも力を入れたことで、楽天自体も洗練されたイメージになりハイブランドの誘致に成功。これはファッションファンからの知名度・注目度をグンと上げることにつながりました。


枝分かれサービス

ZOZOTOWNは、ZOZOUSED(古着)やZOZOCOSME(化粧品)、ZOZOSHOES(靴)など専門サイトを設けています。
特に、ZOZOGLASSをつかってパーソナルカラー診断ができたり、ZOZOMATで足型を計測できたりと画期的なサービスはZOZOならではと言えます。

※ZOZOSUITのサービスは現在終了しています

実際に私も学生時代は、憧れのデザイナーズブランドを新品で買うにはお金が足りずZOZOUSEDを利用したことが何度もあります。
梱包が丁寧で状態もよく、古着でも新品を買ったときのようにワクワクしたのを覚えています。

一方Rakuten Fashionはもともと楽天市場から派生したサービスです。
楽天自体は、モバイル、トラベル、でんき、ビューティー(予約サイト)など生活周りのサービスを幅広く網羅していて、楽天経済圏だけでひととおり生活ができてしまうほどです。


送料 返品 配送

ZOZOTOWNは一律250円(2022年8月17日より値上がりしました)返品可能期間は7日。
値上がりしたとはいえ他サイトに比べると良心的な値段設定です。
発送は最短で注文当日、遅くとも3日以内とされています。

送料無料のシステムはありませんが、例えば「SNSでバズっているあれがほしい!」と思った時に、ブランド公式サイトや百貨店のショッピングサイトでは送料が高い。地方に住んでいて近場では手に入らない。という場合ZOZOTOWNで購入することができれば安い送料で、売り切れる前に手に入れることができるわけです。

楽天は基本一律550円ですが、3980円以上の購入で送料無料です。返品可能期間は16日とZOZOTOWN より長い設定です。
在庫があれば、1-2日で発送となります。取り寄せてから発送のものは目安の時期が明記してあります。

確かに服を買う場合3980円という送料無料ラインはハードルが低いですが、3800円くらいのものが欲しい場合、送料を払うくらいなら!と買う予定の無かったものもカートに入れ総額が5000円に。なんて経験は筆者も何度もあります。

どちらがいいかは人によりますね。時と場合にもよります。

ポイントや割引

対象商品をZOZOカードで支払った場合5%のポイント還元があります。以前はZOZOカードでなくても会員ならばポイントが着きましたが、規程が変わりました。
貯まったポイントは1ポイント=1円としてZOZOの中でのみ利用でき、有効期限は90日です。ZOZOのヘビーユーザーならば、ポイントの恩恵がかなり大きいといえます。
また、タイムセールや限定クーポンなどお得なタイミングを狙って買い物をするととても安く購入できます。
「24時間限定セール」や「あなただけのクーポン」など特別感を演出することで購買につなげています。

このように、Knowns Bizに寄せられた口コミを見ると、セールやクーポンのサービスが好評です。

楽天はというと、キャンペーンや個人の楽天の利用状況によりポイント還元率が変わってきます。
スーパーDEALやポイント5倍デーなどのキャンペーン期間に利用すれば15%、20%、ときには50%など驚愕のポイント還元率を叩き出すこともあります。
貯まったポイントは街の買い物をはじめ楽天市場での買い物、(契約していれば)携帯の支払いなどフレキシブルに利用できます。
ポイント還元率と利便性の良さが最大のメリットと言えます。

Rakuten Fashionの口コミは、ポイント還元率についてプラスの意見が大半を占めていました。


顧客の特徴

Knowns bizのソシエタス分析を見てみます。

ZOZOTOWN顧客のソシエタスクラスター分析(個人的価値)
Rakuten Fashion顧客のソシエタスクラスター分析(個人的価値)

ZOZOTOWNでは、"倹約家"、"チャレンジャー"、"田舎派"の項目が上位にきています。
前澤前社長の頃からのチャレンジ精神やZOZOTOWNというブランド自体が持つワクワク感が顧客の価値観と合致しています。

Rakuten Fashionは"共感重視"、"一徹凝り性"が上位です。
ZOZOTOWNの顧客の価値観では"自己愛強め"という項目があったり、下にある社会的価値の分析結果でも"ゴーングマイウェイ"が上位にあるのを見ても、Rakuten FashionとZOZOTOWNの顧客には価値観の違いがあると見てとれます。

ZOZOTOWN顧客のソシエタスクラスター分析(社会的価値)
Rakuten Fashion顧客のソシエタスクラスター分析(社会的価値)

ZOZOTOWNもRakuten Fashionも"ワーカホリック"、"出世優先"が共通しており、仕事が生活の中心となっている忙しそうな顧客が多く存在しています。

ZOZOTOWNは"ポジション重視"や"おりこうさん"、正義マン"など個人や自分にフォーカスした項目が目立つのに対し、Rakuten Fashionは"社会貢献努力"や"関わり面倒"、"自分より家族優先"など周りに目を向ける人が多い印象です。上述の個人的価値でも"八方美人"や"共感重視"のパーセンテージが高いのは、周りの目を気にする性質の現れと考えられます。

ZOZOTOWN顧客のソシエタスクラスター分析(消費的価値)
Rakuten Fashion顧客のソシエタスクラスター分析(消費的価値)

消費的価値の分野では、ZOZOTOWNの"直感消費"とRakuten Fashionの"定番消費"の違いは見逃せません。
また、"ジャケ買い消費"が両方とも入っています。これは、大規模なモール型ECサイトでは、所謂ウィンドーショッピング的な(明確な目的を持たず買い物に行き、ときめきで購買に至るような)使い方をする消費者も増えており、今や買い物に出かけなくても家にいながら、情報収集、ストレス発散、気晴らしから購入まで、ウィンドーショッピングで得られるような満足感が得られるようになったということだと思うと、とても便利な時代ですね。


ZOZOTOWNの顧客離反とRakuten Fashionへの移行

ZOZOTOWN購買経験率次回購買意向率共に横這い
ZOZOTOWN離反15.9%
ZOZOTOWNから離反した消費者が利用しているサービスランキング

2022年度4-6月のデータによると、楽天市場におけるファッションジャンルの流通総額は年間で2662億3000万円、ZOZOTOWNが1010億4300万円で、Rakuten FashionがZOZOTOWNの2.6倍以上でした。実際に上記の資料のように、ZOZOTOWNの離反のパーセンテージは15.9%で、”過去にZOZOTOWNで購入していたが現在はRakuten Fashionで購入している”消費者が多いことが結果に出ています。

ZOZOTOWNからRakuten Fashionへ移行する消費者がいる理由として考えられるのは、
1. ZOZOTOWNのポイントシステムが悪くなった。対するRakuten Fashionのポイントのたまりやすさと使いやすさ。
2. ZOZOTOWNの送料が高くなった。
3. Rakuten Fashionの加盟店増加。
の3つです。

Rakuten Fashionで取り扱いのあるブランドで3980円以上のものを購入するのであれば送料が無料になるので、ポイント還元率も含めRakuten Fashionを利用するメリットが高いといえます。
加えて、加盟店が続々と増えているのでこれまでZOZOTOWNでしか取り扱いのなかったブランドも買えるようになると、楽天経済圏で消費活動をしている人がRakuten Fashionへ移行するのも頷けます。

それでも、ZOZOTOWNが、ハイブランドからセレクトショップ、若手ブランドまで網羅した莫大なブランド数を抱えていることは事実で、国内最大のファッションECであることは揺るぎません。
最先端のもの、めずらしいもの、人と被らないものが好きなファッション好きな消費者からは熱い支持を集めています。

また、ZOZOTOWNの人気の波をつくる理由として挙げられるのは、前澤前社長の存在です。
前澤氏が社長をしていた時にはアグレッシブに色々な挑戦をしていたが、退いたあとは安定を求めるビジネスへシフトしZOZOTOWNがつまらなくなったという意見もあります。

余談ですが、アパレルECサイト(モール型)ではZOZOTOWNとRakuten Fashionが2大プラットフォームであることは大前提として、他にあげられる競合としてshoplistやアイルミネ、うさぎオンライン、フェリシモ、パルクローゼットなどがあります。SNSをうまく活用(スタッフ着用写真や、スタイリングアドバイスなどをコンスタントに供給)しており、若い世代を取り込んでいます。

Rakuten Fashionから離反した消費者が利用しているサービスランキング


今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ

まとめ:ZOZOTOWN、Rakuten Fashionの強みと人気の理由

ZOZOTOWNの強み
1. 加盟ブランド数
2. 無料にはならないが、業界最安値の送料設定
3. チャレンジングな姿勢

Rakuten Fashionの強み
1. ポイントの還元率と利便性(ポイ活)
2. 送料無料ラインの設定
3. ハイブランドの参入

それぞれの良さがあるのでケースバイケースで賢く使い分けたいですね。

ZOZOTOWNとRakuten Fashionで共通している人気の理由
1. 実店舗では実現不可能な数のブランドを比較検討して購入できるモール型のショップであること
2. 知名度や信頼度、安心度の高さ
3.即日発送などの対応の速さ

国内トップクラスの市場規模はもちろん、大手ということだけあってフォローの体制や発送スピードなどの全体のサービスクオリティが評価され、企業としての信用性につながっています。
ファッションECを含むアパレル業界は長い間ずっと不景気と言われていますが、こうして立ち止まらず新しいサービスを積極的に提供し力強く業界を引っ張っていく存在はとても心強いですね。

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