高級志向へ??リニューアルでイメチェンの東京ドームシティ・ラクーア
こんにちは。ライターのSakai Natsumiです。
巷ではディズニーランド40周年のニュースが話題になっていますが、実は都会の遊園地東京ドームシティもラクーアの20周年を機に大規模リニューアルが進行中でザワついているんです。(ディズニーは他の記事でも取り上げています!気になる方はこちら)
ちらっと新規入店する店舗を確認してみると、今までより高級志向、意識高い系のお店が多いという印象を受けました。
新しく入るお店は何なのか?それによりどのように変わろうとしているのか?Knowns Bizのデータを用いて紐解いていきたいと思います。
ラクーア20周年のリニューアル
注目のDELI&DISHゾーン
個人的に1番楽しみなのは、ラクーアのDELI & DISH ゾーン。デパ地下的なショップがたくさん入る模様です。
上の画像以外にもまだまだ入る店舗があるので、かなり充実したエリアだと思います。
ちなみにリニューアル前に同じ場所にあったのは、ケンタッキーフライドチキン、東京純豆腐(スンドゥブ鍋屋さん)、リトルマーメイド(パン屋さん)。全てイートインでした。
そこと比べると高級感、レア感のあるお店のラインナップが中心になるのかなと感じます。
同じパン屋さんのビゴの店とリトルマーメイドを比較してみると、バタールこそはビゴの店が345円(税込)に対しリトルマーメイド324円(税込)とあまり差はありませんが、クロワッサンはビゴの店324円(税込)リトルマーメイド216円(税込)と100円以上高いことが判明。ソーセージのパンはビゴの店がリトルマーメイドの倍の価格です。
また、ビゴの店はシンプルなハード系パンが多く(カヌレやガレットブルトンヌなど焼き菓子も人気な様子)、リトルマーメイドは惣菜パンの種類が豊富なようです。
イメージについて言えば、ビゴの店は添加物を使わずこだわりのパン作りをしており、リトルマーメイドと比べると店舗数も少なく、特別感のあるパン屋さんといったイメージ。
リトルマーメイドは全国265店舗と非常に多く、駅ビルやイオンなどのショッピングモールに入っていたりと皆さんもよく見かけると思います。
HPでは商品を使ったアレンジレシピを公開しており、親しみやすく庶民的なイメージがあり、マスターゲットな印象を受けます。
同じくDELI&DISHに入る「千駄木腰塚」。名前にもある千駄木に本店を構えるコンビーフが有名なお店で、マルイやエキュート、ソラマチ、西武デパート、東武デパートなどどんどん店舗数を増やしている人気店です。
こんなに有名になる前から千駄木周辺の住民の間では名が知れていたわけで、ラクーアに入ると聞いて歓喜の声をあげている人も多いと思います。
なぜかというと、ラクーアから千駄木というのは直線距離はそんなにないものの、坂を登って下っていかなければいけないのです。。それもかなりの急で長い坂道です。笑
そのため、その山を越えてまで買いに行かなくてもおいしいコンビーフが買えるというのは、(手土産などにも重宝する)周りの住民にとっては結構大きなことなのではないかな、と思います。
このエリアには、他にもつい散財してしまいそうなおしゃれなお店、美味しそうなお店が沢山入るので盛り上がりが楽しみな一角になりそうですね!
食べログ上位の店多数!!
上記のDELI&DISHをはじめとし、ラクーアには「AKOMEYA」「KALDI」「キルフェボン」など飲食店、スイーツ店、飲食小売店が多く新規入店となっています。
すでに成城石井の大型店舗がありますが、それに加えてKALDIとAKOMEYAが入るとは、個人的にはかなり攻めてるなと思いました。
キルフェボンもそうですが、所謂"特別感""ご褒美感”を感じるような飲食系が充実することにより、コロナで習慣化したおうち時間へのアプローチも図れそうですね。
またミシュランひとつ星を12年連続獲得した点心レストラン、「ティム・ホー・ワン」のオープンも話題になっているようです。
入店予定のお店を並べると食べログ高評価店がずらっと揃いました。圧巻です。
飲食に関して言えば、全体的に上質で本物思考のお店がずらっと並んだといった感じでしょうか。その中でも流行りや話題性は大事にしているといった印象です。
リニューアルの狙いはイメージを一新??それとも強化??
他より少し弱い"ワクワク"の転換と"リラックス"の補強
東京ドームシティといえば、東京ドームがあり(野球・ライブ・イベント)、遊園地(アトラクション)があり、アソボ〜ノで子供を遊ばせ、ヒーローショーが見れて、アニメグッズが買えて、ゲーセンがあり、ボウリングやバッティング、卓球、ボルダリングなど室内で体を動かして遊べて、馬券を買えて、スパで癒され、ラクーアで買い物と飲食をし、、、
何でもある、というかもはやカオスな都会のレジャー施設です。笑
認知率は約54%に留まっていますが、満足度は3.92と高い数値を記録しています。逆に言えば、認知率を上げることが課題と言えそうです。
7Journey分析を見ると、その課題の内容が具体的に見えてきました。
潜在顧客が(認知しているけれど、チャンス+きっかけ待ちの層)36.9%いること、また未認知が45.8%いることがわかります。
リニューアルで獲得すべきところは潜在顧客の引き寄せと未認知層へのアプローチといったところでしょうか。
Knowns Bizのイメージ分析では、現状東京ドームシティは"期待感・ワクワク"のイメージが一番にありますがレジャー施設全体では平均以下でした。(同じ”レジャー施設”ジャンルの中で認知率1位のディズニーランドと比べると顕著に差が出ています。)
東京ドームシティのイメージ類似ブランドであるナガシマスパーランドのイメージ分析でも、"期待感・ワクワク"のパーセンテージが39.6%と若干ですが東京ドームシティ(35%)を上回っています。
新規入店するショップのイメージ分析を見ると、これを機にワクワク感をもっとあげていきたいのかな?と思いました。
いくつか例に挙げると、、
すでに紹介したキルフェボンや、カルディに加え、飲食以外の新店舗として入ったウサギオンラインも、3COINSも、"期待感・ワクワク"の項目が1位か2位になっています。導入店舗のイメージを集めて東京ドームシティ全体のイメージが底上げされると狙い通り!という感じでしょうか。
また、他に注目すべきイメージのポイントとして、例に挙げたブランド全てに"リラックス"という単語が入っています。それは既存のスパラクーアに対して持たれているイメージとも一致しています。
ちなみに、このリニューアルでスパについては岩盤浴エリアの拡張やテラスのフットプールを導入、女性ターゲットの部屋を増設とかなり力を入れています。"期待感・ワクワク"と”リラックス”のイメージがより強くなっていくことを期待したいですね。
以上のことから、リニューアルで"期待感”や”ワクワク感"のアップと"リラックス"=癒しや非日常を与える施設へという狙いが伺えます。
既存のイメージの方向性はそのままに、よりそのイメージを確立していく。コンセプトを強める。そういったプロデュースだと思います。
話題性の高い新施設やワクワクなリニューアル
ワクワク感という点では、巨大LEDパネルの設置や吉本新劇場においてもその効果が狙えますね。
東京ドームの座席も、エキサイトシートエリアが拡張したり、グループで観れるソファ席を設置したりとこちらもリニューアル。
ドームホテルでは、コンセプトフロアも誕生したようです。(アニメキャラクターの部屋や読売ジャイアンツルームなど)
東京ドームシティ全体のエンタメ性がアップするということで、楽しみですね!
現時点の東京ドームシティとラクーアの顧客についてですが、Knowns Bizの分析結果によるとやや男性の方が多く、35~39歳が最も大きな割合を占めています。
新規店舗を見ると、どれも女性顧客の割合の方が高いショップが並んでいます。
高級感がアップ=価格帯が上がるので、ターゲットは30代以上がメインですが、ウサギオンラインのような少し若いイメージのショップも、前載したイメージ分析では"ラグジュアリー・贅沢"の項目が上位に来ており、"高級感"というイメージをステイさせています。
前述したように、スパラクーアも以前より女性ウケを考えたものにリニューアルされています。新店舗のラインナップを全体的に見ても、女性の顧客を増やそうという意図が見える気がしますね。笑
今までの顧客分布ではスパも東京ドームシティも男性の割合の方が大きかったので、今回の大規模リニューアルでの大きな改革は、女性をターゲットにする方向へ大きく舵を切ったことなのかなと感じました。
高級化の理由として考えられること
文京区の端、千代田区に入るギリギリのところに建つのが東京ドームシティです。文京区というのは、23区の中でも比較的家賃が高いと言われる地域です。(無論、千代田区もすごく高い。)
文京区の中でも東京ドームシティのある春日や水道橋、本郷三丁目駅付近はさらに高いと言われるエリアです。
加えて、最近東京ドームシティの目と鼻の先にできた超高級マンションが高級化に影響しているとも考えられます。
こちら億ションでございまして、今売りに出ているものをチラッと覗くと、、
賃貸も出ていますが、、
こんな感じの高級物件なのです。。
それに合わせてというわけではないですが、地元の方たち(土地柄と億ションによって高所得者が多い)にとっても使いやすい施設。つまり、飲食系のお店は普段の買い物の場や手土産を買ったり、おうち時間の充実のためなどの目的で日常遣いでき、休日には地元の人はもちろん遠方から遊びに来る人たちがレジャー施設としてワクワクしたり、日頃の疲れを癒しにリラックスしたりできるような施設へと生まれ変わるのかなと思いました。
まとめ
新店舗を見た時の印象は「キラキラ感が増すなあ」くらいのものでしたが、Knowns Bizの分析を通して深掘りすることで、よりリニューアルの狙いが見えて来ました。
その狙いとは
高級感、特別感アップ→価格帯アップ。口コミの良い美味しい飲食店を揃える。
女性へのアプローチを強化→スパ施設を女性受けに。また、スイーツや飲食など女性顧客をもともと持っているショップ、ジャンルを入店。
ワクワク感、リラックス感のイメージを強化→エンタメ性アップ。”ご褒美利用”できそうなショップを入店。
近隣のリピート利用客を増やす→"デパ地下的な"ゾーンの導入。日用品が買える。(KEYUCA、3COINSなど。)
などが大きな柱かなと思いました。
子供の時は親に連れて行ってもらい、だんだん親なしで行くようになり、彼氏彼女とデートで行き、結婚して子供が生まれたらまた子連れで訪れ、、
平日は買い物をして、休日はレジャー目的で行って、、
幅広い人が色々な目的でやってくる、そんな都会の遊園地東京ドームシティ。
ラクーアの20周年を機に、かなり大規模なリニューアルをしたということで、まだまだ勢い止まぬイケイケの施設だと思います。
今後どのように進化していくのか、どんな風に我々をワクワクさせてくれるのか、とても楽しみです!
筆者のひとこと
丸の内サディスティックって歌あるじゃないですか。
歌詞に「後楽園」が出てくるんですよね。
東京ドームシティの最寄駅のひとつ。丸の内線、後楽園駅。
前に、日本語を勉強している外国人の友人から「後楽園てナイトライフ的な街なの?夜遊びするところ?」と聞かれたことがありました。
その子は椎名林檎が好きでした。で、丸の内サディスティックという曲を通して後楽園という地名、その存在を知ったわけなんですけども。。
確かに歌のイメージが結構アダルトだし、後楽園って名前的にも後の楽園てちょっと夜の街感漂ってますよね。
それを聞かれた時には、まさに外国人ならではの視点!と驚きましたが、確かに後楽園って「吉原遊郭」的な場所って考えてもおかしくない漢字の並びだなって思ったのを覚えています。
東京ドームシティは後楽園の顔とも言える施設です。
その友人に、後楽園ってこんな場所なんだよと見せてあげたいです。
ドームで椎名林檎のライブがある日はちょっとアダルティな雰囲気になるかもしれませんが、昼間アソボ~ノや芝生広場で遊ぶ子供たちを見たら、どこがナイトライフやねん!て思うことでしょう。笑
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