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江戸時代から、とっくのとうに分かっていたタバコのこと。

「養生訓」を著した江戸時代の医師、貝原益軒をご存知ですか?

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彼はその中で、タバコについてこう書いています。

たばこは近年、天正・慶長の頃、異国よりわたる。痰婆姑(たんばこ)は、和語にあらず。蛮語也。近世の中華の書に多くのせたり。又烟草と云う。朝鮮にては南草(なんそう)と云う。和俗これを、莨とう(ろうとう)とするは誤まれり。莨とうは別物なり。烟草は性毒あり。烟をふくみて、めまひ倒るる事あり。習へば大なる害なく、少しは益ありといへども、損多し。病をなす事あり。又火災のうれひあり。習へばくせになり、むさぼりて、後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初めよりふくまざるにしかず。貧民は費(ついえ)多し。
(後半部分和訳)
たばこには毒がある。煙をのんで目がまわってたおれることがある。習慣になると大した害はなく、少しは益があるというけれども、損のほうが多い。病気になることもある。また火災の心配がある。習慣になるとくせになって、いくらでもほしくて後になってはやめられない。することが多くなり、家の召使いを骨折らせてわずらわしい。はじめからのまないにこしたことはない。貧民は失費が多くなる。

現代ほど研究の環境も整っていない時代なので、ほぼ経験的に書かれたものなのかもしれませんが、結構正確にタバコの害について説明されています。

オリンピックに向けて、タバコの規制もどんどん強化されています。タバコを吸われる方は、禁煙のいいきっかけになるかもしれないですね。

そういえば、3.11の震災後、福島から遠く離れた場所で、タバコを吸いながら放射能の発がん性について批判的に語っているおじさま達を見かけました。

いやいや!タバコだって相当危ないから!自分にも他人にも!

と、思わずツッコミそうになりました。



(以下、参考にさせていただきました)
①松田道雄訳、中央公論新社(中公クラシックス)、ISBN:4121600851(2005年)
②あいち健康プラザホームページ​


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