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宮崎。

あっという間に、夏が過ぎていった。

軒先に咲いていた朝顔がもうシワシワになり、蝉の鳴き声もとっくに聞こえなくなった。


福岡から宮崎までバスで5時間。
宮崎駅では友人より先に大雨が僕を出迎えた。


それにしても8月末の宮崎は悶えるような照り返しと暑さである。
友人はえびのと日南と青島に連れて行ってくれた。
長年の友と毎年ここで夏を感じられることに、感謝しかない。


帰宅後、彼の父親がお肉を振る舞ってくれた。

食事の前に天を見上げ、彼のお母さんとも乾杯した。
今頃横にいらっしゃったら、いつものようにサンチュを頬張っていただろうに。。



お腹と心を満腹にして、宮崎でのひとときを過ごした。


家を出発する時、友と固い握手を交わした。

臭い台詞なんかいらない。
明日を強く生きようと、お互いに誓った。

胃を侵され、我々の卒業を見届けることができなかったお母さん。仏壇に博多通りもんを添えて、僕は駅へ歩き出した。


電車に乗る刹那、マンゴーのジュースを買った。
朝8時。見上げると、満天の青空だった。


乾杯。ありがとう。



宮崎駅へ向かう電車が、ゆっくり動き出した。

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