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何としてでもスーパーに行きたくない管理栄養士が、乾物に頼って作るごはん

小さい子どもがいるとスーパーに連れて行くのも一苦労ですよね。
できるだけ頻繁にスーパーには行きたくないものです。

もともとの性格がズボラなので、何とか今ある食材で料理をしようと、スーパーに行くのをしぶってしまいます。

わたしは管理栄養士で仕事では献立作成も行っていますが、家の献立についてはあらかじめ考えて買いものすることが苦手です。
何度か献立を決めてまとめ買いに挑戦しましたが、その日になると作りたいものや食べたいものが変わり、結局今あるもので料理をするように戻ってしまいました。

そんなわたしは、ストックしている乾物に助けられています。

「食材が冷蔵庫になくて何を作ればいいかわからない!」「時短でも満足感のある料理を作りたい」
そんな人の参考になればと思い、持っておけば何かと役立つ乾物をまとめてみました。いつもの買いものや料理が少しでもラクになればうれしいです。

乾物って何?

『野菜や海藻類、魚介類などの食材を乾燥させて、水分をカラカラになるまで抜き、常温で数カ月以上の長期保存をできるようにした食品のことです。』

乾物:農林水産省 (maff.go.jp)

乾物は、むかしの人が長期保存できるように考えられたもので、古くから日本独自の保存方法として知られています。

乾物の代表的なものといえば、切り干し大根や高野豆腐、わかめ、煮干し、干しシイタケなどでよくスーパーでも見かけますよね。

なぜ乾物を常備しているか

1.栄養が豊富

乾物は干してつくるため、栄養や旨味を凝縮するので生の野菜よりも栄養がたっぷり!
また、乾物づくりで行う天日干しは、食品によっては栄養素が変化しアップします。
たとえば、干しシイタケは紫外線を浴びると、ビタミンD含有量が増えます。

2.長期保存できる

乾物は乾燥しているので、軽くてコンパクト。保存場所を取らないので賃貸ぐらしの狭い我が家にもピッタリなのです。

3.包丁いらずのものが多い

そして乾物は、そのままお湯か水に戻したら使えるものも多く、包丁いらずで調理できるのがズボラにとってうれしい点です。


ズボラにうれしい、役立つ乾物5選

ここから、わたしが常備している乾物を活用方法とともに紹介します。

1.切り干し大根

切り干し大根は名の通り「大根」からできています。

ビタミンB群やカルシウム、鉄分、食物繊維も豊富で、その栄養は生の大根を上回る栄養がたっぷり。

これを使わない手はありません。

汁ものを作る際も、サッと洗い、そのまま鍋に入れて茹でておけばあっという間に火は通ります。

汁にその他の食材も入れ味噌を入れれば、簡単に短時間でみそ汁の完成! (キッチンばさみなどで切り干し大根の長さは、食べやすい長さに切ってくださいね。)

また、汁ものだけでなく和え物やサラダにも使えます。

わたしは、切り干し大根を煮物として使うよりも、和え物やサラダで食べるほうが、ポリポリとした食感も残っていて好きです。

水に戻した切り干し大根とツナ、ごま油、塩昆布、ポン酢を和えるだけでポリポリと噛み応えもあるさっぱりとした和え物に仕上がります。

中華調味料とおろしにんにくで和える、中華系の味付けにしても相性抜群です。

冷蔵庫に野菜がない! というときにも、栄養価が高く、サッと取り入れられる点が常備したい理由です。

2.春雨(はるさめ)

春雨は緑豆やじゃがいも、さつまいもなどのでんぷんから作られている食材です。

弾力もあり、腹持ちもよいのでよくダイエットレシピなどにも取り入れられていますよね。

先ほどの切り干し大根と同じように、下処理の手間もなく時短調理におすすめの食材です。

そして、春雨は汁に入れるだけで満腹感がある汁ものへと変身させてくれます。

カットわかめや、春雨、中華味で味付けすれば簡単に中華スープが仕上がります。

また彩りや野菜が足りないと思ったときは、トマトやコーンなどを入れれば彩り豊かな栄養満点のスープができあがります。

たんぱく源が足りないと思えば溶き卵を加えたり、ささ身の水煮缶(こちらも長期常備可能)を入れるのも手間なく作れてたんぱく源もとれるスープの完成です。

春雨は汁ものだけでなく、献立のメインにもなるチャプチェも作れるのです。

冷蔵庫の中にかさ増しできるような野菜が他にない! 肉が少し少ない、などのピンチの時も、チャプチェなら気にならず、満腹感を得られます。

チャプチェは、ひき肉や豚肉スライスなどのお肉と、細切りしたニンジンやピーマン(ほうれん草でもある野菜でOK)をごま油で炒めます。
さいごに茹でた春雨を入れ、砂糖:醤油=1:1くらいの割合で味付けすれば完成!

むずかしい調味料の配合もいりません。

多く作りすぎた翌日は、余ったチャプチェを春巻きの皮で包み揚げれば、おいしい味付き春巻きに変身!

3.高野豆腐

高野豆腐といえば、たんぱく源の豊富さと食感からお肉の代わりにもなるとして代用されることも多いです。

高野豆腐を使えば煮物以外にもヘルシーなとんかつも作れるのです。

高野豆腐と調味液(めんつゆでOK)レンジで加熱します。あら熱をとり、煮汁を軽く絞りましょう。

そのあとは、とんかつを作る工程と同じように小麦、卵、パン粉をつけて揚げていきます。

高野豆腐はもう形になっているので、お肉のように形が崩れることもなくスムーズに衣がつきやすいです。手が汚れることも、散らかることもお肉で作るよりも最小限で済みます。

もう一ついい点として、お肉のように火が通ったか心配する必要がありません。一度加熱しているので、揚げ焼きのような少量の油で作れます。

また、高野豆腐に味がしみ込んでいるので、ソースなど余分にかけなくてもおいしく食べられるので、余分な塩分をカットできます。

時間の余裕と、お肉のスライスが冷蔵庫にあまっているときには、高野豆腐に豚ももスライスなどを1枚巻いてから、衣をつけ揚げるとよりボリュームと肉感も出ておいしく召し上がれますよ。

4.わかめ、ひじきなどの海藻類

海藻は、ミネラルや鉄、食物繊維も豊富で、生活習慣病の予防や便秘解消にも効果的な食材といわれています。

健康のためには積極的にとってほしい食品です。

普段の生活の中で、たんぱく質や脂質を気にしている人は多く見かけますが、海藻類について意識している人はあまり見かけたことがありません。

海藻ミックスなどの乾物商品もありますが、そのような商品を使い海藻サラダやみそ汁などに入れても使いやすいです。

わかめを使った好きなレシピといえば、
コロコロに切ったアボカドと茹でタコを、わかめとオイスターソース、マヨネーズで和えるレシピはなかなかおいしいですよ。

同じ海藻類のひじきには、鉄分が豊富に含まれています。
ほうれんそうとひじき、にんじん、コーン、ツナなどを、砂糖・しょうゆ・マヨネーズで和えれば、子どもでも食べやすく鉄分がとれるサラダになります。

5.かつお節

かつお節はいろいろな料理にうま味を追加してくれます。

あと1品! の和え物などを作るときに青菜とツナ、ポン酢やマヨなどで和えると大体おいしい感じに仕上がるのでツナを使うことも多いですが、ツナ缶を切らしているときもあります。

同じ魚のうま味がたっぷりのかつお節で和えても、ツナと同じようなうま味が増して食も進みます。

大根しか入っていない大根サラダに和えるだけでも、美味しく仕上がりますし、新玉ねぎをスライスしてつくるサラダはかつお節で和えてポン酢をかけるだけでおいしく食べられますよ。

夫に関しては、もはやかつお節かツナか分かっていないような気がします…。

自分なりの時短レシピを見つけていこう

少しでもラクしたい!の気持ちから、長期保存ができ栄養もとれる乾物の活用をはじめました。そして、自分なりの簡単時短レシピが増えていきました。

そんなレシピを1つでも持っておけば、
時間がない! 買い忘れてた! に対応できるようになっていきます。

時には、夫に「よくこの食材がすっからかんの冷蔵庫からご飯作ったね!」と驚かれます。自分自身も、ムダなく食材を使い切れた時には達成感があります。

みなさんも常備している食品や、おすすめレシピがあれば教えてくださいね♪

まずは自分ができることからはじめ、日々の料理を自分なりに楽しんでいきましょう!


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