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藤井風の「青春病」で、中高年が人生を振り返るお話

*2021/10/3作成

最近のぼくの好きな歌手の一人に藤井風(ふじい・かぜ)という、岡山出身、24歳の男性シンガーがいまして(*作成当時)。
彼の「青春病」という曲の歌詞にびっくりしたので、今回はその曲について書こうと思います。

ちょっと、歌詞を見ながらだと、分かりやすいと思うんですが。
→ 歌詞ページ:https://www.uta-net.com/song/292952/

最初、この曲を聴きながらぼくが思った感想は。
「ふーん、20代の人の思う青春って、こんな感じなんだ~」
という感じで。
特に何も引っかからず、普通に聴き流してたんですが。

こないだの「関ジャム」でやってましたが。
なんと、この曲は、青春時代が終わったばかりの若者向けの歌ではなくて。
ずっと前に青春を終えた、40~50代の中高年をイメージして作った歌なのだとか。

で、中高年の、つまりはぼくらの目線で、もう一度さっきの歌詞を読んでみると、ビックリ!
「う~わ、スゴイ!」と声に出しながら、グサグサ、歌詞に刺されまくってました。

特に自分の考えもナシに、タイミングが来てしまったので、周囲と同じように社会に出てはみたものの。
分からないことだらけで、ずっと走りっぱなし。
それでも、若いうちは、どこか輝かしい場所にたどり着けるのかな?という希望があったけど。
アレ?今はいい歳になったけど、まだ走り続けてるじゃん?
結局、どこへ行こうとしてるんだっけ?
一旦、止まった方がいいのかな?
アレアレ??よく考えれば、「青春」って終わってないんじゃん?
あ~ぼくはずっと、「青春病」の中にいるんだわ~。

・・っていう歌詞でした。
いや~中高年のリアルだよね~。
なんでこんな歌詞を、20代の若者が書けちゃうのよ?って思って、ビビりました。

特に、個人的に何度も見返してしまうのが、
「青春の病に侵され、はかないものばかり求めて、いつの日か粉になって散るだけ」
「こんなままじゃ、こんなままじゃ、僕はここで息絶える」
「止まることなく走り続けてゆけ、何かが僕にいつでも急かすけど、どこへ向かって走り続けるんだっけ?気づけばまた明ける空」
「切れど切れどまとわりつく泥の中に生きてる、この体は先も見えぬ熱を持て余してる」
の部分。

この歌詞を、ぼくの体験に照らしてみると・・。
青春の時間が終わって、社会に出ていきなり仕事をしなきゃいけなくなって、勢いにまかせて所帯を持って。
なんとなく、世間的にこれが幸せらしい・・といわれている方向に向かって、走ってみたけれども。
そんなものは自分の価値観とか人生観ではなかったので、いろんなものが行き詰って破綻してしまい。
結婚生活とか仕事とか精神的な安定とかが、見事に粉々に砕け散ってしまいました。

だから、一度走るのをやめて立ち止まって、自分のことをよく考えてみる時間が必要だったのだけれども。
ぼくの場合は、いいタイミングで運よく(?)、離婚とかウツとか退職(=クビ)とかで、強制的にストップがかかってしまって。
そのおかげでぼくは、自分のことをよく考える時間ができて、自分の進む道を自分の価値観や人生観に沿って選びなおすことができました。
・・というところに、深いシンクロ感を感じました。

でもまあ、よくよく考えてみると。
10代だろうが、20代だろうが、30代だろうが、40代だろうが、50代だろうが、60代だろうが・・。
どの世代であっても初めて経験することが必ずあって。
その度に、右往左往迷いながら、不安な状態で自分の行先を決めていく・・という意味で、「青春」的な状況はずっと続くわけで。

だから、ぼくが思うにこの曲のメッセージは。
「ぼくらは青春病からは逃れられない、開き直って受け入れれば?」
・・ってとこにあるのだと思うんですよね~。

こういうのは個人の体験の話なので、中高年の全員に、刺さる歌ではないでしょうけど。
一部の刺さるかもしれない方向けに、「青春病」のMVがあったので、貼り付けときますね。

藤井風「青春病」

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