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曇天の中でも決意新たに 熊大で卒業式 2308人が巣立つ

 熊本大学の令和5年度卒業式・修了式が25日、熊本県立劇場であり、天気には恵まれなかったものの、大学院生含め2308人が決意を新たに巣立った。
 小川久雄学長は式辞でロシアによるウクライナへの侵略、イスラエルによるパレスチナへの侵攻などの国際情勢に触れ、また今年度の卒業生が入学当初から新型コロナウイルスのパンデミックにより相当の制限を受けたことなどを踏まえ、「この経験は決して無駄になることはない」とした上で、「這い上がる強さを持ってほしい」と述べた。

各学部などの成績優秀者が表彰された卒業式・修了式=3月25日、熊本県立劇場

 文学部歴史学科の安武梨乃さんが卒業生総代となり、答辞を朗読。コロナ禍による入学式の中止、入学後丸1年以上に及ぶリモート講義、対面での友人との交流の断絶などを余儀なくされた大学生活前半を振り返りつつ、「高校生の時に思い描いていたものと大きくかけ離れたものとなったが、未曾有の事態を共に乗り越えたからこそ、コロナ禍で叶わなかった『普通の』大学生活と引き換えに、私たちはかけがえのない結束を手に入れた。熊大で得た知識と経験を糧に未来へ向けて歩み続ける」と締めくくった。 卒業式では卒業生を祝福するため、熊本大学フィルハーモニーオーケストラ(文化部会加盟団体)がエルガー「威風堂々」、ヨハン・シュトラウス1世「ラデツキー行進曲」を演奏した。

記念撮影や友人らと卒業を喜ぶ学生ら=同
赤門前で記念撮影をする卒業生や家族=3月25日、熊本大学黒髪北キャンパス赤門前

「新しい人生を前を向いてやっていきたい」卒業生ら決意
昨日からの曇天と断続的な雨にも関わらず、和装やスーツ姿の卒業生たちは県立劇場で記念撮影を行った後、キャンパスの各研究室で後輩や教官らから祝福を受けるなど、例年と同様の賑やかな卒業式でそれぞれの進路を応援し合っていた。 東京のIT系ベンチャー企業に就職する文学部の卒業生は「新生活にわくわくしている。東京で技術を身につけて、九州に戻って地域発展に貢献できれば」と意欲を語った。 文学部歴史学科を卒業した学生は「4年間はあっという間だった。最初の2年間はあってないようなものだった」とコロナ禍による制限された学生生活を振り返りつつ、「(就職するので)4月からは新しい人生を前を向いてやっていきたい」と述べた。 医学部を卒業した女子学生は熊大で医学を学んだことはかけがえのないこと、とした上で、「学んだ技術を地域住民に還元して働きたい」と力を込めた。

【卒業生・修了生の内訳】
・学部 1601名(文学部163名、教育学部237名、法学部184名、理学部165名、工学部526名、医学部238名、薬学部88名)
・大学院 624名(大学院社会科学教育部56名(7名)、大学院自然科学教育部424名(15名)、大学院医学教育部11名(36名)、大学院保健科学教育部19名(8名)、大学院薬学教育部35名(13名)
※()内は博士後期課程など
・専攻科・別科 58名(特別支援教育特別専攻科14名、養護教諭特別別科44名)
・教職大学院 25名
(3月25日)

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