ミクジューの本棚

イラストレーターミクジューの読書記録。

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最近の記事

【小説ぺろ太郎】第2話:部屋の乱れは心の乱れ

おばぁの家は町のはずれにあった。 庭には草がなんの抑圧もなく欲望のままに生え育っている。 年季の入った木造の家は、玄関に蜘蛛の巣がかかっている。 おばぁは玄関のカギをあけると、ぺろ太郎を中へ招待した。 「おじゃまするでやんす」 ぺろ太郎がおばぁに続いて家の中に入る。 リビングには読み終わった雑誌が10冊ほど乱雑に積まれ、床はほこりがたまっていた。 「ぺろ太郎ちゃん、あたしゃ昔はきれい好きで掃除も毎日してたのよ。 でもね、この年になると、体の節々が痛くなって、気力も失せち

    • [小説ぺろ太郎]第1話:はじまり

      どれくらい時間が経っただろうか。 彼は自我を認識してから、自分がなぜうさぎなのか、この公園はどこなのだろうか、ここで待っていれば誰かが迎えに来てくれるのだろうか、 さまざまなことに思案をめぐらし、ただ流れていく時間を感じ、 空腹に耐え、小鳥のさえずりに耳をすましていた。 彼の白い毛並みは汗のにおいを発し、風で舞い上がる土によって汚れていた。 「おなかがすいたでやんすー。」 そこへ杖をついたグレーの髪を束ねたおばぁがやってきた。手には小皿を持っている。 「かわいそうなう

      • 最期の思いを知ることができる珠

        町田そのこさん著「ぎょらん」という小説を読みました。 亡くなった人が最期に思いを残せる珠、それがぎょらん。都市伝説のようなお話でした。 「死」をテーマにした小説でしたが、登場人物は、亡くなった人が自分を憎んでいたのではないかとか、その人の死を後悔しているとか、いろいろな人間模様が描かれていました。 ぎょらんは人が亡くなった後に、その人とつながれる糸のようなものでしたが、 私たちは、人が亡くなってから後悔するのでは遅いということを読んでいて感じ取れました。 人が亡くな

        • 身近なところ、目の前のことに集中!

          「君は誰と生きるか」(永松茂久さん著)を読みました。 私も人との出会いは人生を変えると思っていて、あたらしいコミュニティやイベントに積極的にでるようにしているところがありました。 しかし、この本では、人脈は狭く、深くがベスト。「出会いを求めてさ迷い歩くのはお金と時間がもったいない」という話が書いてあって、いままでの価値観がひっくり返されるような内容でした。 確かに、本当に困ったときに下心なく自分を助けてくれる人って、ちょっと外に出かけて行って出会ったような浅いつながりの

        【小説ぺろ太郎】第2話:部屋の乱れは心の乱れ

          英語力を鍛える

          新井リオさん著「英語日記BOY」を読みました。 中田敦彦さんのYouTubeチャンネルでも紹介されているこの書籍では、英語力をお金がなくても鍛えられるさまざまなアイデアがたくさん紹介されています。 私も英語力を向上させたいと思っていまして、オンライン英会話についても調べました。 Best Teacherというサービスが私にはあっているかなという結論に達したのですが、まだサービスは利用する予定はありません。 まずは以前購入したアメリカの大人気ドラマシリーズFRIENDS

          俺の好きは奪えない。

          加藤シゲアキさんの小説、「オルタネート」を読みました。 その中で心に残ったセリフがあります。 料理人をめざす三浦くんが、ちいさいころ、おままごとがガチすぎるといじめられたけど、やめなかったという話のあと、放ったセリフです。 強い意志のある言葉だなと思いました。 私も2014年からLINEスタンプを作り続けていますが、親友にも親にも「そんなガキの小遣いにもならんものやめちまえ。」といったようなことを言われてきました。 たしかにLINEスタンプで稼げたお金は少ない額だっ

          俺の好きは奪えない。

          賢者は身近なところにいる

          喜多川泰さん著の小説、「賢者の書」を読みました。主人公サイードが旅に出て、9人の賢者に教えを受け、人生のビジョンを見つける物語です。 それぞれの賢者が人生で大切な事をおしえてくれます。 この小説を読み、 という一文が心に残りました。 最近Netflixでストーンオーシャン(ジョジョの奇妙な冒険6部)を見ていますが、人の出会いには引力があるという考え方に共感しています。 すべての出会いには意味がある。その時点ではわからないこともあるけれど、それから時間が経って振り返っ

          賢者は身近なところにいる

          お金以外の価値について考える

          最近蟹江町の魅力発信のために、LINEスタンプを作ったり、キーホルダーのプレゼント企画をしたり、イラストをショッピングモールで展示していただいたり、音楽や動画を作ったりしている。こういったことを将来的には仕事にしていきたいと思っているのだが、今のところLINEスタンプの数百円の売上にしかつながっておらず、蟹江町に通ったり、取材したりするのにかかるお金と比較すると赤字が続いている。 今回読んだ本は、クリス・アンダーソン著「FREEフリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」だ。

          お金以外の価値について考える

          人は何かに依存して生きる。

          宇佐見りん著「推し、燃ゆ。」を読んだ。 主人公は勉強ができない、バイトでも叱られたり焦ったりしてばかり、いろんな生きづらさを抱えて生きている。 そんな彼女を支えているのが推しの存在だ。しかし、その推しがある日炎上する。推しの言動、行動を調べつくして、推し活にすべてをささげてきた少女が、だんだんと壊れてくる。 彼女にとっては、推しがすべてだった。彼女は推しに依存していた。しかし、その依存対象が、自分の応援できないほど手の届かない存在になったとき、心の支えがガラガラと崩れて

          人は何かに依存して生きる。

          いじめをうけてつらい人へ

          全国で小中高のいじめの認知件数が68万1948件、小中学校での不登校者数が29万9048件(2022年)あったとニュースで見た。 今、いじめをうけて、苦しい思いをしている君へ。 加藤諦三氏の「自信」という本によれば、いじめをしているのは「ずるい人間」だ。私の経験からしても、関係のない第三者、自分が被害を被ることのない傍観者ほど、高見の見物で、他人のことをジャッジして、人を批判しようとする。 歌手の中島みゆきさんは「正しさは武器じゃない」と歌っているが、世の中、自分自身の

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          朝走る

          モテたいわけではないけれど、かっこいい男にはなりたい。 男磨きが大事だからと、朝からランニングをする習慣をつけることにしました。今日は一日目。 私の尊敬するADRERの犬飼京さんは、毎日ランニングを3kmしていたそうです。 メンタリストのDaiGoさんや、山P、ローランドさん、できる男はみんな筋トレを習慣にしています。 私も筋トレとランニングを習慣化したいと思いました。 今日も3km走りたかったんですが、意志の弱さから、1kmほどしか走れませんでした。 しかし、そのあ

          イラストレーターと名乗るからには

          私はLINEスタンプを200個作ってから、自分のことをイラストレーターと名乗るようになりました。 しかし、世の中では、「イラストレーターと名乗るには、イラストだけで食っていけるだけ稼げるようになってからじゃないといけない」という意見もあります。 以前は事務職をしていましたが、最近イラストでお給料をもらうようになって、少しイラストレーターに近づけたような気がします。 私は、読書が好きです。休みの日は多くの時間を読書に使っています。しかし、イラストレーターと名乗るからには、

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          ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集をよんで

          石角完爾氏著、ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集を読みました。タルムードは口伝律法とヘブライ学者の議論集を書き留めた議論集です。 この本にはタルムードに書かれた、いくつかの物語とそこから得られる教訓が書き記されています。 わたしはその中でも、「魔法のザクロ」という話が印象に残りました。 詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、何かを得るためには「先に」何かを失わなければならないということを教える話でした。 何かが得られそうになった、見通しが立ったときに失うのではな

          ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集をよんで

          THINK LIKE A ROCK STARを読んで

          MACK COLLIER著 THINK LIKE A ROCK STAR HOW TO CREATE SOCIAL MEDIA AND MARKETING STRATEGIES THAT TURN CUSTOMERS INTO FANS を読んだ。 テイラースウィフトやレディーガガなどのロックスターたちのマーケティング戦略などについてかかれており、ファンをつくるために必要な事が学べた。 中でも印象に残ったのは ファンはすでに売上に貢献しているので、さらにかれらに売ろうと

          THINK LIKE A ROCK STARを読んで

          フォロワー稼ぎより大事なこと

          SNSをやっていると、私はフォロワーの増減に一喜一憂してしまう。フォロワーが多いほど、LINEスタンプが売れるだろうと信じ込み、いいね周りをしたり、フォロバ狙いのフォローなどをしていた。 しかし、そんなことをしても、LINEスタンプの売上は伸びない。フォロワーの多い少ないに関係なく、良いスタンプを作れば売れるし、単なるひらめきでアイデアを粗く形にしただけのスタンプは売れない。 オースティン・クレオンという絵を描く作家が書いた「SHOW YOUR WORKクリエイティブを共

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          相談相手を間違えるな

          SNSでも、実生活でも、なにか自分が悩みがあったり、アドバイスが欲しいときに、「なんでも相談してきてよ」と言ってきてくれる人がいる。 その気持ちはうれしいんだけど、私はその時、相手が「何の専門家か」ということを重視する。 学生が英語の質問があるときに、数学の先生に英文法の質問をしないように、自分の抱えている問題が、誰に聞けば一番ためになる答えがもらえるかということを考えることが重要だと思う。 いま述べた学生の質問の例では当たり前のことと思うかもしれないことだが、仕事、恋

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