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ある場面の創作もどき

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ノートに掲載した創作もどきをまとめてあります。
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里山の日常(仮タイトル) 目次

里山の日常(仮タイトル) 目次

 とある田舎で、独立したコミュニティー同士がつながることで”何が何でも右肩上がりの経済”とはちょっと違った生活を描こうと思っています。
 どこまで続くかちょっと不安ではありますが……。

目次です。

里山の日常(仮タイトル) 一 小野和正 その一

里山の日常(仮タイトル) 二 若葉なつ その一

里山の日常(仮タイトル) 三 若葉なつ その二

里山の日常(仮タイトル) 四 若葉なつ その三

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里山での日常(仮タイトル)一

里山での日常(仮タイトル)一

まだ、タイトルも展開も決まっていないのですが、里山を中心にしたコミュニティーを作って、そこでの生活を中心に描いていきたいと思っています。
登場人物ごとに、話を紡いでいきます。まずは小野和正の登場です。

小野和正(おのかずまさ)22歳 その一

あの時まで小野和正は、霜柱を見たことがなかった。東京の郊外で育った和正は、普段から土がむき出しになった道を歩くことはまずなく、道といえば当然舗装され

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里山の日常(仮タイトル)二

里山の日常(仮タイトル)二

 すみまんせん。まだ、導入部分なので設定が明確に決まっていません。おそらく、この文章は、その内修正が入ると思います。

若葉なつ20歳 その一

 朝、日の出とともに外に出る。農産物販売を手伝うようになって生活のリズムが変わった。夜は十時に床につく。風呂にはいると昼間の疲れがどっと押し寄せ、まぶたが吸い付くように降りてきて意識がもうろうとしてくる。学生だった頃のように、携帯電話に夢中になることもな

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里山の日常(仮タイトル)三

里山の日常(仮タイトル)三

若葉なつ20歳 その二

 朝、店に出ると、佐藤さん夫妻が中玉トマトを並べていた。
「おはようございます!」
「あら、なっちゃん。おはよう!」
 なつが、声をかけると、佐藤さんの奥さんが微笑みながら挨拶をかえしてくれた。
 佐藤さん所の中玉トマトは実がしっかりしていて甘いのが特徴で、この時期人気の商品の一つだ。

 店の棚に並べるのは、その日採ってきたものと決められている。もし、日付が変わってしま

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里山の日常(仮タイトル)四

里山の日常(仮タイトル)四

今回は、つなぎなのであまり内容がありません。

若葉なつ20歳 その三

 店番をしてると若い男の人が入ってきた。二十歳を過ぎたぐらいだろうか、ほっそりとした体つきに模様の入ったトレーナーとジーンズを身に着けている。何か品定めをするように店の中を見回している。野菜を買いに来た客という雰囲気ではない。

「あの、ホームページで募集広告をみたんですけど」
男性が、なつに話しかけてきた。
(ああ、さっき

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里山の日常(仮タイトル)五

里山の日常(仮タイトル)五

 今回、話の中で出てくる農法の分類と説明は、杉山修一著「すごい畑のすごい土」(幻冬舎新書)を参考にしています。

小野和正22歳 その二

 販売所に入ると農家の人たちが野菜を台に並べていた。この辺で採れた野菜なのだろう。ラベルには野菜名の他、生産者と地域名が書かれてある。ラベルの下の方には、最近おなじみの二次元バーコードもあった。レジには、髪をポニーテールにして、エプロンをかけた若い女性の店員が

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里山の日常(仮タイトル)六

里山の日常(仮タイトル)六

小田和正22歳 その三

「もう一つは、独立したコミュニティーを作りたいんだ。ここに色々な職業を持つ人たちに募ってもらう。ただし、同じ職業があまりダブらないようにする。たとえば、商店街のようにそれぞれの店が一つづつあるような感じ」

「みんなを診てくれる町医者がいて、いざというときは、県立病院に搬送できるシステムを利用する。農業に必要な道具を作る店があり、お茶を飲む湯飲みやご飯を食べる茶碗をつくる

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里山の日常(仮タイトル)七

里山の日常(仮タイトル)七

 今回で、一区切りとなります。次の展開を考えるのに少し時間を頂くかもしれません。今後ともよろしくお願い致します。

小田和正22歳 その四

 狐につままれたような顔をしている僕に向かって、話を続ける。

「そこで、募集のことなんだけど、まずは、今の話を聞いて君が何をしたいかなんだ。農家を手伝うのもいいし、君が持っている経験をいかして何か仕事を立ち上げてもいい。白紙の状態なら、ここを手伝いながら、

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里山の日常(仮タイトル) 八

里山の日常(仮タイトル) 八

若葉なつ20歳 その四

 小田和正こと、かずくんが、昨日アパートに引っ越してきた。今まで、アパートに一人だけだったので、ちょっと不安に感じることもあったけど、これで少し安心できる。まあ、いつもアパートの隣に住む田中さんのおばさんがいつも声をかけてくれるので、そんなに寂しいとは思っていなかったけど。

(そうだ、田中さんにかずくんを紹介しておかないと)

 なつはそう思って布団に入った。
 今日は

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里山の日常(仮タイトル) 九

里山の日常(仮タイトル) 九

若葉なつ その五

 販売所では、平台の上に種類毎にまとめられた野菜が置かれているが、野菜をアピールするようなポップは一枚もない。見たり触ったりすれば、確かに新鮮さは伝わるのかもしれない。しかし、おいしさは食べてみないと伝わらない。
 たとえば、トマトを置いてある場所。普通のトマトとミニトマトが混在して置かれている。ミニトマトなんて、黄色いものと赤いものが同じ袋に入れられているし、丸いものと俵状の

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里山での日常(仮タイトル)十

里山での日常(仮タイトル)十

小田和正22歳 その五

 昨日から、野菜販売所の売り場に立つことになった。なっちゃんは、事務所の方に引っ込みパソコンと格闘している。オーナーが買いそろえたパソコンと、プリンターそして、デジタルカメラ。それもプリンターは、A1サイズまで印刷できるタイプだった。これらを使って、ポップを作るという。パソコン自体は、高校でいじっていたらしいので、問題ないみたいだが、ポップを作るソフトは初めてらしい。

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里山での日常(仮タイトル)十一

里山での日常(仮タイトル)十一

小田和正22歳 その六

 次の日、田中さん宅に伺って、ノートを見せてもらった。日付とその日の天候が記載されてあり、後は日記風にあったことが書かれてある。写真もあるにはあったが、もう色あせている物が多く、役に立ちそうもなかった。

 冊数は、全部で20冊程度あり、こまめに付けていたことが伺われる。ただ、日記の記述が日付順であり、作物毎にまとまっていないので、何処に何が書いてあるのか、見つけ出すのは

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ひとはどんなときに命が有限だと実感するのだろうか?

 今後、このテーマで、主人公を変えて何パターンか文章を作っていきたいと思っています。一回目は、ほぼ実体験でフィクション性が貧しいものになっています。

渡瀬徹(わたせとおる)53才 その一

 街中を歩きながら、店のガラス窓に映る自分の姿を見て唖然とした。
「なんか、お腹がぷっくりと膨らんでないか?」
 窓ガラスがピカピカに磨き上げられた、レストランを通り過ぎるときに、再度確認する。
「やっぱり膨

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横浜を歩いていたら……

横浜を歩いていたら……

 横浜を歩いていたら、ビルの隙間からもの迫力ある入道雲が顔をのぞかせていました。

 今にも夕立が襲ってきそうな灰色の雲が入道雲の下に控えています。

 太陽はまだ顔を出していて夏の日差しとまでは行きませんがもうすぐ夏だぞと訴えかけるように輝いていました。

 木陰のあちこちでのんびりと人々がくつろいでいます。ちょうど昼食時ということあり、自然の中でほっと一息ついているのかもしれません。

 花壇

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