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本当の幸いとはなんだろうか? 銀河鉄道の夜を読んで

昨日が7月7日ということで「銀河鉄道の夜(ブルカニロ博士が出てくる版)」久々に読んだが、やはり難解でとても美しい。
銀河鉄道に乗っでからの情景は、「銀河鉄道の夜」でしか読むことのできない程、唯一無二の美しさだと感じた。

気になった所を引用して感想を書こうと思う。


「おっかさんは、ぼくを許してくださるだろうか」
「ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸せなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんの一番の幸せなのだろう」
青空文庫 銀河鉄道の夜 カ厶パネルラ 

本当の幸いとほなんだろうか?後に出てくる真っ赤に燃えるサソリの話のように他人のために自分を犠牲にすることなのか?
確かに自分を犠牲にするのは、涙が出るほど素晴らしい事だ思う。でも、カムパネルラがザネリのために犠牲になったとしてもカムパネルラのお母さんは喜ばないと思う。
カムパネルラのお母さんが幸せだと感じるのは、カムパネルラが元気に生きるのとだと思う。
でもいつかは死ぬとすると自己犠牲が幸いだとも考えられなくはない。

「けれどほんとうのさいわいはいったいなんだろう」
ジョバンニが言いました。
「僕もわからない」カムパネルラがぼんやり言いました

終盤に出てくるこのセリフのように誰も本当の幸いがなんなのか、わからないのだろう。 



「そんな神さまうその神さまだい」
「あなたの神さまうその神さまよ」
「そうじゃないよ」
「あなたの神さまってどんな神さまですか」青年は、笑いながら言いました。
「ぼくほんとうはよくわかりません。けれでもそんなんでなしに、ほんとうのたった一人の神さまです。」
「ああ、そんなんでなしに、たった一人の神さまです。」
「だからそうじゃありませんか。わたしくはあなた方が今にそのほんとうの神さまの前に、わたくしたちとお会いになることを祈ります。」青年はつつましく両手を組みました。 

ここは本当に難解だと思う。何度も繰り返し読むが誰が誰に向かって言っているかはっきりしない。しかし、神話に関する本をいくつも読んでいることもあって本当の神さまというワードにひっかかった。


『本当のたった一人の神さま』それはきっと誰もが一人一人思い描いている神さまの事だと思う。

世界中に多くの神話があって神話の数だけ信仰があると言ってもおかしくない。だからこそ、他人の信仰の否定はするべきでないと思う。
他人が考えるたった一人の神さまってどんな神さまなんだろうな?と知りたくなるがきっと知ることは出来ないんだろうな。




なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんな本当の幸福に近づく一あしずつですから
青空文庫 銀河鉄道の夜 灯台守より

このセリフは本当に好き!
失敗さえも成功への道!いい考え方だと思う。

このように考えて生きることができればどれだけいいだろうか?
たとえ幸福への道であっても、困難の只中ではここまで大きな目線を持つことは出来ないだろうなと思う。
少し元気になってきた辺りでこの言葉を見たら元気出るんだろうなと思った!



一気に長々と書いた

今回、感想を書いたのはセリフについてで美しい描写も見どころです。

何度も読んでも、アニメで見ても、漫画で読んでも分からないところがある。でも分からないからこそ繰り返し読んでしまうんだろうな。そもそも完成版はこの世の何処にもないもの。

今回読んだのは、ブルカニロ博士が出てくる版を読んだ。銀河鉄道の旅をブルカニロ博士の考えを伝える実験としているのは、夢をなくしてしまって残念だなと思う。しかしその分、宮沢賢治が伝えようとしているものは掴みやすいのかもしれない。


想像以上にさくっと読めるでも難解で何度も読みたくなる名作だと改めて感じました。

また、今度読もう


Kindleでなら無料で読めるので読んでみて欲しい

こっちが新潮文庫ver


漫画verのオススメ

特徴としては、登場人物が動物で描かれているところ。そんでもって絵が美しい。

銀河鉄道の夜読みたいけど活字は苦手って人に超オススメです!これと一緒に活字も読めば情景が浮かびやすいと思います。


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