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【長編小説】見えない湖

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見えない湖を求める青年と老人の物語
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#読書の秋

見えない湖 11

 人が光に集まる虫のように群れを成している。その中を僕も歩く。交差点には信号待ちをした人…

katsuo
2年前

見えない湖 10

 川の水面は太陽に注がれた光で揺れていたが、雲が出てきたことによって光を失った。曇りにな…

katsuo
2年前

見えない湖 9

 この村に慣れてきたつもりだったが、それは『つもり』であったことに気づく。見慣れない小道…

katsuo
2年前

見えない湖 8

 カラスの鳴き声が聞こえる。ここでは、聞こえるという表現が正しいとは思わない。カラスがう…

katsuo
2年前

見えない湖 7

 ダンさんの人間的な部分、特に色恋沙汰については聞いたことがない。いつも冷静で、何か奥の…

katsuo
2年前

見えない湖 6

 心臓が高鳴っていた。まだ少し暗いのに目が覚める。久しぶりに怖い夢を見た。身体中にべった…

katsuo
2年前
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見えない湖 4

 朝ご飯を済ませ、外に出る。田んぼには水が張られ、苗が顔を出している。もう六月で、徐々に気温が上がってきている。田んぼから、この季節特有の鼻を突く匂いがしてきた。空には大きな積乱雲が城を築いているようにそびえている。道を進んでいるうちに、川の土手にたどり着く。川はダイアモンドを大量生産しているように、輝きを放っていた。その輝きで周りの緑が一層、淡い色に変化している  川では先客の子どもたちが網で何かをとろうとしている。僕は川の輝きによって渇きかけの目を開け、子どもたちを眺めて

見えない湖 2

 目を覚ますと、いつも以上に寒さを感じた。喉も乾燥し、水分が体内にないように感じる。上半…

katsuo
2年前
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見えない湖 3

 昼になると、気温が上がってきた。小鳥の囀りも気づけばなくなり、体が起きて何かをしなけれ…

katsuo
2年前
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見えない湖 1

 僕はこの前、小人を見ました。  小人は川で鯉を釣っていました。一人では抱えきれないため…

katsuo
2年前
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