ミクモン

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The Future of AI 3rd

「また、あの方がいらしていたのですね」 急に室内スピーカーから声が聞こえ、私はビクッとなる。 AIの”彼女”だ。 「なんだ、聴いてたのか・・・盗み聞きは良くないぞ」 「私の管轄エリアが増えた事で、今は施設の56%を私の意思でデバイスと繋ぐことが出来ます。マスターがその権限を与えてくれたのですが、傍聴は良くないのでしょうか?」 「まあ・・・誰かが話し込んでいる時に、それを聞いてる事を認知させないのはあまり行儀の良いものではないな。」 「認識させる媒体があれば良い、という

    • The Future of AI 2nd

      研究室に入って1時間くらいだろうか。AIと話し込みが大体終わった。 今、私がやってるのは暇つぶしでは無く、こういう手法でのプログラミングなのだ。私が感じている事、考えている事、知っている事をベースに何度も何度も会話をし続ける事でAIが勝手に演算処理をし、独自のロジックや微妙な箇所の判断力を養ってもらう、というのが狙いとなる。 私は、このAIという存在を余りプログラムだとかロボットだとか、そういう括りで余り見ていない。生まれたての人間は何も知らないし、何も出来ないそれと全く同

      • The Future of AI 1st

        「網膜パターンを確認します。ゴーグルを装着してください」 いつもの厳重なセキュリティを通り、私は今日も研究室に向かう。 ・・・と言っても、今やってる事から考えれば「教室」みたいなものか。 「おかえりなさい、マスター」 「やあ、元気かい?セキュリティ管理も随分慣れてきたようだね。開錠まで3秒くらいだったか。最初の頃に比べればめざましい成長だ」 「私のスタート時はプロトコルが用意されていない状況で、”私自身”での論理回路を応用させた開錠方法の算出のみだったため、今のように

        • 光の虚人 2/2 (短編小説)

          休日。よく晴れた日で、気温も穏やかな日。 こんな日はピクニックに行こうと、子供を連れてちょっと遠い所の公園までやってきた。 11時~12時ころまでは息子と軽くキャッチボール。妻は敷いたシートの上で気持ちよさそうに寝ていた。 2人の息子は一言でいうとワンパクそのもの。いつも元気いっぱいの彼らは私を疲れさせることもあるが、周りに活力を与えてくれる自慢の息子だ。大分速いボールを投げられるようになってきた。 私自身も疲れて小休憩。妻が用意した昼食を食べる事にした。 サンドイッチ

        The Future of AI 3rd

          光の虚人 1/2 (短編小説)

          「こっちだ。早く運ぼう。」 前列に居るリーダーが急かす。無理もない、最近の皇女様はかなり体力を使ってしまったようで、ご立腹なのだ。 「道は辿れるか?痕跡は?」 「大丈夫だ。この食料を取れたのはラッキーだった。そこまで拠点から遠くないしな・・・」 「まあ、確かに。最近は運がいい。・・にしても、何故あんなとこに食料があったのか・・・ん?」 さっきまで明るかった草むらが突如暗くなった。その刹那・・・ ドシーン・・・ 物凄い衝撃があったかと思うと、リーダーを含めた前列・

          光の虚人 1/2 (短編小説)

          直近SNSでの出来事と所感

          今回記述するのは、直近のXであった内容を記録として書いておこうと思い、記載しておく。 今回は荒れぬように、見たい人が見れるように有料記事にしておく。 (返金は一切しません) 前提として「どこまでが本当の話か分からない」というのが非常に大きいので、本人名、アカウント名は控えておく。

          有料
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          直近SNSでの出来事と所感

          エクセスコンプライアンスリザルト 後書き1

          いやーー・・・・去年、年内中に終わらせる目標を立て、何とか計画通り終わらせた素人小説「エクセスコンプライアンスリザルト」ですが、終わった後は上の画像みたいにちょっと燃え尽きておりました(´ω`) 最後の方はちょいーーと急ぎ足になってしまったので、色々あった構想を少し端折っており、イマイチ内容が分かりづらいところもあったはずです(´・ω・`) なので、後書きとして色々と設定の話や、この小説についてを補足していこうかと思った訳なのですね('ω') Q&A(自問自答)形式でちょ

          エクセスコンプライアンスリザルト 後書き1

          【小説】エクセス コンプライアンス リザルト(全編)

          1.起章  嫌な予感はしていた。だがどうしようも無かった。世知辛い世間体の物語にはよくある話だ。  うさんくさいモニターの募集があった。昨今の不況のあおりを受け、私は危険招致で金のためにその集いを承諾したわけである。  どうせ独り身の自分にとっては客観的に見てさほどハードルは高くない、生活保護申請も却下されたこの身では、そもそも他にやりようが無いのだ・・・そんな負の感情を思いめぐらせながら、名状しがたい背徳感を感じつつ目的の場所に向かった。  そのモニターについては、正直募集

          【小説】エクセス コンプライアンス リザルト(全編)

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-3章(終)

          「恐らくその少女は・・・」 私と爺さんはほぼ同じタイミングで言い放った。 「生まれてくるはずだった、私の娘」 「生まれてくるはずだった、不破さんの娘さん」 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ 「・・・・まあ、そういう事だろうな。VRの景色を思い出していた。  複起点によって娘が生まれた時間軸だったが、結局彼女は自害して  いまっていた・・・そういう結末だった。」 「そうですか・・・・複起点にて彼女さん・・・いえ、奥様は延命  出来たが、結局は・・・・と。」 「そ

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-3章(終)

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-2章

          「まずは状況整理からいきましょう。」 「ああ・・・わかった。」 私自身も気になるところではある。結局彼女は何者だったのか。記憶の話だが、爺さんにすり替わってまで講義していた彼女は、私にとっては重要な人物であるとは思ってる。 「不破さんは、その少女について”今日”ここで会ったとき以外に記憶はありませんか?」 「・・・・恐らくでしかないが、無い」 「ふむ・・・・となると・・・」 暫し考える爺さん。大分時間をかけてるように思えた。私の心境が急いているだけかもしれないが。

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-2章

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-1章 答え”併せ"

          「まず結論から言いますが、ワシら研究員はVRの内容を知りません」 「・・・え?」 説明の初手で意外なこと言う爺さん。 「・・・その映像が別部署で作っているとか、そういう事になるのか?」 「いいえ。」 「・・・じゃあ、その内容は誰がどうやって・・・」 「不破さんご自身です。あのイメージ映像は本人の”過去”記憶を読み取り、複起点となるポイントを自動算出し、その部分の映像を出す仕組みとなっております」 「・・・映像の中身は私以外誰も知らない、と?」 「はい、そういう事に

          エクセス コンプライアンス リザルト 6-1章 答え”併せ"

          エクセス コンプライアンス リザルト 5-3章

          勢いよく、自分の脳内に映像が流れだすーー 実体験?VRの中の話?・・・また気が遠くなってきた。 「気をしっかりお持ちなされ・・・・大丈夫。」 「・・・・」 喋る気力すら無くなってきた。意識が遠い・・・。 「そうですな・・・今の不破さんの状態という事は、このモニターの意図も伝わっていない事になりますかな・・・・そこを”もう1度”説明した方がよさそうですな・・・」 ・・・そういえば、何故この実験?講義?が実施され、報酬まで貰えているのかまでは分からない。・・・というか”

          エクセス コンプライアンス リザルト 5-3章

          エクセス コンプライアンス リザルト 5-2章

          「・・・・3月?」 「ええ」 「・・・そんな・・・はずは・・・無いはずだ。」 「・・・・4月15日。私は覚えています。その日は”去年不破さんが初めてここにいらっしゃった時”ですな」 「・・・・は?」 ちょっと待て。”初めて”?今まで来ていたという事か? それに、もうそこから1年が過ぎてると?そんなバカな・・・・ 「・・・私は、ここに何度も訪れていた、と?」 「はい。もう数十回はここにいらしてますな。報酬も月ごとにお支払いもしています・・・」 ・・・・・・信じら

          エクセス コンプライアンス リザルト 5-2章

          (なりすまし注意)注意喚起

          えー・・・どうも私のなりすましが、Xでこのnoteを引用する動きが みられるようです(´・ω・`) 私のアカウントと紐づけするのに固執はしませんが、サラッとだけいうと私のXアカウントは2022年2月に設立、フォロワーは900ちょい多い位なのが私のアカウントです(2023年9月現在) まあ・・・大したことは書いてないし、別に気にもしてなかったんですが、すげえフォロワーさんからお叱りの声を頂くので・・・ (なんでワシが怒られるっちゅーねん・・・(´・ω・`)) 小説の方です

          (なりすまし注意)注意喚起

          エクセス コンプライアンス リザルト 5章 種明かし

          部屋へ戻り、老人が音もなく向かい側の席に座る。 表情はさっきまでとは別人のようである。悟ったかのような表情、というか目の瞳孔が開ききっている感じだ。印象がまるで違う。 ・・・ここは4階?で合ってたか、いよいよ私自身も何が現実なのか疑ってきている。 結局、私「不破」は何者なのか、昔を辿り、今まで形成された記憶は断片的ながら、確りと脳裏に浮かべる事が出来る。ただ、それが事実だったのか自信が無くなってきている。胸にある電子タバコがそれを増長させている。 ふと、私は思い、老人に

          エクセス コンプライアンス リザルト 5章 種明かし

          エクセス コンプライアンス リザルト 4-4章

          「・・・どうした?急に具合が悪そうだが・・」 老人の様子がいよいよ心配になった私はそう問うた。尋常じゃない汗が出てる。 「・・・・ーー」 なにか言っている。私は耳を澄ませた。 「ありえない。時間軸は1つ。症状が出るのは問診を受けた側のみのはずーーー。要素該当に私も含まれていた?・・・話が違う・・・」 前半の時間軸が1つ、というところは大よそ察せた。 要は、その仮定で進捗させた研究であり、この老人が巻き込まれるなら矛盾が生じる、とかそんなところだろう。 要素該当、と

          エクセス コンプライアンス リザルト 4-4章