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12月のほとり

駅前に寄せる人波を避けて
寝静まった地下道を 僕らは急ぐ
急行に滑り込み ホッとした吐息
車窓に映った うつむき加減

ひしめく地下鉄の中 君をドアの隅にやって
周りの不機嫌を余所に こうして近くにいること
悪い気はしない

地上へ抜ければ 東京の辺
二子玉で降りて 君を送る
週末はもう潮時 ざわついた駅から
聖なる気分に逸るまちへ

12月に浮かれた きらびやかなストリートを
時々肩が触れ合い こうして君と往くこと
寒い気はしない
多摩川に沿って続く道 集う風にかじかむ声音
明日は早いって言うから アパートの前でおやすみ
惜しい気はしない

いつかは一緒に暮らせるかな

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