脳人

徒然に 綴るつらなり つまずいて つくづく遠く 遠のく句点

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なりもの

何者でもない私が 他の何者でない私になるために アリ物でもなく 借り物でもなく ただの鳴り物になって ただの鳴り物に成って ただの鳴り物が鳴って 世界へ鳴り響くといい

    • 12月のほとり

      駅前に寄せる人波を避けて 寝静まった地下道を 僕らは急ぐ 急行に滑り込み ホッとした吐息 車窓に映った うつむき加減 ひしめく地下鉄の中 君をドアの隅にやって 周りの不機嫌を余所に こうして近くにいること 悪い気はしない 地上へ抜ければ 東京の辺 二子玉で降りて 君を送る 週末はもう潮時 ざわついた駅から 聖なる気分に逸るまちへ 12月に浮かれた きらびやかなストリートを 時々肩が触れ合い こうして君と往くこと 寒い気はしない 多摩川に沿って続く道 集う風にかじかむ声音

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        そこで待っててと言って 君はドアを閉じた 僕を外で待たせて 部屋を片していた 鏡とベッドの位置が 変わっていて 知らない部屋にきた 気分がする 別れ話を 君は静かに切り出して そのうち一方的に 言い訳したり 責めてみたり デジタル時計の 刻む点滅に 反論の余地が 殺がれていく 君のケータイが 長く鳴った後の 乾いた沈黙 耐えられずに 鍵を置いて 部屋を出た 全てを僕のせいにしたって そう 最後まで 君には何も あいつのことも 詮索しない 大事にしていた つもりが終わ

        • あれもこれも

          あれしかない これしかないじゃなく あれとこれが あるならいいじゃないの あれもあれば これもあればじゃなく あれとこれで できればいいじゃないの あれもしなきゃ これもしなきゃじゃなく あれをしよう これをしようじゃないの あれもこれも できなかったじゃなく あれとこれが できてよかったじゃないの

        なりもの

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        記事

          ぬりかべ

          隣のクラスに 入っちゃいけないような 集まる視線に 居たたまれなくなるような あの感じ 優先シートに 居座れないような 誰も来ないのに 居心地がわるいような あの感じ 高くて大きな 目に見える壁がほしい 目に見えない壁は もうたくさんなんだ Wifi Freeに 湧いているような 網戸に漂う 生ぬるい空気のような あのにおい 共用トイレに 漂っているような 次の異性に 急かされているような あのにおい 厚くて大きな 目に見える壁がほしい 目に見えない壁は もうたくさ

          ぬりかべ

          乾いていく

          後で悔やむなら 行かなきゃいいのに 腐れ縁が切れない 息が乾いていく フリで寂しがる 君の気まぐれに つき合ってしまう 何もかも知りたくないのに君は 気にもとめやしない 声が乾いていく 僕は理解者らしいけど 特に返事をしないだけ くだらない でも 流さない それはもう 笑えない 君の退屈は底なしなんだろう あいつはやめろとも言えず 優しさにだけ甘んじて 治したい けど 治せない それはもう 楽じゃない 僕はつまりは 都合よく それはそれでかまわない もう一度 いや

          乾いていく

          廃屋セッション

          君じゃないキミのコトが好き 君らしくないキミのコトが好き 僕じゃないボクのドコが好き? キミはボクとどんなふうにしたいの? 飽き足らない救えない性懲りもない 無性に異性に渇く脳内 汚らしい薄暗い誰もいない 廃屋で背徳な行い 鳴りわたるクラクション 次第にエスカレーション 路駐してんの誰だ!? 早くどかせ畜生 気にしないテンション ハナッからない節操 クラクションの扇情にヒートアップセッション 君じゃないキミのカオが好き 君らしくないキミのカオが好き 僕じゃないボクのドコが

          廃屋セッション

          スポイル

          食欲が満たされて おいしいとか 性欲が満たされて 嬉しいとか 退屈が満たされて 楽しいとか そしてあなたは言う 幸せ者と 実感する僕はいない 傍観する君がいる 幸せは外から 訪れる この身に余る程に 恵まれて 僕はそれを拒まない 反射的に そしてあなたは問う 幸せ者よ 底にいるのは誰だ 外にいないのは誰だ 絶え間なく 途切れなく 幸せで はちきれそう 満腹なんだ 満杯なんだ それなのに きりがなくて 実感する僕はいない 傍観する君がいる あの人に その人に 比べれ

          スポイル

          スタンス

          しまいに君を抱くのはもう お決まりで 伝えきっていない想いは 胸にもたれて 閉めきった部屋 飲み干したビール 酔えない会話 今日もやり過ごすように 会えない日々は 誤解もせずに もどかしくなる 馴れ合いすぎたスタンス にぎわう街の木洩れ日を 浴びながら 交わっていくふたつの影 ゆれるソファー 病みついてしまう互いの癖 不意にかみあう視線は気まずくて 疼きだしたこの身にまかせる 不安にかられる心 ごまかして 君にそそぐ涙はもう 涸れたかな 僕のすべて 見逃しているん

          スタンス

          潮騒

          雨があがり 散り散りになった雲が 心を奪う あの唄は嘘だ 上を向いたら あふれるくせに 砂をかんで 沈んでいく足元が 微熱を奪う あの人は言った 秋の頃には お別れだって 交わしただけの約束は 夕焼け色をして 僕の空にゆっくりと 手を振って 流したものが気休めなら 向い風に乾きそうなのに あなたがいない砂浜は もう 拭っても拭っても 涙がザラつくんだ 今思えば その時を安らかに 過ごせたのは あの人にとって 幸せだったのかもしれない あなたは誰の傷跡を 僕に触れさせた

          夢オチ

          どれほど深く 思っているのか 君はどこでも 聞くけど その薄いリップクリーム 今は拭えないでいる 何度も君に 赤恥をかいて 僕は変わったはずなのに 裸になって さらした心で 君を裸にしてきた 高嶺の花模様 今は描けないでいる 周りがさめた噂をしても 僕は笑っていたくせに 知らないうちに はがれてしまった それで終わってしまうのかな 眠れぬ夜を いくつも越えて 君を想っていたくせに

          パズルとカメラ

          僕は君への想像を 満たす言葉を欲しがった 君は不安定な情緒を 煽る言葉に病んでいた 僕は土曜日 留守電に 拙い言葉を吹き込んだ 君は火曜日 落書きに 感じた言葉を書き込んだ 最初の言葉 あの言葉 消えないしシミのようだった 僕は誰かのせいにして 君はすました顔をした 僕は左のポケットに 卑しい言葉を忍ばせた 君は右手のジェスチャーに 際どい言葉を匂わせた 僕は上からあふれでる 甘い言葉を飲み干した 君は下からにじみでる 苦い言葉を舐め取った かすれる言葉 あの言葉 冷め

          パズルとカメラ

          僕の好きな小説家が 僕のかけらを指差して 僕とおんなじだと言って 僕の全てを蝕んだ 頭がイカれたフリをして 辺りの好奇な目を惹き あたかも異能者のごとく 新しき時代の到来を説く 過去の遺志を改竄して 未来に石を投げつける ありのままの言葉を捨て ありとあらゆる辞書を引き ありもしない思想を練り ありふれた結末を添える 意味をたどれど 声はしない 浅い息継ぎだけがする 黒い鳥が舞う波打ち際 渚の果てで嘔吐した 砂に染み入る疚しさに 何処かへ消え去りたくても 引き換えに

          花日

          待ち合わせに 遅れたのはワザとで 北口デッキで待つ君は うつむき加減 来週からは 会えなくなる 過ごした日々は 短くて 遠くで聞こえ始めた音に 浴衣の裾は ソワソワしてる 今年の花火は 見ないうちからもう 嘘みたいにキレイだ 言い訳なんて お構いなしに君は Yシャツの袖を引いて 先行き加減 旅立つ君は この想いを 振り払っていく くせに 少し緩み始めた帯に 差した団扇は フワフワしてる 今年も花火は 七色に弾けて 嘘みたいにキレイだ 信号待ちの 目の前で散った 大

          シワクチャ

          なんかちょっとした拍子に ふと思うことがあるよ 親父の仕草ひとつふたつ 似てきたな 似てきたな ため息のつき方まで あくびした後の一言まで 何もそんなところまで 似なくても 似なくても 親父のスネかじりすぎて すねの毛 少なくなってきたな オレのヒゲはこんなにも 不精になってきたというのに 二人でいるときはなんだか後ろめたいよ 偉そうな口をたたくオレの話を 黙って聞いているフリしてる ときどき適当に笑いながら 勝つまでやるなんていうから わざと負けてやったのに 本気で喜

          シワクチャ

          自転車のチューブ交換を初めてやってみたら、”アレ”まで初めてやることになった

          北国に住む私には、毎年暖かくなってくるとやることがいくつかあって、自転車の空気入れもその一つです。雪の時季に使われず、カバーも掛けずにほっといた愛車にはクモの巣が張り、タイヤの空気は抜けているもので、さて今年もいっちょやるかなと裏庭へ様子を見に行ったところ、ん?、なんかいつにも増して沈んでないか? なんか前も後ろもパンク並に抜けてるんですけど・・・空気入るのかな、これ。うーん、どうしたものかと暫く思案・・・そこで私、あっ!と思い出したのです。 裏庭にほっとかれている自転車

          自転車のチューブ交換を初めてやってみたら、”アレ”まで初めてやることになった