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そこで待っててと言って 君はドアを閉じた
僕を外で待たせて 部屋を片していた

鏡とベッドの位置が 変わっていて
知らない部屋にきた 気分がする

別れ話を 君は静かに切り出して
そのうち一方的に 言い訳したり 責めてみたり

デジタル時計の 刻む点滅に
反論の余地が 殺がれていく

君のケータイが 長く鳴った後の 乾いた沈黙
耐えられずに 鍵を置いて 部屋を出た

全てを僕のせいにしたって
そう 最後まで 君には何も
あいつのことも 詮索しない
大事にしていた つもりが終わる

他人行儀なコーヒー いつまでも苦くて
帰りの道で ガムを2枚頬張った
後味はすぐになくなっても 減らない塊
漠然と 今までのことを思った

大事なことは いつだって不意に
後からやっと 気づくんだろう

冬に恋して 春を暮らした
夏の過ち 秋に知った
僕は10月を ほったらかして
時は許して くれないまま

君と出会った季節が廻る
心の底は タカが知れて
何かがそこに 溜まっていく
君と始めた今年が終わる

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