日本の組織がどうしようもなく苦手なものランキング1位本音、2位感情
これは、私調べなので、そういったデータがあるわけではないのですが、いろいろな組織の相談に載っていく中で、日本の組織の多くがいかに本音と感情を上手に取り扱えないままに仕事に取り組んでいるかを日々感じています。
先日行った研修での話です。
ワークの中で、グループごとに意見を交換をしてもらった後、全体に共有してもらうというシーンがありました。
全く手が上がらなかったのは、まあ、いつものこととしましても、終了後のアンケートで、「発表させるとか本当にやめてほしいです」という回答が届きました。
その研修は、受講者の人数が多かったということもあり、全体を2つの集団に分けて、同じ内容を、2日間実施したというスタイルでした。
ということで、2日目は、発表をQRコードをスマホで読み取ってもらい、そこに入力してもらうという形態にしたのです。その結果、まあ、出るわ出るわで、びっくりしました。
そんなに言いたいことがあったんですね。。。と。
しかし、気持ちはわからんでもないですが、なんか、とても不健康な気がします。
きっと、日頃から言いたいことがたくさんあったのでしょうが、それをずっと飲み込み続けているのでしょうね。
この事例は、極端かもしれませんが、日頃から、さまざまな企業の人事課題、組織課題の解決に向けて、いろいろな形態の従業員サーベイを見ている私からすると、他の組織においても、大なり、小なり状況としては近いものがあるのではないかと感じています。
本音で話をすることができないがゆえに、表ではそれっぽくやりとりをしていても、裏側では全然違う思いを持っているという組織はたくさーんあるのではないかと想像します。
最近は、「組織の心理的安全性が重要」というキーワードが流行り、どこの組織でも心理的安全性を高めようという動きが始まっていますが、組織で現状を聞かせてもらっていくと、この組織においては、現実問題、解決不可能なのではないかと思ってしまうことも少なくなりません。
日本の組織で、心理的安全性を高めるというのは、なんと難しいチャレンジなのだろうと感じています。
こんなことを偉そうに書いていますが、もちろん、私も全てのことを本音で話せるわけではありません。黙っていることもたくさんあります。いうことが難しい状況や、その時の気持ちが多いにわかるからこそ、なんとかできないものかなーとも思います。
このなんで本音を取り扱えないか問題ですが、大きく2つの原因があるかと思います。
1つ目が、上司側の問題、2つ目名が話し手側の問題です。
上司側が、相手が何か話をした時に、それを受け取る技術が低いと、適切な承認や受容をしないままに、反対意見を述べていくということが起こります。
もちろん反対意見を持つことは重要なのは間違いないのですが、人によっては受容がない状態で反対意見を述べ続けると、もう本音で意見を言わなくなるということが起こってきます。
「いろいろと言いたいことはあるかと思いますが、まずは意見を伝えてくれたことへの感謝と、いったんそういう意見を持っているということを受容してみてください。きっとそれで大きく変わってくるはずなので」
という話を私は管理職研修の度にしています。
2つ目が、話し手側の問題です。
先ほど、上司側の話をしましたが、受容力がない上司であったとしても、話し手側に話をする技術があれば、気にせず話ができるわけですが、そこの技術に自信がないというケースも多くあるものです。
話して側が、対立を避けるために、黙るというケースもあちこちで起こっています。
上司側は上司側で受け取る技術を高める必要がありますが、部下やメンバー側も、自分の本音を伝える技術を高めていく必要があるでしょう。
そして、その本音を適切に取り扱えるようになるために必要なのが感情の適切な取り扱いでしょう。
コミュニケーションを大きく、情報のやりとりと、感情のやりとりの2つに分けて考えた時に、情報のやりとりについては、学校でも研修でも、体系的に整えられたさまざまトレーニングがありますが、感情のやりとりについては、それほど訓練の機会は多くありません。
上司にせよ、部下にせよ、いわゆる一般的なメンバーにせよ、伝える側に立つ時、受け取る側に立つ時に、適切な形で感情を取り扱えるようになる必要があるのだろうなと思います。
ここ最近、人的資本経営というキーワードのもと、さまざまな企業で、重雨業員のサーベイを取り、課題を分析した上で、解決に取り組むという流れが生まれつつあります。
サーベイをとれば、ほぼ間違いなく今回、私が書いたような課題に直面するはずです。
本音と感情を適切に取り扱えるようにするための支援はこれからますますニーズが高まってくるのではないかと、私はそう読んでいます。
今月もそんな相談がたくさんきているわけですが、いろいろな企業での実践を通じて、この支援の技術を高めていけたらと思っています。
今後、ここのnoteでもそんな発信をしていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今日も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。
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