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『月がきこえる』について

noteで募集し展覧会にて展示させていただいた作品のうちの一つです。昨年主催した「記事から絵」の日本画バージョンです。ご紹介記事をアップされてる方のみご本人の記事リンクを貼っています。

今回はこちら

元となる記事は、海や月を題材とした詩です。
当時同じ題材を扱った作品も描いており、完全にペアではないけど対にもとれるくらいの距離感で2作を同時進行していました。

↑の絵の、元記事と出逢って書かれたのが今回の絵の元記事にあたります。

「記事から日本画」の募集方法は、わたしからあなたのこの記事にしましょうといった提案はしていなくて、「依頼者が自選した記事のURLを問い合わせページに転記」です。なので依頼者がコメント欄に書かない限り、誰がどの記事を選んでいるかはわたししかわからないようになっていました。
今回の『月~』と前に投稿した『海~』は、依頼者同士で示し合わせることなく記事をお選びになっていたようで、お受けした当時とてもびっくりしました。

海の詩と出逢った月の詩、どちらも自分の絵と出逢ってくれた。
大変光栄ですし、今でも僥倖だと思っています。

そんなエピソードもあり、こちらの絵は出逢いや邂逅といった単語をキーワードにしています。

ネタ出しはわりとスッと出てきました。元々記事をいくつか読ませていただいており、イメージがしやすかったのかもしれません。

元の記事にて希望をひとさじ入れたとあったので、詩の世界観の通り静かで少し明るい、柔らかなやさしい光にしています。
鎖に繋がれていても、少年は光、希望に気づいています。海の少女は光を見ていませんが、月の少年は明確にしています。

描画については、他の記事の繊細なイメージもあって絵具は薄塗りとわかるような薄塗りを延々と重ねています。
絵具の厚みによる物理的な量感のことを「絵具の抵抗感」と呼ぶのですが、海のほうは抵抗を強くし、こちらでは抵抗を弱くするなど、量感でも対比させています。

左が月、右が海です

タイトルも「聞こえる」で気づいています。
眩しすぎないほんのわずかな光ゆえに、人を救うこともあるんじゃないでしょうか。

ご依頼、ありがとうございました!


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