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『忘桜』について

こちらの記事は自分の作品について喋ってます。
今回は『忘桜』です。

これ!


これは2022年1月の展覧会での展示と2月に行った「第二回絵から小説」に合わせて描いた3枚のうちの1枚です。

わりといろんなところで喋っていますが、絵から小説…わたしの絵からイメージした小説や物語・詩を書いてね、という企画では明確なメッセージを持たせないようにしています。あくまで創作物同士の対話が主旨であり、わたしがこの絵ではこういうことを伝えたいんですよとはっきりさせてしまうのは一方通行となり、対話が成立しないからですね。

企画公開時ではそれぞれA・B・Cと呼んでいました。これも主旨に沿っています。文を綴る側の想像に制約と先入観を避けるためです。
遅れに遅れ季節はずれにタイトルを入れての公開でござんす。

ネタ出しラフではまず中央の人物から描き始めました。「メッセージ性をなくす」と決めているのでわりと好き勝手です。
既にこの時点で3つのうち2つの構図が決まっていたので、この絵では顔は見えないようにしています。人体を描き起こした後にこの絵では儚さとか柔らかさを出すように決定。もう消えちゃいそうなかんじー、と意識していました。

拘ったのは、身体の力の入れ方。右足のつま先や、向かって左手が強く動く直前、左脚がやや外向きになってるとかです。人を描く経験値はそこそこ多いと自負しているので、人体として成立すると共にふわっと柔らかな雰囲気をと気をつけています。参加いただいた中でバレエをなさってた方や踊りを題材に扱っている人がいらっしゃって、それを思い出すようなものが描けたかなあと感じて嬉しかったです。

人物の周囲は公開時期の冬を意識し、春を想起させる桜に。
もうひとつで黄色系でやさしく桜を扱ったのでこちらはあんまり優しくないよう紫系にしました。夜桜ライトアップや桜並木を参考にしています。

おわかりかもしれませんがこの絵は人物と背景でカメラレンズが違っており、背景は魚眼レンズっぽいです。人物みたいに背景を普通のレンズにすると、こう…「ただ夜に舞ってます」みたいな感じがして面白くない。儚さや消えてしまいそうな感じを念頭に置いてるのでもっと奥の暗いところへぎゅーんと向かって欲しいと思い、湾曲させました。
参加作品で産道を扱ったものがいくつかあり、わたしには全く無かった発想だったので面白かったです。言われてみれば確かに人体の内側っぽいなにかにも見えますね。

技術面で特筆すべきことはありません。
オーソドックスな日本画技法で、水干絵具と岩絵具を使っています。額は木の幹みたいなのをセレクト。かっちょいいですね!


さて、ぱーっと書いてみたんですが、企画の絵のこういう話ってどうでしょうか?わたしが書くと答え合わせになっちゃうのかなあと懸念しタイトルの意味は省きました。様子見て絵だけ投稿か解説書くか決めようと思います。ぜひコメントでご意見くださいましー

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