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桐貴清羽(きりたかきよは)
2021年3月7日 02:44
「結婚したんだってね。おめでとう」電話口。少し声が震えてしまったけれど、平静を装えていたと思う。かつて、本気で愛してしまったセフレは、どうやら結婚するらしい。私が初めて家に行って、シャワーを浴びたとき、女性物のケア商品が浴室にあったので、他にも女がいることは知っていた。だから、この人には本気になっちゃだめだと自分に言い聞かせていた。それでも、好きになってしまった。好きといってほ
2021年8月6日 16:00
月曜日。夫のスーツに、銘柄の違う煙草が入っていた。私はセックスのあと、夫が放つバニラの香りが好きだった。今はただただ臭いだけ。火曜日。鏡台に並べた香水が減っていることに気がついた。ジュエリー販売の仕事をしていたとき、あえて男性向けのシャネルをつけていた。もう何年もつけていない。水曜日。子供が「おかあさん、これなぁに?」と聞いてきた。手に持っていたのはショッキングピンクのダサい紐パ