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ぐにゃぐにゃの道で楽しい③祭りの後、普段着の直島で

ぐにゃぐにゃの道で楽しい島旅シリーズ。

1月の3連休に、香川の直島を訪問した。
思えば、昨年の同時期もGWもお盆も年末も四国にいた。
四国行きすぎ問題がいよいよ深刻化しているが、好きなんだから仕方ない。

直島は過去に訪れたこともあったが、友人たちと日帰りで巡るダイジェスト版みたいな感じだったので、今回は念願のひとり旅だ。

言わずと知れた現代アートの島。
いつも人多いしなぁ…と、なかなか行きしぶっていたが、秋に瀬戸内国際芸術祭が終わってひと段落つき、しかもオフシーズンの今がチャンスと勇み足で向かったのだった。

祭りの後のくったり感、直島の日常

岡山の宇野港から直島の宮浦港へ。
まずは地中美術館へ向かう定番コースを予定していたが、朝乗るべき電車をミスったことで全てが後ろ倒しとなり、1本遅い船で到着。
それにより良い具合に脱力し、とりあえず気ままに集落を練り歩くプランに変更した。

瀬戸芸が終わって2ヶ月程が経過したわけだが、狙い通り人出は少なく、ゆったりとした島の雰囲気の中、アート作品(家プロジェクト)などもまわりながら、ゆらゆらと散歩することができた。

この風景。漁港マニア歓喜
安藤忠雄ミュージアムの暖簾が可愛い
鳥居の内側から見つめるあちら側。島の道
やっぱり可愛い暖簾
家プロジェクト-杉本博司《護王神社》
神話的世界観やアニミズム的世界観に現代的な感性が掛け合わさり「日本の信仰」「美意識」が凝縮されたような、圧倒的な空間だった。

前回直島に行った時は瀬戸芸の会期中だったこともあり、「わて、現代アート見まっせ?」と言わんばかりの前衛的ファッションのおしゃれピープルたちがそこらじゅうを闊歩していて、周囲の気合いにやや気圧され気味だった。

今回は地元のおっちゃんおばちゃんや、フラッとひとり旅を楽しむ方々とすれ違う多く、なんとなく「普段着」な雰囲気だった。
なんだか、直島の素の一面を知れた気がして嬉しかった。

これだけ全国に名が知れた島であり、新しい文化や多くの観光客も受け入れていながら、この飾らない島の日常感が残っているのはすごいことだと思う。

本村地区のゲストハウスあいすなおさんに宿泊。
居心地よし。
朝の散歩で見つけたパン屋さん。
潮風×古民家×パンの香りに誘われて。
港の椅子に腰掛けて食べたふかふかもちもちの出来立てパンの味が忘れられない。

定番、そして新ギャラリーへ

2日目は、地中美術館と、念願の李禹煥美術館に行くことにした。

兵庫県立美術館で開催中の李禹煥展に行く前に、どうしても直島の李禹煥を見ておきたかったのだ。
静かな空間や気持ちの良い風の中で李禹煥の作品の世界観に浸りまくれて贅沢な時間。

また、バスの待ち時間に李禹煥美術館の向かいにあるヴァレーギャラリーにも立ち寄ったが、これがすごく良かった。

昨年できたばかりの新スポットとのこと、境界や聖域といわれる谷間につくられた、なんとも神秘的な空間だ。安藤忠雄×草間彌生の作品が鑑賞できる稀少な場所である。

そして、さらに続く新スポット、杉本博司ギャラリー・時の回廊。
彼の多彩な作品(写真や建築、彫刻など)に触れることができ、それはもう、驚きの連続だった。前日の家プロジェクトで杉本博司作品に圧倒された私の心はますます満たされた。

《硝子の茶室「聞鳥庵」》
美術館で写真は撮らない派だが、
茶室の向こうに船が通ってゆく風景が珍しく、そして美しく、思わず撮影。

どんどん新しいものを受け入れ、生み出し、変化を続けるこの島は、これからも訪れる人々の感性を刺激し続けるのだと思う。
それでも、素朴な島の日常や生活、土地の文化は変わらず存在する。

それらが絶妙なバランスで成り立っていることそのものが、他に例を見ないこの島の魅力なのだと肌で感じることができた旅だった。

背の低い鳥居。
実はちらっと黄色かぼちゃも写っていた
おなじみの赤かぼちゃとフェリー

④につづく

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