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エルシネ6

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山科清春の雑文集です。
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#嘘

「荒野の坊っちゃん」感想

金原塩之介『荒野の坊ちゃん』(蒼英社文庫)

 いやー、面白かったですね。

 この小説は、タイトルからもわかるとおり、夏目漱石の『坊ちゃん』のパロディでなんですが、黒沢映画でも「荒野」とつけばウエスタンになってしまうように、これも夏目漱石文体の西部劇なんですね。

 漱石文体でのパロディ小説としては『贋作《坊っちゃん》殺人事件』とかが面白かったのだけれど、西部劇というのは思いつかなかったな

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『エムエスエクス』感想

 ブンボル長島『エムエスエクス』(すぱる4月号)読了。

 妙に感激。

 ネット上では難解だ、難解だという書き込みを見るが、まあ、難解ではないと思います。

 それは、僕とブンボル氏が同世代で、なおかつ彼と同じように80年代に一世を風靡した(?)「MSX」という家庭用コンピュータのユーザーだったからでしょうが、ちっとも難解ではなかったです。

 作中で描かれるMSXユーザーの卑屈なまでの

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g:エルシネ2

 今は『陰陽師』で有名になってしまったSF作家・夢枕獏が、まだ「エロ・グロ・バイオレンスの旗手」としてしか語られなかった頃のこと、彼は著作の中で「実はアインシュタインの有名な公式《e=mc2》と、般若心経の《色即是空 空即是色》は同じことを表しているのだよ」てな事を言っていた。確かにアルバート・アインシュタイン博士が残した相対性理論に係わる有名な公式e=mc2 は今や、ある種の呪文のように無教養な

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『蝦夷手の研究』感想文

澤井幸太郎『幻の拳法其の壱・蝦夷手の研究』

(楼村社・昭和6年)

 うーん、まあまあ面白かったです。

 これは、昭和初期に少年向けに書かれた本なのですが、まあ、なんというか、人を食った仕掛けのある本でして、表向きは澤井幸一郎という拳法家(柔術家)が大正の終わり頃、「蝦夷手」(えぞて)という幻の拳法をもとめて、東北、北海道から樺太、さらには沿海州(現在の中国黒竜江省あたり)まで遍歴すると

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『幻影飛行機械』感想

 ちょっと調子が悪くて、雲の上を歩いているようにふわふわしているのですが、ついつい読みかけの本を手にとってしまいました。

 

 そして……泣きながら(嘘)一気に読みました。

目方大作『幻影飛行機械』(ハカヤワ文庫JA)

 えー、詳細を書くような気力体力はないのですが、まあ、一言で言えば「スーパーヒコーキ野郎大戦」であります。

 あるいは「ドキッ!ヒコーキ野郎だらけの幻魔大戦」と

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