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眠りの海のラッコさん

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まったりした時が流れる眠りの海。 ピンクの空とシャボン玉の雲。 今日も、プカプカとラッコさんが泳ぎ続ける。
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ラッコさんは、
ただプカプカと空を眺めた。

あの星から
虹色のほうき星が
ハートのマークを残して消えていく。

『あの星は、頑張って進んでいくんだ。
 いろんな想いに支えられて。』

胸の手鏡をキラリと光らせ、
合図を送った。
『行ってらっしゃい。ここで待ってるね。』

この星は、廻り続ける。
プカプカと眠りの海を航行中。

泳ぎは、
遅いがいっぱいの夢がある。

少しずつでも
楽しまなくちゃ意味がない。

プカプカとしながら
コーヒーを飲んだ、
今日は青空の下。

夢と現実がマーブルして、
半分の自分を足した。

半分ラッコさん
半分コアラさん
半分ずつの私。

プカプカと眠りの海を航海中。
まったりと泳いでいると、
コツン、コツン…?
頭や体に綺麗な貝殻が降ってくる。

貝殻の降る方を見ると、
ヤドカリさんがお家の模様替え中。

🐚『綺麗な貝殻を見つけたら、1個取って置いて。』
 『1個だけ?』
🐚『大切な物は、1個で充分なの。』

プカプカと眠りの海を航海中。
クルクルと回転する渦巻き。
体を預け、ラッコさんは回っています。

すると、違う渦に
流木に乗ったこの前のウミガメちゃんが
ラッコさんと同じくクルクルと回って遊んでいる。

🐢『たのしいね🎵待つのも。』
『そうだね、待つのも楽しい。』

眠りの海をプカプカ中。
遠くで、ジャンプする影を発見!
近づくと、デッカイ虹色のマンタさんでした。
この海の波に乗り、とても陽気で元気いっぱい。
元気を私に分けてくれました。

『まだ波乗りの途中だけど、
この海は、ワクワクするんだ。
そう思うだろう?』
私はゆっくりと頷いた。

眠りの海をプカプカ中。
誰かが私のお尻をくすぐり、つついてる。
見ると、1匹のウミガメの赤ちゃん。
🐢『ねぇ、どうして独りぼっち?寂しくない?』
『この世界を泳ぐ私は、寂しくないよ。たくさんの仲間たちも泳いでいるから。』
🐢『そっか、いっぱいいるんだね。』
笑顔で空を見た。

シャボン玉雲が少ないピンクの夜空
眠りの海の上でプカプカしながら、
貝殻の鏡を空に反射させた。

ここにいるよ。
大丈夫、待っているから。
まったりと、いつまでも。

ピカッと反射を感じた。
大好きなあの子も元気でいるかな。

いろんな星があって
好きな居場所。

まったりまったり
眠りの海をプカプカと。

私に出来ることって
何だろうと考えながら。

猫さんのおなかを
モフモフする夢をみたい。
だって、
なんか幸せだから。
本当は、あなたに触れてたい。
いつでも…。

ポツポツと眠りの海に雨が降る。
波も何だか落ち着かない。

カニさんと近くの洞窟へ避難して、
ラッコの私は、長くて丈夫な海藻をお腹に巻き、
カニさんは隠れ家の岩場から
互いに流されないように遠くの稲光を眺めた。

ピンクの空、シャボン玉の雲が
パシャリと割れ、
雷が泣いている。