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露地の役割

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手水の使い方

客は茶席に入る前に手水鉢の水で手・口を清めます。露地にある手水鉢は「蹲踞」「立石形」など様々な形式がありますが、大半は「蹲踞」であります。「蹲踞」は手水を扱うのに身をかがめ、つくばうので「蹲踞」と呼ばれております。その前には「水門」という使った水を流す穴があり、その回りに三つの役石があります。正面にある石を「前石」といい、この上につくばい手水を扱います。右側には「手燭石」があり、夜に行われる夜咄や

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露地の役割

露地は茶室に通じる庭で、客に心地よさを感じさせる空間です。茶席への期待を膨らましながら腰掛待合に座り、水をまくことによって清められた露地に目をやると、水の滴る飛石達、木漏れ日に手を差しのべる草木、石の陰から透き見している苔、夜を待つ灯籠・・・露地の見所は沢山あります。中門が開かれ腰掛を立ち、蹲踞にて身を清め、にじり口に手を掛ける。ほんの露の間に自然と心は穏やかとなります。
茶室は俗世と切り離れた空

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飛石

寄付待合、腰掛待合、茶席へと道は飛石で組まれております。石は全て自然石で平らな物、露地草履を履いても歩きやすい物を用いており、右足左足と交互に、大きい石でも踏み換えられるように配列されております。景色を意識して間に山石の切石、小さい石を並べて作った延段などの畳石や石臼を飛び石の一つに見立てたのもなどあります。石一つにも客をもてなし喜ばせる工夫がこなしてあります。飛石を歩くのに馴れていないと、打ち水

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燈籠

燈籠は寺社の境内にある献燈から取り入れられた物です。その多くは石燈籠で寺院・神社から受け次がれた物、茶人が好みの形に作らせた物などがあり、石で作られた物以外に金燈籠・木燈籠などもあります。夜間の茶会に明かりを取るために用いられたと思われがちですが、燈籠が露地に置かれるのは一つか二つです。夜間に露地の隅々まで照らすことには無理があります。明かりが入った燈籠は足下を照らすことより、景色の一つとして置か

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半蔀

茶室側を内露地、待合側を外露地といいまして、その中間に仕切りとして立つ
門を中門と言います。中門は屋根のある物とない物があり、屋根のある物は竹葺門・中潜り・梅見門・茅門などがあり、屋根のない物は猿戸・枝折戸・揚簀戸などがあります。半蔀(はじとみ)はこの中の揚簀戸のことで、丸竹で組まれた枠に、割竹で菱目か籠目に編んだ網戸を二本の柱の上に渡した柱に吊り、たけの竿などで押し上げて用いります。力がいるよう

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飛石

寄付待合、腰掛待合、茶席へと道は飛石で組まれております。石は全て自然石で平らな物、露地草履を履いても歩きやすい物を用いており、右足左足と交互に、大きい石でも踏み換えられるように配列されております。景色を意識して間に山石の切石、小さい石を並べて作った延段などの畳石や石臼を飛び石の一つに見立てたのもなどあります。石一つにも客をもてなし喜ばせる工夫がこなしてあります。飛石を歩くのに馴れていないと、打ち水

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腰掛待合

寄付待合を出て亭主の迎え付けを待つ場所、また中立をして再び席入の案内を待つ場所を腰掛待合、または単に腰掛といいます。正客の座る位置には吹き抜け窓や下地窓があり、詰めの位置には柱に釘を打ち露地箒が掛かっております。腰掛には煙草盆、円座(座る敷物)が置かれており、客は露地の風情を楽しみながら和やかに待つ場所でありますが、亭主がにじり口から姿を見せ、蹲踞を扱っている時、中立に席入の合図となる銅鑼の音が聞

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関守石

関守石は関石・止石・きめ石などともいい、拳二つほどの大きさの丸石をワラビ縄で三方もしくは四方にしばり、上に引き手を出した物で、これより先へ入ることはご遠慮して下さいと意味を持っています。ですから、露地で二股になっているときに飛石の上に関守石を置くことで茶室への行き先を知らしてくれます。昔から茶人は無駄な言葉を避け、様々な工夫を凝らしています。関守石もその一つで、石一つに意味を込め、置くだけで意思表

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