露地の役割

露地は茶室に通じる庭で、客に心地よさを感じさせる空間です。茶席への期待を膨らましながら腰掛待合に座り、水をまくことによって清められた露地に目をやると、水の滴る飛石達、木漏れ日に手を差しのべる草木、石の陰から透き見している苔、夜を待つ灯籠・・・露地の見所は沢山あります。中門が開かれ腰掛を立ち、蹲踞にて身を清め、にじり口に手を掛ける。ほんの露の間に自然と心は穏やかとなります。
茶室は俗世と切り離れた空間といわれております。その境目にあるのが露地であります。客は一歩露地にはいると無の境地に入ります。その心境が大事なことであります。そういいましても、初心の方には難しく感じるかもしれませんが、俗世と離れるとは難しいことではありません。嫌なことを忘れ、無駄なことを考えず、心地よくなることです。まずは、普段の生活と心地よい空間との境目が露地である。これぐらいの思いから一歩づつ進んでみてください。きっと露地が心を穏やかにしてくれます。

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