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タカシクエスト 第5章


時計の針は午後5時を回った。
僕は、はやる気持ちを抑えながら、テレビの前に座った。
そして、テレビのリモコンを操作して、ある番組にチャンネルを合わせた。

「それいけ! ア○○○マーン!」

僕の大好きな番組が始まった。
ア○○○マンが、○○キンちゃんを倒すシーンは何度見ても最高だ。
僕は、瞬きをするのも忘れて番組に集中した。

幸せな42.195分だった。
やっぱりア○○○マンは最高だ。
そう感慨にふけっていると、突然玄関のドアが開いた。

「ただいまー。僕ちゃんいい子にしてた~?」

「あっ、パパお帰りなさい」

「今日は僕ちゃんの誕生日だから、ケーキ買ってきたのよ~」

「うわぁ、ありがとう。パパ大好きー。僕、大きくなったらパパのお嫁さんになる~」

「うふふ、僕ちゃんたら」

幸せな光景が広がっている。
今日で5回目の誕生日を迎えた少年は、最大限の喜びを感じていた。

「プルルルル」

電話のベルが鳴った。

「あら、誰かしら」

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綺羅カーンVS勇者タカシ

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